通帳、最後に眺めたのはいつ?…老後不安の解消に役立つ「50歳以降のマネープラン」を考える【FPの助言】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月21日 11時45分
(※写真はイメージです/PIXTA)
増えない給与、減っていく年金、延び続ける寿命……こうしたなか、老後に不安を抱いている人も多いでしょう。そこで、『死に方のダンドリ』(ポプラ新書)著者でFPの坂本綾子氏が、老後不安を解消するために役立つ「50歳以降のマネープラン」の重要性と、マネープランを考えるうえで把握しておきたい具体的な項目について解説します。
老後不安を減らすため…「50歳以降のマネープラン」が大切
人生100年時代の折り返し地点となる「50歳」を基準に、お金を貯めるための具体的なダンドリを紹介します。
自分の今の状態を知る
まずは50歳以降のマネープランを考えます。そのためには自分の今の状態を確認しておくことが重要です。現時点での収入や資産の確認から始めていきましょう。以下のチェック項目を活用すると便利です。
【自分の今の状態を知るためのチェックリスト】
□毎月の収入と支出
□手取り年収と支出
□住宅は持ち家か賃貸か、持ち家なら住宅の評価額と住宅ローン残高
□借入金があるなら、残高、返済期間、金利
□車を持っているなら、税金を含めた維持費
□資産残高
□加入している保険の保障内容と保険料
「将来のマネープラン」のために把握しておきたいこと
毎月の収入と支出
マネープランを考えるにあたっては、毎月のお金の流れ、つまり収入と支出がどうなっているのかを把握することから始まります。家計簿をつけていない人も安心してください。支払いの記録を利用すれば収入と支出を確認することができます。
通帳には給与をはじめとする収入、引き落としされるさまざまな支払いが記録されています。最近は通帳記帳をしない人が増えているようですが、通帳を眺めるだけで1カ月の手取り収入と支出がだいたい把握できるものです。
通帳記帳をするか、インターネットバンキングの人はWEB通帳を確認してください。通帳とカード利用代金の明細などを見て、先月1カ月の収入と支出をざっくり計算することから始めてみましょう。
手取り年収と支出
先月1カ月の収支を確認したら、同じようにそれ以外の月の収支も算出してみてください。それを合計すれば、過去1年間の収支が確認できるはずです。少々面倒ではありますが、マネープランを立てるためには欠かせないプロセスです。
ざっくりで構いませんので、年間いくら手取り収入があり、何にいくらぐらい使っているのか、その結果、いくら残っているのか=いくら貯蓄できているのかを知っておきましょう。
集計作業をするのがどうしても億劫、という人は1年前の通帳の残高と現在の残高を見比べて、直近の1年でいくら貯められたかをおおまかに確認するだけでも大丈夫です。
今後減る支出、逆に増えそうな支出も予想して書き出してみてください。どの世帯でも比率が高いのは交通費・通信費です。特に通信費はここ数年増加傾向です。年齢が上がるにつれて医療費の割合は高くなっていきます。
また、一般的な傾向として、教育費は40〜50代をピークに子どもの自立に伴ってなくなります。
あなたの家計はどう変化しそうでしょうか。ぜひ予測してみてください。
あなたは持ち家?賃貸?…持ち家なら「評価額」の確認を
持ち家やアパートなどの不動産を持っている人は評価額を確認してください。不動産は時価より低めに見積もっておきましょう。思っていたような値段で売れないこともあるためです。
見積もりは「固定資産税評価額」を目安にするといいでしょう。自治体から送付される固定資産税の課税明細書に明記されており、自治体によっては「価格」や「評価額」となっている場合もあります。
土地と建物に分かれており、土地は時価の7割程度、建物は年数が古くなるほど安くなります。住宅ローンが残っているなら、その残高も確認しておきます。
資産残高
あなたは今、どれくらいの資産を持っていますか? 具体的に計算したことはあるでしょうか? もし総額でどれくらいの資産を持っているか計算したことがなければ、以下の記載例を参考にして書き出してみてください。
資産を書き出すときのポイントは「金融資産」「不動産」に分けて書き出すことです。
金融資産のスペースには銀行預金のほか、貯蓄性のある保険の満期金や解約返戻金(保険証書や設計書に記載)、投資している人は株式や投資信託の元本と評価額、非課税口座NISAを使っている人は元本と評価額を書き込みます。
不動産のスペースには土地と建物の評価額を書き込みましょう。プラスの資産だけでなく、住宅ローンのようなマイナスの資産も書き込みましょう。右の「負債」スペースです。
資産から負債を引けば、純資産(正味資産)が出ます。1年に1回は計算して表にしておけば、年ごとの資産の推移を確認するのに役立ちます。
坂本 綾子 ファイナンシャルプランナー
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