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英国系インターナショナルスクールが2校目の設立場所に「マレーシア」選択の理由…日本人の生徒20%、ケンブリッジ大学を筆頭に、世界的有名大学へ広がるルート

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年5月8日 11時0分

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(※写真はイメージです/PIXTA)

マレーシアには多くのインターナショナルスクールがあり、日本の富裕層の子弟も、英語力の獲得や世界的な有名大学進学を目的として通っています。あるイギリスのインターナショナルスクールは、クアラルンプールに2校目の開設に踏み切りましたが、その背景には、スクール出身の著名な経営者の判断がありました。※本記事は、OWL Investmentsのマネージング・ディレクターの小峰孝史弁護士が監修、OWL Investmentsが執筆・編集したものです。

クアラルンプールには多くのインターナショナルスクールがあることが知られています。そこには、世界的な有名大学への進学を目指す富裕層の子弟が、日本のみならず、世界各国から集まっています。今回はそのようなスクールのひとつ、英国系のインターナショナルスクール、EPSOM Collegeを訪問しました。お話を伺ったのは、スクールを運営するEDUC8 GroupのMark Lankester CEOです。

マレーシア校の設立を主導した、エアアジア創業者

小峰:EPSOM Collegeは英国系のインターナショナルスクールだと聞いています。本校は英国にあるのでしょうか?

EPSOM:はい。長らく英国本校だけでしたが、2014年、2校目の校舎としてマレーシアに設立しました。現在も、世界でこの2校だけです。

小峰:マレーシアに開校した理由を教えてください。

EPSOM:私自身、EPSOM Collegeの出身なのですが、アジア最大のLCC(格安航空)であるエアアジアの創業者として有名なトニー・フェルナンデス(Tony Fernandes)氏が、私の1学年上に在籍していました。彼とともに「今後、アジアが経済の中心になっていくなら、アジアにも同様の学校が必要だ」と考えたのが主な理由です。英国校は英国人の比率が75%で、非英国人向けの枠は25%しかなかったため、EPSOMの教育をアジア人が受けられるように、というのが設立の趣旨です。

アカデミックな学習のみならず「教室の外」での学習も重視

小峰:EPSOMの教育とは、どのようなものでしょうか?

EPSOM:教室で学ぶアカデミックな学習も重要ですが、それと同時に、独立心、規律=ディシプリン、スポーツ、アートなど教室の外で学ぶことも重要です。この両方を育てていくのがEPSOMの教育です。

小峰:なるほど。

EPSOM:近年では、香港大学や香港科技大からFull Scholarship(全額免除の奨学金)をもらえる生徒も出ています。全額免除は、勉強だけでなく全人格が評価されたのだと考えています。この教育の成果といえるでしょう。

小峰:全額免除は凄いですね。進学先はアジアの大学が多いのですか?

EPSOM:英国系の学校ですから、ケンブリッジ大学など英国の大学への進学が多いですが、米国やアジアの大学へも進学しています。ただ、大学の名前だけで進学先を選ぶような指導はしていません。どの大学に進学するかではなく「なにを学ぶか」という視点から進路を選ぶようアドバイスしています。

全世界から集まる生徒を指導するのは、英国で採用した教師たち

小峰:先生方は英国の方が多いのですか?

EPSOM:先生は全員英国で採用し、マレーシアに来てもらっています。EPSOM英国本校で教師をしていた人が、マレーシア校に来るケースも多くあります。

小峰:生徒はどの国から来ている子が多いのでしょうか?

EPSOM:マレーシア人が約45%でいちばん多いのですが、世界30ヵ国から生徒が集まっています。日本人の生徒も約20%と、比較的多いです。

幅広い分野を体験しながら、興味を持った分野を追求

小峰:さまざまな体験をできるプログラムはありますか?

EPSOM:Co-Curriculum Activity(CCA)というプログラムが用意されています。スポーツ、料理、アート、カリグラフィ(書道)、将棋など、様々な分野の技術を体験することができます。

小峰:特に興味を持つ分野があったときには?

EPSOM:生徒が興味を持った場合、その分野を深く学べるようにサポートしていきます。とくに、アート(絵画・立体作品)、スポーツなどは、手厚くサポートしています。

小峰:さきほど、「どの大学に行きたいか」ではなく「何を学びたいか」という視点で指導していくという話がございましたが、将来学ぶ分野については、何年生くらいから絞っていくのですか?

EPSOM:Year9(おおむね13歳)までは全員が広くまなびますが、Year10(おおむね14歳)からは、科目を絞っていきます。そして、大学で何を学んで、どういう職業をめざすのか、考えていくことになります。

学校のレベルを超えたスポーツの設備と指導体制

小峰:スポーツにも力を入れていると伺いました。

EPSOM:とくにテニスに力を入れています。4大大会で10回優勝したセリーナ・ウィリアムズ選手を指導していたムラトグルー氏の設立した、ムラトグルーテニスアカデミー(Mouratoglou Tennis Academy)がキャンパス内にあり、プロレベルを目指せる指導もしています。

小峰:勉強とどのように両立するのでしょうか?

EPSOM:中には、上のレベルの大会に出るために外国の大会に出場する生徒もいます。そうした生徒のため、必修科目をオンラインで受講できるよう、学校も対応しています。 EPSOM:全英オープン(ウィンブルドン)に対応した芝生コートは無いのですが、4大大会の全米オープン、全豪オープン、全仏オープンに合わせたコートサーフェスのテニスコートが校内にあります。

小峰:ここまでテニスコートを整えた学校は始めて見ました。

EPSOM:ゴルフも3人のプロコーチがいて、校内にコースを整えました。

EPSOM:また、サッカーは、今年から、ラリーガ(スペインリーグ)のコーチを招き、ラ・リーガ・アカデミー・マレーシア(LaLiga Academy Malaysia)を開設しました。ただ、テニスやゴルフのような個人スポーツと違い、サッカーチームとして強くなるには少し時間がかかるかも知れません。どのスポーツでも、プロのレベルまで目指したい生徒から、楽しむレベルの生徒まで、幅広い層の希望に応えるようにしています。

寄宿舎で生徒の生活面も指導

小峰:この学校はクアラルンプール市内から離れているので、寄宿舎に住む生徒も多いのですか?

EPSOM:Year9(おおむね13歳)からボーディング(寄宿舎に住むこと)ができることにしています。ただ、面接などしたうえで認められれば、9歳からボーディング可能です。日本人の生徒さんでも、9歳からボーディングしている子はいます。

小峰:市内から1時間程度ですから、親元に帰りやすそうですね。

EPSOM:平日はボーディングして、週末はクアラルンプールなど親元に帰る子もいます。約2割がこのパターンでしょう。でも、最初は親元に帰りたがっていた子が、だんだんボーディングが楽しくなって、親元に帰らなくなることも多いです。

EPSOMを訪問して

クアラルンプール市内から車で1時間ほどかかるエリアにあるため、子どもと一緒に生活しながらインターナショナルスクールに通わせたいという親御さんには不向きかもしれません。

しかし、中高生など、子どもを寄宿舎に住ませ、整った環境で自立心を養わせたいという方には、ぜひ検討していただく価値のある学校だと感じました。  

小峰 孝史 OWL Investments マネージングディレクター・弁護士

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