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年金月10万円以下は2割超!日本の「高齢化×貧困化」の大問題…老老介護で疲弊、少額年金で困窮。頼みの綱は「生活保護」だけ

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月10日 11時15分

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(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢化の進展で、要支援・要介護者は増加の一途をたどっている。過酷な老老介護を行う世帯のなかには、同時に貧困に苦しむ世帯も多い。厳しい現状を見ていく。

老老介護の厳しい現実…3組に1組以上が「70歳以上+70歳以上」

厚生労働省『令和3年度 介護保険事業状況報告(年報)』によると、要支援・要介護認定者は689万5,735人。日本の人口の5.5%、20人に1人は要支援・要介護の状況にある。また、65歳以上の高齢者の場合は18.6%、つまり5.3人に1人が要支援・要介護状態ということだ。

年齢別では、70代前半の20人に1人、70代後半の8人に1人、80代前半の4人に1人…と、年齢が上がるごとに容赦なく要支援・要介護の割合は増えていく。

◆年齢別・要支援・要介護者数

「65歳~69歳」213,316人(2.71%)

「70歳~74歳」539,909人(5.58%)

「75歳~79歳」819,537人(12.21%)

「80歳~84歳」1,435,639人(25.81%)

「85歳~89歳」1,851,648人(47.82%)

「90歳以上」1,905,946人(75.45%)

※(かっこ)内数値は、全人口に占める要支援・要介護の割合

要介護者等から見た主な介護者の続柄は、同居している人が45.9%。その主な内訳は、配偶者22.9%、子16.2%、子の配偶者75.4%となっている。性別は、男性が31.1%、女性が68.9%で、女性が介護を引き受けているケースが圧倒的に多い(厚生労働省『2022年国民生活基礎調査』より)。

要介護者等と同居している主な介護者の年齢だが、介護する側もされる側も60歳以上の割合が77.1%。さらに共に65歳以上は63.5%、70歳以上が35.7%。年次推移でみると、高齢者同士で介護する・されるという「老老介護」は、いずれも上昇傾向となっている。

統計を見れば明らか…介護×貧困に陥っている人多数

高齢化が進む介護の現場だが、収入の大半を年金に頼る高齢者の割合も多く、収入のすべてが「公的年金」という割合は5割弱にのぼる。

厚生年金の平均受給額は月14万円程度だが、一方で、月10万円に満たない人たちは全体の22.7%、月5万円に満たない人たちは全体の2.0%。貯蓄が十分になければ、介護費用は賄えない。

老老介護に貧困問題が重なれば、絶望しかない。そこまで追い詰められたら、いよいよ生活保護を頼るしかないだろう。

じつは生活保護受給者の場合、介護サービスや介護施設の利用が可能である。介護保険サービスを利用するに際し、生活保護の受給有無は関係なく、生活保護受給者は介護保険料が「生活扶助」から賄われ、介護サービスを受ける際の自己負担額は「介護扶助」から賄われることになる。もっとも、各自治体が必要と認めた介護保険サービスに限定されるのが基本であり、希望通りのサービスが受けられるとは限らない。

厚生労働省『2022年度被保護者調査』によると、生活保護世帯は161万9,452世帯。そのうち介護扶助のある生活保護世帯は39万7,226世帯で、そのうち高齢者世帯は35万3,898世帯。多くが単身世帯で、2人世帯は2万9,147世帯、3人以上世帯が263世帯、4人以上が17世帯となっている。

要支援・要介護者に対し、生活保護を受ける高齢者世帯は35万世帯。介護と貧困のダブルパンチに見舞われている人は決して珍しくなく、生きることへの負担の大きさは容易に想像がつく。

そのような苛酷な状況から脱するには、役所に相談するしかない。まずは生活保護で貧困問題を解決し、そこから必要な介護へとつなげることが重要だ。

[参考資料]

厚生労働省『令和3年度 介護保険事業状況報告(年報)』

厚生労働省『2022年国民生活基礎調査』

厚生労働省『2022年度被保護者調査』

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