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終電を逃した深夜1時…月収37万円・44歳サラリーマン「タクシーで帰るか」から始まる恐怖体験

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年3月18日 17時15分

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加速度的に進行する少子高齢化は、さまざまな問題を引き起こしています。そのひとつがタクシードライバーの不足。解消に向けて色々な打開策が明らかになっていますが、利便性も高まると期待されていますが、一方で少々不安に思うものも。みていきましょう。

タクシー乗り場に長い列…いよいよ自分の番がきた

寒さも厳しくなってくる12月。新宿で42歳サラリーマンの会社の忘年会が始まったのは夜7時。そこから2次会、さらには3次会と続き、気付けば時計は0時半。

――まずい!終電が……

と一瞬焦りましたが、どうしようもないことに気付きクールダウン。「仕方がない、タクシーで帰るか……」と、飲み会のお開き後にタクシー乗り場へ向かいました。そこにはすでに長い行列。

――自分と同じように終電を逃したであろうサラリーマンがこんなにいるのか

待つこと20分、深夜1時を過ぎて、ようやく自分の番がまわってきました。ドアが開き乗り込むと「どこまで行きますか?」とドライバー。「青葉台の駅まで」「東急の?」「そうです」そんなやり取りをしていると、ふと、ドライバーが随分と高齢であることに気付いたといいます。

――ドライバーさん、おいくつですか?

――今年、74です

――あっ、ちょうど30歳、先輩ですね。こんな夜中まで、すごいですね……

――夜は暗くてよく見えんですよ(笑)

ドライバーの冗談も本気に聞こえ、スッと酔いが冷めたとサラリーマン。「怖いので降ります」とはとてもいえず……

――じゃあ、出発しますよ。シートベルト、付けてください。

ドライバのひと言で、タクシーは発車。

――(結構、運転が荒いな)

国道246号線を爆走すること1時間。緊張して、道中のことはあまり覚えてないといいますが、普段よりも20分も早く着いたとか。料金は1万円超。平均的な給与しかもらってないという男性(厚生労働省によると大卒正社員で平均月収37.0万円、年収616.2万円)には痛い出費でした。

そんな忘年会後のエピソードを話しながら、「最近は、タクシードライバーも高齢化なのかね」と男性。法人の場合、会社によってまちまちですが「60~65歳」を定年とすることが多いようですが、個人タクシーの場合は定年という概念はありませんが、営業で必要な事業許可の更新が75歳以降はできないので「定年75歳」ということができるでしょう。

しかし、ドライバーの高齢化に加え、担い手が不足していることもあり、全国的にタクシードライバー不足が深刻化。なんとか問題を打破しようと、政府は個人タクシー運転手の年齢上限を80歳に引き上げ、現在、人口30万人以上の地域でのみ営業が認められているのを過疎地でも認める方針を明らかにしています。

日本版ライドシェア解禁へ…問題点も続々

警察庁の資料によると、運転免許の申請取消(自主返納)件数は、2022年44万8,476件。そのうち75歳以上は27万3,206件、前年から2%ほど減少しました。平成10年から免許の自主返納制度は導入されましたが、コロナ禍の影響もあり、75歳以上の免許返納は2019年35万0,428件をピークに減少傾向にあります。

免許返納率の低下はさておき、高齢ドライバーの交通事故が社会問題化しているなか、個人タクシーの年齢上限の引上げに対しては、「そんな高齢ドライバー、大丈夫なの?」と誰もが不安に思うばかり。安全への不安を払拭することが必要とされています。

上限年齢の引上げは、深刻化するドライバー不足の解消を目指した奇策という見方が強いですが、ほかにも外国人の在留資格の「特定技能」に「自動車運送業」を追加するという案も。ただ言葉の壁が大きく、実現は不透明。

そこにきて注目されているのが一般のドライバーが乗客を乗せる「ライドシェア」。国土交通省は「東京都:23区、武蔵野市、三鷹市」「神奈川県:横浜市や川崎市など」「愛知県:名古屋市や瀬戸市など」「京都府:京都市や宇治市など」でライドシェアのサービスを認める方針を明らかにしています。

この「日本版ライドシェア」はタクシー会社の管理のもとで、配車アプリのデータから算出した車両不足の地域や時間帯に限って解禁もの。運行できる曜日、時間帯、上限台数は区域によって異なり、たとえば東京23区では、月〜木曜は午前7時〜10時台、日曜は午前10時〜午後1時台。これらの地域にあるタクシー会社の意向を調査したうえで、申請のあった会社に事業許可を出すとしています。

今後、配車アプリのデータ分析が終了した他地域についても、タクシー不足が確認された場合、順次、ライドシェアを認める方針だといいます。

ライドシェアは移動手段が不足している地域の利便性を高めるほか、「低料金で利用できる」「自家用車で収入を得られる」などのメリットがある一方、「ドライバーの資質や運転技術の問題」「事故発生時の問題」「安全性の問題」などの懸念も。

環境問題にも寄与するといわれている「ライドシェア」。今後の動向に注目です。

[参考資料]

厚生労働省『令和4年 賃金構造基本統計調査』

警察庁『運転免許の申請取消(自主返納)件数と運転経歴証明書交付件数の推移』

国土交通省『自家用車活用事業に係る営業区域ごとのタクシーの不足車両数を公表します』

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