【コラム】議員は、大学受験よりもセレブへの近道ー韓国

韓国イメージ

　2022年6月1日、韓国では統一地方選挙が行われた。そして、比例代表だが市議として「19歳の女子大生」と、大学には進まなかった「20歳の男性」が区議として当選した。

　今回の選挙から立候補できる年齢が、満25歳から、満18歳に引き下げられた。もちろん当選した2人だけでなく、もっと多くの20歳未満の若者が立候補してはいる。たまたま当選したのがこの2人だったのかもしれない。

　女子大生は、現在休学中。障がい者と共にミュージカルや歴史英語劇などの教育系ボランティアを熱心に行ってきた。その経験を生かして、地域の教育システムを若者のリアルに合わせたものにしていくそうだ。

　20歳の若者は、…正直日本の尾崎豊状態な気もする(尾崎は、高校三年の2月に名門私立を退学している。公表しなければ、当時の大検合格で、高校卒業程度=高卒にはなれていた。だから、本気で廊下をバイクで走ったり、窓ガラス壊したりするのは詩の世界だけだと思う。どちらをするにしても、片づける用務員さんの苦労を考えろよ！ と筆者は否定する。彼は息子を作った。彼の死後、妻子は日本国外に身を置いた。が、彼が生きていれば、やはり息子はエスカレーター式の私学で守られるという矛盾が生じる)。

　さて、彼は、2019年の大学共通テスト(韓国における大学修学能力試験)の直前に、教師らの政治偏向教育を暴露して、一気に時の人になっている。SNSを駆使して、かつ、尹大統領とも、若者代表として懇意になった。3月9日の大統領選挙では、青年本部両性平等委員会主席副委員長を務めている。

　世襲と言う純粋培養で、下流国民の時給やカップ麺の値段すら知らない議員もいるが…彼らこそ、本当の意味での純粋培養だ。若者の主張を誰よりも知っているかもしれない。しかし、若さという名の間違いや罪はまだ体験したことがないだろう。

　20歳以下だから、政治家になれないとは言わない。大人の矛盾を責めていた者が、いきなり大人の沼の中に入っていくのだ。同調し、忖度しなければ生きていかれない世界に。

　かつて、定時制高校の取材をしたとき、新任の教師がトンデモ発言をした。その時、生徒が「この人は、学校出て先生になったばかりで、世間の苦労は何も知らないのです。俺に免じて勘弁してやってください」と言った。

　そう、世間を知らないこの2人の議員がどんな仕事をして、人生双六を進めて、セレブになっていくのか。きちんと仕事をしてくれれば、それはそれでいいのだが。

　人は「先生(議員)」と呼ばれた日から、違う人間に生まれ変わるものだから。
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