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面接の期待値もアップ!優秀なビジネスマンをアピールできる「エグゼクティブ・サマリー」の作り方【キャリアのプロが解説】<br />

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月11日 7時0分

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(※写真はイメージです/PIXTA)

職務経歴書はどのように書くべきか、という問題は転職活動で必ずぶつかる問題です。東京エグゼクティブ・サーチの代表取締役社長・福留拓人氏がおすすめするのは、職務経歴書の冒頭に「エグゼクティブ・サマリー」を入れて、簡潔に自分のやってきたこと・やりたいことをアピールする方法です。その理由と作成のポイントを解説します。

適切な職務経歴書の書き方は?

コンサルティングをしていると、お会いする候補者(Candidate)から次のような質問をよくいただきます。

「職務経歴書はなるべく情報をたくさん書いたほうがいいですか? それとも短く簡潔にまとめたほうがいいですか?」「文字数にすると200文字を2枚くらいがベストだというのは本当ですか?」

もちろん書き方や表現方法は人によって変わる部分もありますが、今回は職務経歴書の書き方についてアドバイスをしていきたいと思います。

まず、社名を言えば誰でも知っているような有名企業に勤務していて、それなりの要職を担っている人なら、あるいは長期間にわたって一定の業績を上げてきているのなら、転職回数は比較的少ないと思われます。このような場合の職務経歴書は、淡々とした経歴の羅列でもよいのではないかとアドバイスをしています。

なぜかといえば、勤務されている会社のネームバリューから、仕事のイメージやポジション、社会的ステータスなどが明確に伝わるからです。さらに面接する企業の経営陣や人事に対して、一定の信頼感、安心感、期待感などを与えることができます。

ということで、詳細にあれこれ書いていなかったとしても、「ぜひ一度お目に掛かりたいです」という流れになりやすいわけです。こういう場合の職務経歴書は、ある程度短い文章であってもかまわないのではないかと思います。

その一方で、望むと望まざるとにかかわらず、少なからぬ転職を経験している場合は事情が変わります。たとえば、20代ですでに3回転職しているようなケースです。その職務経歴書については、箇条書きで淡々と短くまとめるのは避けたほうがよいでしょう。

また、これまで在籍した会社が世間的にそれほど有名な企業ではないというケースも同様で、短い職務経歴書は適さないと思います。あまり知られていない会社というのは、それがダメということではありませんが「知られていない」ゆえに業務や社風を正確に伝えるのが難しい傾向にあります。

実績を上げてきているのであれば、過去の学歴や経歴だけでなく、きちんとご自身のValue(売り)をまとめて、仕事をこなす実力をしっかりと面接する企業に訴えるべきでしょう。

要は、職務経歴書の書き方に大きなポイントがあるのではなく、これから受けようとしている企業に自分の能力を正しく理解してもらえるかどうか、が大切になってきます。

職務経歴書の冒頭に「エグゼクティブ・サマリー」を入れる

重要なのは、常に多忙な会社の経営層などに興味を持ってもらうために、職務経歴書の最初に「エグゼクティブ・サマリー」という文章をまとめることです。外資系企業に勤めている人にはなじみがあっても、日系企業しか経験していない人にはあまり知られていないかもしれません。しかし、これは職務経歴書に不可欠と言ってもよい要素だと思います。

エグゼクティブ・サマリーは10行から20行くらいの文章で、候補者の業務の要約や価値をまとめて説明するものです。いわゆる起承転結ではなく「結」からはじめて理解してもらう文章です。エグゼクティブ・サマリーを書いておくことで、貴重な時間を奪うことなく要点を提示できるという点から、ビジネスマナーのような側面もあります。

そして「この10行~20行を読んで、関心を寄せていただくような、ピンとくる要素があるようでしたら、この下の文章もぜひお読みください」という流れを作ります。細かく読み進めれば、これまでの経歴や実績など詳細が理解できるように構成しておくのです。

エグゼクティブ・サマリーは、優秀なビジネスマンをアピールするひとつの手段だと思えばよいかと思います。だからこそ、意図的にエグゼクティブ・サマリーをまとめてみることをおすすめします。

とはいえ、職務経歴書は美辞麗句を駆使してかっこよく書くのが本来の目的ではありません。定期的に自分自身の棚卸しをして、頭の中が整理できていないとうまく書けません。場合によっては、整理した内容を確認するために、職務経歴書に内容を書き残していくというスタンスが必要になるかもしれません。

しっかり棚卸しをして頭の整理ができていないと、面接で聞かれる想定外の質問に対して的確に答えられない可能性が高いので、そもそも意味がないということになります。

ですから、職務経歴書をしっかり書いている人は、頭の中がきちんと整理されている人だというひとつの証明になると考えています。その人物に会わなくとも、事前に受け取った職務経歴書を見ればどのくらい自己認識ができているか理解することができるのです。企業の経営陣や人事の要職にある担当者もこのあたりのプロフェッショナルですから、会う前から成功の期待感も湧いてくるでしょう。

自分の棚卸しをして、情報を整理することが大切

エグゼクティブ・サマリーには、自分が経験してきたこと、実績を挙げたこと、苦労したエピソード、その時どういう風に現実に向き合い、どのようにピンチを乗り越えて結果に結びつけたか、そこからどういう風に学んだか、などをまとめていきます。

その上で、これまでの経験と実績をベースに、今は経験がないけれども、こういう面で過去の経験を生かすことができるだろうから、未経験ではあるがこういうことにチャレンジしたい、とアピールします。これは仮説でかまいません。この段階で正解、不正解まで気にすることはないのです。

さらに、こういう状況に置かれたときに自分は一番結果を出しやすい、こういう環境下にあるとこういう働きができるなど、血のかよったサマリーが書けるようになると、読み手に大きなインパクトを与えることができます。そうすると書類の通過率も上がりますし、面接をするときに企業側もかなり期待値を持って出てきてくれる可能性があるなど、いいことずくめになることが多いでしょう。

実際、サマリーに書く内容は、100人の候補者がいても95人はほとんど満足に答えられません。出てくるのは「そのような観点で考えたこともありませんでした」、「自分自身の答えなのに答えられなくて情けないです」といった返答がほとんどです。そこで30分ほどヒアリングをしてサマリーを文書で渡してみると、候補者は喜びしっかりメモを取ったりしています。

このように、面接では自分自身のことを客観的に把握できている人は非常に少ないという現実があります。しかし、日本の大企業の数は法人総数の1%にも満たないというのは、よく知られた話です。このコラムの読者も、中小企業に在籍している方が多いと思われます。そうなると、業務や経歴の羅列で相手に成功期待感を与えられるのは少数派だと思います。

だからこそ、エグゼクティブ・サマリーをしっかりまとめ、自分自身の棚卸しをして情報を整理することをおすすめします。生きた職務経歴書を作成するには、以上に述べたようなスキルが必要だと思います。

福留 拓人 東京エグゼクティブ・サーチ株式会社 代表取締役社長

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