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元証券マンが告白「僕はこのやり方で負け続けました」…絶対にマネしてはいけない「4つの投資手法」

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月10日 11時15分

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(※写真はイメージです/PIXTA)

投資で成功するには、この投資手法ではダメという「負け投資」についても知っておくと有利です。本記事では『決算書3分速読から見つける10倍株ときどき50倍株 2年で資産を17.5倍に増やした元証券マンの投資術』(KADOKAWA)から、著者の〈かぶカブキ氏〉が、証券会社でディーラーをしていた時代の経験をもとに、絶対にマネしてはいけない投資手法を4つ取り上げ解説します。

反面教師にしてほしい「失敗していた投資手法」とは

僕は証券会社でディーラーとして働いていた経験があります。ディーラーは企業の資金を使って株式や債券、為替などを売買するプロのことです。

プロのディーラーともなれば、個人投資家とはまったく違う情報を得て、個人投資家にはできない手法を駆使しているのでは、と思う人もいるかもしれません。

昔のことはわかりませんが、今はインターネットで誰でも瞬時に世界中の情報を得られる時代ですから、獲得できる情報にさほど大きな差はありません。

ましてや、取引はすべてディーラー個人の裁量に任されていたので、僕は懲りもせずに個人投資家と同じようなトレードを続けていました。

負け続けだったディーラー時代のトレードを振り返ると、完全な負けパターンができあがっていたような気がします。それも、多くの勝てない個人投資家が陥りがちな典型的な負けパターンです。せっかくなのでここで、僕の負けが込んだ投資手法を紹介します。絶対にマネをしないよう、反面教師として活用してください

失敗投資(1)Twitterイナゴトレード  

Twitterで有名な投資アカウントがつぶやく銘柄を、そのまま買うトレードです。インフルエンサーのつぶやきに多くの投資家がイナゴのように飛びついて急騰した銘柄は、まもなく急落します。このときの株価チャートは高く細い塔のような形になるので、それが「イナゴタワー」と言われているほどです。

そのプロセスは極めて単純で、有名なアカウントがAという銘柄について言及しているのを発見すると、すぐにその銘柄のチャートを確認します。たいてい、ものすごいスピードで上昇しており、「有名な投資インフルエンサーが言及するぐらいだからきっと抜群に良い銘柄に違いない」と、そのまま目をつぶって買ってしまうのです。

おそらくそのインフルエンサーが投稿するタイミングが、天井圏なのでしょう。投資してからしばらく経つと、それまでの急騰が嘘のように急落に転じるのが常でした。ついさっきまで含み益があったはずなのに、あっという間に含み損が拡大していきます。

慌てて損切りする羽目に追い込まれた結果、自分が勝手に飛びついただけなのに、インフルエンサーに騙されたような腹だたしい気持ちになるのです。しかも、損切りした後やわずかな利益で売却した後で、それをあざ笑うかのように急上昇を始めることも日常茶飯事でした。

「損切りせずに持っていれば爆益だったじゃないか……」と絶望することもあり、だからこそ、すぐにはやめることができませんでした。そして、懲りずにまた飛びついて、急落に遭い、怖くなってぶん投げるという往復ビンタを食らい続けるのです。

終わってみれば、わずか数十分の間に自分はどれだけハラハラさせられ、損を出したのかと思うと、徒労感でいっぱいになります。こうした取引は続けるほどに資金が減っていくので、さすがに長くは続けられず早々に足を洗いました。

根拠のない情報に飛びついて、恐怖と欲望のままに取引するイナゴトレードは、まさに最悪のトレードであることを学んだのです。

失敗投資(2)チャートにらめっこデイトレ手法

根拠がわからない情報に踊らされるのではなく、確かな情報をもとにトレードしなければならないと思うようになって始めたのが、チャート分析です。

チャートは一定期間の株価をグラフ化したもので、過去の株価の推移から値動きのパターンや傾向を知ることができます。こうした客観的な情報を活用すれば、買い時や売り時を的確に判断できるのではないかと考えたのです。

特に僕が手がけていたデイトレードは、企業の業績よりも値動きそのものを見て判断することが求められるので、チャート分析は理にかなっているように思えました。そこで、チャートのしくみやチャートパターン、テクニカル指標を一生懸命学びました。

そして、デイトレードに向く5分足など短い足のチャートを凝視しながら、値動きの方向が転換するサインが出たらすぐに買いをいれるというトレードにチャレンジしたのです。

ところが、買いシグナルが出た瞬間に買っているはずなのに、なぜか急落し、損切りさせられることが続きました。チャートの理論通りに株価が動かない現象を「ダマシ」といいますが、まさにダマシにやられっぱなしでした。

こうして、文字通りチャートに騙され続けた結果、自分には、誰がいつ売るか、どこで買うかを正確に予想するなんて不可能だと悟りました。

失敗投資(3)材料が出た瞬間飛び乗る手法

金融ニュースや企業が公表するリリースに目を光らせて、株価を動かすニュース(材料)が出た瞬間に飛び乗るという手法も試しました。

たとえば、上場まもない新興企業が、大企業と業務提携するというニュースが発表されたとします。新興企業にとってはブランド力を持つ大企業と手を結んでビジネスができるのは大きなメリットで、業績への好影響が期待されます。

実際に、こうした良いニュースが出ると株価が急上昇するパターンはよく見られます。そこでこうしたニュースが出たら即、買いをいれるのですが、上昇する速度が速すぎて結局買い注文が成立するのはある程度上がってからになってしまいます。

しかも、そのニュースがどの程度業績に影響するのかを考える時間もないままとりあえず飛びつくので、どのぐらいまで株価が上がるのかも見当がつかず、利益確定のめどもわかりません。

現実に、よくわからないまま飛びつくトレーダーも多いようで、いったんは上昇してもその勢いは続かずすぐに下落に転じることもよくありました。その材料にどの程度の価値があるのかを判断できないまま、とりあえず飛びつくというのではイナゴトレードとさほど変わりません。この方法でも、やっぱり勝つことはできませんでした。

失敗投資(4)決算持ち越し手法

株価が急上昇するタイミングの典型例は、決算発表です。決算は上場企業が3か月(四半期)ごとに公表する業績の通知表のようなもので、その内容が投資家の期待を上回れば株価が上がり、期待ハズレに終わると下落します。

好決算のニュースが出てからでは遅いと思った僕は、良い決算が出るのでは、と思った銘柄を決算発表の前に買って、良い決算が出るのを祈っていました。これはいわゆる「決算またぎプレイ」と言われる手法で、まさにギャンブルです。

良い決算が出れば利益が出ますが、投資家の期待を大きく下回る決算が出ると悲惨です。予期せぬクソ決算を食らってストップ安が続き、売りたくても売れないという経験もしました。決算またぎはハイリスクハイリターンで、コントロールもできないので、まともな投資手法とはいえないと痛感しました。

株取引には「必ず負ける行動」がある負け続けていたときにやっていたこれらの手法は、それぞれはまったく別の手法に見えますが、いくつもの共通点がありました。

ここで紹介した4つの手法以外でも、この共通点にあてはまっている手法は、勝てない手法である可能性が高いと思います。その負ける手法の共通点は、以下の8つです。

1.誰かの意見を信じて買う 2.自分で深く調べることなく買う 3.チャート(値動き)のシグナルだけで売買する 4.爆上げしている銘柄についていこうとする 5.材料がすごそうな雰囲気だから買う 6.利が乗っても売り時がわからず、フィーリングで利益確定する 7.買いも売りもあらゆる意思決定が焦っている 8.上がっている銘柄は欲しくなり、下がっている銘柄には関心が向かない

いずれも根底には、誰かを頼ろうという考えや、自分で理解しないままに投資判断しようとする姿勢があります。こうした姿勢でいる限りいずれ必ず大きな失敗をします。しかし、株は究極的には上がるか下がるかの二択なので、間違った手法でもたまたま大儲けできることがあるのが怖いところです。

僕も過去に人に教えてもらった銘柄を買って資金を3倍にするという成功体験があったために、この当たり前の事実に気づくのが大幅に遅れ、無駄な時間と損失を重ねることになってしまいました。

かぶカブキ

元証券マンの個人投資家

※本記事は『決算書3分速読から見つける10倍株ときどき50倍株 2年で資産を17.5倍に増やした元証券マンの投資術』(KADOKAWA)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。

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