1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

2025年は「日経平均3000円」と予測…森永卓郎氏に日本経済と株価の行方を聞いた

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月13日 9時26分

 少しでも足元を突かれれば、崩壊時の被害は非常に大きくなるでしょう。24年8月に日経平均株価が4000円以上下落した時も悲劇的でしたが、次の崩壊はそれ以上に深刻だと感じています。

 ――もしバブルが崩壊すれば、アメリカも同じ状況になるということでしょうか?

 アメリカは一歩遅れて影響を受けると考えています。トランプ氏が目指す近隣窮乏政策、「自国優先」の方針により、円高ドル安を日本に強要し、中国や日本に高関税を課す可能性があります。一時的にはアメリカ産業が好調になるかもしれませんが、他国が苦境に立ち不満が高まるでしょうね。1920〜30年代の近隣窮乏政策が世界戦争を招いたように、再び世界的な混乱を引き起こす可能性があります。私は、まず日本が壊滅的な不況に陥り、その影響が世界戦争と経済失速を招くシナリオが一番ありえると考えています。

 ――主要先進国のGDPや、雇用の好調さ、賃金の増減など、さまざまな尺度がありますが、森永さんが懸念している点は?

 24年に日本はG7で唯一マイナス成長が予想され、25年にはさらに深刻な事態が起こると考えています。その一つが円高です。日銀は利上げを見送りましたが、トランプ氏が再任されれば、ドル安・円高誘導のために利上げ圧力をかけるでしょう。

 為替の99.6%は投機で、実需はわずか0.4%です。投機筋が円高に動けば、急激に進行する可能性があります。購買力平価、つまり同じものが同じ値段で買える均衡為替は、現在のIMF(国際通貨基金)推計では円ドルレートは91円が妥当ですが、投機により150円台に。購買力平価までは一気に動きます。さらにはオーバーシュートで70円台になるリスクもあります。

 これにより、S&P500などのアメリカ投資資金は為替の影響で半減する恐れがあり、NISAを利用している人たちは、真っ青になり資産が溶けてなくなる可能性があります。

 ――為替が購買力平価から見て大きく売られすぎているという印象はありますが、短期間で半分になるような動きは本当に起こり得るのでしょうか?

 もし為替が実需中心だったら、そんな極端な動きは起きません。でも投機だと時にとんでもないことが起きるんです。24年8月の株価暴落もそう。一瞬で坂道を転げ落ちるような下落でした。同じことが為替市場でも十分に起こり得ます。

「資本主義とは何か?」これは岩井克人先生が述べていることですが、資本主義とは投機を主体にした経済システムだということです。つまり世の中の取引の大部分は投機で成り立っています。投機が増えたかどうかではなく、資本主義そのものが投機なのです。株式市場はほぼ100%が投機であり、為替市場に至っては、さらに投機そのものといえるほどです。

■「日経平均3000円」の悲観シナリオが現実になるサインは?

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください