日本も大きく貢献…「複合施設の建設ラッシュ」がタイ・バンコクの不動産市場を一変させる見通し
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月3日 11時0分
中心業務地区(CBD)に位置する複合開発プロジェクトは、バンコクとタイを変貌させようとしている。(『Bangkok Post』より)
タイの政治・経済・金融に関する情報を中心に取り扱う現地メディア『Bangkok Post』より翻訳・編集してお伝えする。
1990年代後半から進化の一途を辿る「タイの不動産市場」
事業用不動産の総合不動産サービスを手掛ける会社、ジョーンズ・ラング・ラサール(JLL)(タイ支社)によると、中心業務地区(CBD)に位置する10の世界クラスの複合用途開発プロジェクトによる新たな不動産供給の流入が、バンコクとタイに変革をもたらすという。
同社カントリーマネージャーのマイケル・グランシー氏は、「タイの不動産市場は1990年代後半から大きく進化しています」と述べた。
10の複合用途開発プロジェクトの登場により、バンコクはアジア太平洋地域で最も最高かつ手頃な価格の商業用不動産の一部を誇るようになった。
「今後4年間で、バンコクではこれらの複合用途開発プロジェクトから相当数のグレードAのオフィススペース、一等地の小売スペース、高級コンドミニアム、高級ホテルが完成し、前例のない現象を経験することになるでしょう」(グランシー氏)
総面積は、約91万1,000平方メートルのグレードAのオフィススペース、53万4,000平方メートルの小売スペース、5,400戸のコンドミニアム、5,900部屋にもなる高級ホテルで構成される。
多国籍企業の新規賃貸、日本が24%でトップのシェアを占める
2023年から2024年の第1四半期にかけて、中心業務地区の7つの新築一等地オフィスビルのリース契約は20万8,000平方メートルに達し、これは過去10年間のCBDにおける年間平均需要4万6,000平方メートルの4.5倍以上に相当する。
JLLのリサーチ・コンサルティング部門責任者であるアナウィン・チャンプラサート氏によると、中心業務地区の総取得面積の半分は、ラマ4世通りと無線給電道路の角にある新しい複合施設プロジェクト、ワンバンコク※に移ったという。
※ワンバンコク:タイのバンコク都市圏にある、総面積16万6,400平方メートルに及ぶ同国最大の超高層ビル・都市開発プロジェクト
「バンコクのオフィス市場は供給過剰に直面していると思われていますが、実際には多くのテナントは、要件を満たさなくなった古いビルから新しいビルに移転しています」とアナウィン氏。
アナウィン氏によると、築5年未満のビルに入居する新しいテナントの面積は14万7,000平方メートルだという。その需要の一部は、築25年以上のオフィスビルに拠点を置くテナントによるものであり、JLLはこれらの古いビルの稼働率が大幅に低下していることを発見した。
「古いビルから新しいビルへの移転は今後も続くと思われます。そして、この現象はバンコクだけでなく、ニューヨークやシンガポールのような世界の主要都市でも起こるでしょう」(アナウィン氏)
総取得面積20万8,000平方メートルのうち、JLLは6万7,295平方メートルの取引を成立させ、2022年の5万5,000平方メートルから20%以上増加した。
JLLが取引を成立させたおよそ94%の面積に当たる6万3,000平方メートルが古い建物からの移転であり、残りの4,295平方メートルが新規賃貸だった。新規賃貸はすべて多国籍企業(MNC)からのもので、その大半は小売業であった。
中心業務地区の一等地では、過去10年間の多国籍企業におけるシェアは平均65%で、中心業務地区におけるバンコクのオフィススペースが主に多国籍企業に依存していることを示唆している。
2019年以降、多国籍企業の新規賃貸の80%は主要市場からのもので、日本が24%を占め、フランス(18%)、米国(16%)が続き、シンガポールと英国はそれぞれ4位、5位となっている。
外部リンク
- なぜ物価の安いエリアに引っ越さないのか―― 東京都港区の貧困層、大都会の片隅で #令和のカネ #令和の親
- 30代長男の死…嫁は「私たちを頼らないでください」と言い残し、孫を連れて海外移住。食堂で働き詰めの高齢母が、涙をこらえて遺した〈まさかの遺言書〉
- 「中国が怪しい動きをしている」インド政府、スリランカも懸念…「南アジア最大級のタワー」に暗雲
- 「日本人職員のレベルは低い」…あらゆるエリート職に「インド人・中国人」が増えているワケ
- 【2023年「相続・事業承継」人気記事TOP10】第1位は『「親が亡くなったら、真っ先にコンビニへ走る」が新常識!相続手続きで困らないためにやるべき、たった一つのこと【税理士が解説】』! 第2~10位はこちら
この記事に関連するニュース
-
Hines、東京のオフィスと大阪の物流施設を取得
PR TIMES / 2024年4月26日 19時40分
-
「DPL岩手金ケ崎II」着工
PR TIMES / 2024年4月10日 17時40分
-
<2024年3月末>東京主要7区 大型オフィスビル空室率・平均募集賃料の動向
PR TIMES / 2024年4月10日 17時40分
-
[福岡版]【最新オフィスマーケットレポート発表】オフィス空室率 前月から上昇
PR TIMES / 2024年4月8日 15時15分
-
大和ハウスの「Dタワー富山」が完成 県内最大の1フロア貸室面積となる複合ビル
OVO [オーヴォ] / 2024年4月1日 8時0分
ランキング
-
1“15年間フルーツしか食べない人物”に起きた驚きの変化。「ラーメンもお菓子も食べたいとは思わない」
日刊SPA! / 2024年4月30日 8時52分
-
2ニトリが布団「Nクール」を自主回収 「中綿」表面に出てくる恐れ……「深くお詫び」
ねとらぼ / 2024年4月30日 12時20分
-
361歳女性の“還暦ファッショニスタ”が明かす、いつまでも若々しい人たちの共通点
日刊SPA! / 2024年4月30日 8時53分
-
4なぜ辞退しない? 円安物価高の“A級戦犯”黒田東彦・前日銀総裁に「叙勲」のブラックジョーク
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年4月30日 11時3分
-
5岸田首相含め政務三役31人、渡航費用12.6億円!円安放置し“血税ごっつぁん”外遊三昧のア然【リスト付き】
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年4月30日 11時32分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください