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【タイ】都心に移転した会社で働く従業員の苦労

Global News Asia / 2016年7月7日 17時0分

高級デパートのフードコートは高いがそれなりにおいしい。以前は高級デパートでも安めのフードコートと高めを分けてオープンしていたが、景気のよさからか今は高めだけになっていることが多い。(撮影:高田胤臣)

 2016年7月7日、東南アジアはこの数年間好景気で首都圏の発展が著しかった。タイ・バンコクも同様で、商業施設やコンドミニアムの建設ラッシュが続き、街の景観がだいぶ変わった。このところは景気後退の予測が増えており、一般市民レベルでも不景気に対する警戒心が出てきている。

 この数年間の好景気の間に大きな利益を出し、急成長をした企業の中にはオフィスが手狭になり、広い物件に移転したというところも多い。特に商業施設やコンドミニアムの中には最新のシステムを備えたオフィスビルを併設しているものもあり、建設ラッシュの最中においては都心の方が優れたオフィスを構えやすい状況があった。しかし、郊外にあった企業が都心に移転してくると困ることが出てくる。それは、昼休憩などでの飲食だ。

 例えば、今最も賑わっているとされるBTSプロンポン駅前には高級デパート「エムクオーティエ」ができており、オフィスビルへの入居も順調に見える。しかし、高級デパートゆえに入居する飲食店は軒並み高級店。商業施設内にはフードコートが必ずあるが、こういった場所のものは市価の2倍以上する店ばかりになる。企業自体の利益が上がっていて従業員の給料も増えていたとしても、一般的なタイ人会社員には厳しい出費になる。そうなると、外に出て屋台などで食べることになるが、雨季はスコールが多く面倒だし、急激に増えた会社員に屋台のキャパシティも追いつかない状態にある。

 通勤距離の問題であれば給与に交通費を上乗せして対処することは雇い主としてはある程度許容範囲にしても、昼食の手当までは難しい。タイ人の場合、それを理由に退職する人もいるらしく、移転も慎重に考えなければならないようである。

【執筆 : 高田胤臣】

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