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「五十肩」を最もスムーズに改善する方法…じっと安静はダメ

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年2月5日 9時26分

「五十肩」を最もスムーズに改善する方法…じっと安静はダメ

「我慢」や「自己流」はダメ

 寒い季節に悩みが深刻になりやすいものとして、先週は本欄で尿の悩みを取り上げた。続く“寒い季節”第2弾は五十肩だ。3月2日に京都・東寺駅前に「京都整形外科 肩スポーツクリニック」を開く森大祐医師(整形外科)に五十肩対策のポイントを聞いた。

  ◇  ◇  ◇

 五十肩は生活に支障を来す深刻な症状である一方で、すぐに整形外科で治療を、となりづらいのではないか。現に記者の周りも「じっと我慢」「自己流の対処法」という人が圧倒的に多い。

「五十肩という言葉は“50歳代の人に多い肩の痛み”という意味で、医学的には肩関節周囲炎といいます。肩関節に炎症が起こり、痛みが生じているわけです。動かすと痛いからと極力じっとしていると、あるいは痛くても無理して動かしていると、拘縮肩といわれる状態になりやすいのです。拘縮肩になると関節が固まって腕が上がらなくなってしまいます」(森医師=以下同)

 拘縮肩は、肩関節周囲炎のほか、腱板損傷、上腕二頭筋腱損傷など肩関節の組織が炎症を起こす病気や組織が損傷する病気でも生じる。なぜ拘縮肩になるのだろうか。組織の損傷した状態で肩関節を動かすことで組織に炎症が起こり、それが続くと関節の可動域に影響する組織が硬くなったり、癒着を起こしたりするからだ。

 五十肩のチェックリスト(表)の項目は、いずれも肩関節周囲炎(五十肩)がかなり進行した状態だ。

「肩関節周囲炎は、痛みが強い間は肩を無理に動かさずに安静にしなければなりません。整形外科ではその期間をできる限り短くするため、鎮痛剤、炎症を抑えるステロイド剤、潤滑作用のあるヒアルロン酸注射などを行います。そして痛みが軽減したタイミングで、凍結肩にならないよう、肩を動かす運動療法に進みます。これが最もスムーズに五十肩を改善する方法です。凍結肩に至ってしまうと、自然と回復する人もいますが、回復しない方もいるのです」

 拘縮肩が回復しない場合、サイレントマニピュレーションという、外来で麻酔をかけて可動域を広げる処置が検討される。難治性の凍結肩(重症な拘縮肩)では手術になることもある。

■レントゲン、超音波、MRIで原因を探る

 注意すべきは「中高年の肩の痛み=五十肩(肩関節周囲炎)」ではないということ。診断には必ず検査が必要だ。一般的にレントゲン、超音波またはMRIが行われる。

「レントゲンでは、肩関節周囲炎や凍結肩以外の病気がないかを調べます。『レントゲンで異常がないから五十肩』と言われたことがある人もいるかもしれません。それは五十肩(肩関節周囲炎)で炎症が起こる部位はレントゲンに映らないからです。つまり、レントゲンは『五十肩以外の病気がないか』を調べるために行います」

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