大の里が目論む横綱ロード…少なくとも師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)には微塵の焦りもなし
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月11日 9時26分
大の里(右)と琴桜(C)共同通信社
先場所優勝の琴桜と優勝次点の豊昇龍、2大関の綱とりが話題となる1月場所(12日初日)。そんな2人のせいで若干、影が薄くなっているのが同じく大関の大の里(24)である。
幕下付け出しとはいえ、入門2年目で新入幕。さらに史上初となる新入幕の年に大関昇進、優勝2回と、誰もが驚くスピード出世で「次代の横綱」と期待が集まった。
しかし、新大関で臨んだ先場所は9勝6敗と星を伸ばせず、10日目以降に4敗と終盤に息切れ。そこにきて他の2大関の活躍もあり、すっかり土俵の話題をかっさらわれた。横綱昇進の可能性があるのは5月場所。それも今場所と次の3月場所で連続優勝するなど、高いハードルを越える必要がある。
6日の稽古総見、そして翌7日の佐渡ケ嶽部屋への出稽古では、2日連続で琴桜と相撲を取った大の里。現在地はどこにあるのか。
「素質を考えれば、今場所も優勝候補の一人ですよ。新大関の場所は誰もが苦戦するので、大の里も例外ではなかったというだけ。むしろ、他の2大関に注目が集まる分、マイペースで調整できているのではないか」
と話す角界OBはさらに「本人は焦りもあるかもしれないが」と、こう続ける。
「少なくとも師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)はみじんの焦りもないでしょう。なにせ、大の里は今年が入門3年目。まだまだ素質を生かせるだけの稽古をこなせる体ではなく、師匠も細かい技や技術指導は控えているようですから。本場所終盤で腰高になる悪癖も、純粋な体力不足。これもすり足やしこなど、日々の稽古をきちんとやっていれば、徐々に改善されるでしょう。琴桜や豊昇龍らとは異なり、力士としての完成度はまだまだなんです」
それでも2度の優勝をするあたり、やはり素質はケタ外れ。大きなケガをせず、力士として「完成」した時には、一気に他の力士をごぼう抜きするかもしれない。
◇ ◇ ◇
大相撲と言えば、先場所限りで引退した貴景勝は、過去に2場所連続で「優勝に準ずる成績、優勝」しながら横綱になれなかった。いったいなぜか。貴乃花の元弟子だからなのか。日本相撲協会・八角理事長を直撃すると、意外な答えが返ってきた。
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