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「家族が喜ぶ」と、妻が〈家の片づけ〉に奮闘した結果…家族間の空気が悪くなったワケ【整理収納アドバイザーの実体験】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月25日 12時0分

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(※写真はイメージです/PIXTA)

「家族のために、家を片づけたい!」そう決意して、ものを捨て続けた結果……かえって家族間の空気が悪くなってしまった経験があると、『イツカを手放してイマを身軽に生きる方法』(エムディエヌコーポレーション)の著者で整理収納アドバイザーのみや氏はいいます。「家族で暮らす家」を片づける際に大切なポイントを、筆者の実体験をとおしてみていきましょう。

片づけのきっかけは、「とにかく変わりたかった」から

子3人の育児、家事、仕事…部屋を片付ける余裕は微塵もなかった

「このまま、40歳を迎えられない!」そんな思いが降って沸いてきたのは、39歳と11か月のとき。2018年の冬でした。

それまでの私はというと…ただただ時間に追われる毎日。子ども3人の育児と家事、そして仕事。状況はいまも同じなのに、とにかくあの頃は慌ただしく、座っている時間もありませんでした。

もちろんそんな私に、部屋を片づける余裕なんて微塵もありません。だから、家は常に荒れ放題。おまけに「忙しい、時間がない」が口グセで、いつもイライラ…。そんな感じだったから夫ともうまくコミュニケーションも取れず、どこかギクシャクした日々が続いていました。

そして、元来の浪費グセは、超絶ストレスフルな日々によって勢いを増し、加えてお酒の量も増えていく…。そんな悪循環の沼にハマっていたんです。

とにかく、「仕事」「子育て」以外のことがしたかった

でも、40歳目前に突如「まずい!」「変わりたい!」という思いが降臨。そしてはじめたのが「片づけ」とその状況を発信するためのインスタグラムです。「どうして片づけ…?」と聞かれることもありますが、じつは特別「片づけ」がしたかったわけではありません。

とにかく、「仕事」「子育て」以外のことがしたかった。何でもいいから、「自分のため」の行動をしたかった。

だから運動でも勉強でも何でもよかったのですが、「すぐにできること」が片づけでした。身のまわりの「もの」を捨てて、捨てて、減らせば「きっと何かが変わる!」そんな思いではじめたのが、私の「片づけ」です。

“ものが心を満たしてくれる”という「幻想」

いまでこそ「ものが少ない暮らし」をしている私ですが、約4年前までは、部屋のあっちこっちにもの、もの、もの! いまの住まいは、収納場所も多いのですがまったく収まりません。常にものが散乱している状態が「当たり前」だったのです。

そんなものがあふれる暮らしのはじまりは、約20年前にさかのぼります。社会人になって自由なお金を手にした私は、服、バッグ、靴…見るものをホイホイと毎月、毎月購入していました。

当時は実家暮らしでしたが、部屋には常に服が山積み…。あまりの浪費ぶりを、母が心配するほどだったのです。そして、その浪費グセは結婚後も変わらず、つい4年前まで続きました。

値札がついたままの服もチラホラ…膨大な数の服は「ほぼ着ていない」

ところでそんな膨大な数の服を着る機会があったのかというと…ほぼ着ていません。だから値札がついた服もたくさん!

これはのちに自分と向き合ってはじめてわかったことですが、私は必要だから買っていたのではなく「買うこと」「所有すること」が目的になっていたんです。モヤモヤ、イライラ、満ち足りない。その心のざわつきや隙間を「ものが満たしてくれる」「服が幸せにしてくれる」そんな幻想を抱いていたのだと思います。

ところがものが増えるほどに部屋は散らかり、目の前の雑念も増すばかり。満たされるどころか、心もどんどん荒れていきました。それでも当時は不要なものを買っているとはまったく思えず…。

「あふれるものも苦しみの種だった」それに気づいたのも、ものを減らしてからでした。

あちこちの収納が、ギュウギュウ詰め!

4年前のわが家は、私のクローゼットをはじめ、あちこちの収納にものがいっぱい。詰め込めるだけ、詰め込んでいたので扉を開ければものが崩れ落ちてきたりすることも。もちろんどこに何が入っているかもわかりません。さらに収まり切れないものが、部屋のなかにもあふれていました。

「ひたすら捨てる」だけでは、なにも変わらなかった

私の「捨てる日々」がスタートしたのは、2019年の年明け。帰省していた夫の実家から自宅に戻った日の夜、思い立ったように洗面所の不要なものを捨てました。

そして、その日を機に、何かにとりつかれたように(笑) 黙々とものを手放す私…。そんな姿に家族は、「いったい何が起こったの!?」と驚いたようですが…当然ですよね。なにせ、これまでものを溜めに溜め込んでいた私が、突然、捨てに捨てまくっているのですから…。

しかも私は、家族に相談も説明もしませんでした。家族を巻き込んだり、強要したりするわけでもなく、ひたすら単独で突っ走っていたんです。

やり始めたらとことん!夫の心配をよそに“独走”

私はやりはじめたらとことんやりたいタイプ。困惑する家族に脇目もふらず、「捨てれば変わる!」と信じて、捨て続けていました。それに、片づければ「家族も居心地がよくなる」「家族のため!」とも思っていました。自分も変われるし、家族も喜んでくれるなんて一石二鳥。これはいい! と、希望に胸膨らませていたんです。

しかし夫の目に当時の私は、「無理をしている」ようにも映ったようです。「やりすぎでは!?」「少し捨てるのを休んだら?」と声をかけてくれても、私は「なんで!? 家族のためだし」と、その忠告を突き返すばかり。それではお互い気分はよくないですよね。

ギクシャクした家族間の空気がイヤだった。だから、「変わりたい」と思って、片づけをはじめたのに…。むしろ悪くなっていってしまったんです。

「家族と一緒に」取り組むことで、部屋も家族仲も変わっていった

「家族のために」とも思って次々とものを手放していたけれど、それは独りよがりでした。私としては、「家族が喜ぶ」という気持ち満々だったので、きつねにつままれたような気分(笑) けっこう衝撃的でした。

それから夫には「捨てることが目的になっている」とも言われました。何のために手放しているのか。片づけているのか…。実際、「手放した」先の目的にはたどり着いていないのだから、夫の言葉はごもっとも。私も、それに気づきはじめたんです。

「家族のために」と思うならばなおさら、家族の理解が必要なんですよね。そこで、家族と話し合って、みんなで一緒に片づけることを提案したんです。

私自身も、どこに向かっているのかわからず迷走していたことは、たしか。でも、ものが減っていくことで、少しずつ使い勝手がよくなったり、インスタの投稿を見て、心を動かしてくれる人がいることもたしかでした。そういったことも、家族に話しました。

そして、これまでのように突っ走るのではなく、家族でできることを、家族のペースで進めていくことにしました。「いい方向」へ向かいはじめたのは、ここからかなと思います。

これまでは「家族を巻き込まない」ことこそが、家族のためで正解だと思っていました。そうではなく、大事なのは「家族と一緒に」ということだったんです。それに気づくと、部屋の景色はもちろん、家族の間の空気もじわじわと変わっていきました。

みや 整理収納アドバイザー

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