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2025年は「日経平均3000円」と予測…森永卓郎氏に日本経済と株価の行方を聞いた

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月13日 9時26分

 ――森永さんは「日経平均は3000円になる」とかなり悲観的なシナリオを描いていらっしゃいますが、もしそれが現実になるとすれば、崩壊のサインや進行の過程でどんな動きが起こると考えますか?

 そこがね、誰にも正確には分からないんです。経済学者のガルブレイスは生涯をバブル研究に捧げたんですが「バブルがいつ崩壊するかを正確に当てることはできない」というのが彼の結論でした。例えば1929年10月24日の「暗黒の木曜日」の暴落も、ゼネラルモーターズの株に大量の売り注文が入ったことがきっかけだったんですが、誰が何の目的で仕掛けたのか、未だに分かってないんです。

 有名な話として、ジョン・F・ケネディの父、ジョセフ・ケネディがウォール街で靴磨きの少年に「今日の相場はどう動きますか?」って聞かれて、「子どもまで株をやっているなんて危険だ」って直感して、全ての株を売り払ったら、その直後に大暴落が始まった。

 きっかけは色々あります。戦争、自然災害、政治的な要因、何が引き金になるかは誰にも予測できない。ただ、今の市場っていうのは、尖った山の上にボールを置いているようなものなんです。誰かがちょっと押すだけで、一気に転がり落ちるような不安定な状態にあるのは間違いないと思いますよ。

 ――バブルとしての過剰評価は確かにありますが、日経平均が3000円になるにはEPS(1株当たりの利益)が大きく減少する必要があります。企業の利益がそこまで変動することは考えにくいのでは?

 ロバート・シラー教授の研究によれば、バブル時には利益自体も過大評価されます。PER(株価収益率)は意味をなさなくなり、バブル崩壊後には利益が本来の水準に戻り一気に1/3、1/4、1/10にまで落ちることがあります。

 経済理論では、株価は将来の配当金を現在価値に割り戻して決まりますが、配当金の原資は企業の利益です。完全競争下では企業利益がゼロになり、株式は無価値になるという理論もあります。それでも投機的に株価がつけられているんです。

 みんなが投機的に値をつけている点では、昔の仮面ライダーカードと同じです。突き詰めると、それは単なる印刷物、紙切れに過ぎません。しかし、ピーク時には1枚で何十万円、何百万円の値がつき、それが株式も同じで、ポケモンカードが今300万円しているものが、10円になっても何もおかしくないと思います。

 ――確かに、日経平均株価はバブル時の高値から2003年の安値まで約8割下落しています。長期的にはそのような動きがありますが、もし森永さんの予測のような暴落が起きた場合、逆に考えれば、お金を増やす空前のチャンスともいえますか?

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