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年収770万円・39歳サラリーマン、「6,000万円の住宅ローン審査落ち」の想定外…呆然の妻に不動産会社がこっそり耳打ちした「驚きの提案」

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月9日 8時15分

年収770万円・39歳サラリーマン、「6,000万円の住宅ローン審査落ち」の想定外…呆然の妻に不動産会社がこっそり耳打ちした「驚きの提案」

(※写真はイメージです/PIXTA)

人生において「マイホーム」は最大の夢であり、最大の出費。現金一括払いは難しいので、ほとんどが住宅ローンを利用して夢を実現しています。ローン審査では返済能力などがみられますが、不動産会社から「あなたなら大丈夫」と太鼓判を押された、ほぼOK。しかし、思わぬことで「審査落ち」ということもゼロではないようです。

年収1,470万円のパワーカップル、8,000万円の新築マンション購入を検討

佐藤大祐さん(仮名・39歳)・友美さん(仮名・37歳)夫婦。子どもは男の子がふたり。上の子が小学校に入学する前にマイホームを実現したいと奮闘していました。

大手メーカーに勤務する大祐さんの月収は47万円、年収は770万円ほど。都内IT会社で働く友美さんの月収は42万円、年収は700万円ほど。世帯年収は1,470万円と、いわゆるパワーカップルといわれるふたりです。

昨今、億を超えることも珍しくないタワマンの主要購入層となっているパワーカップル。その定義はまちまちですが、よくいわれているのが夫婦双方とも年収700万円以上、世帯年収1,400万円以上の高所得夫婦、というもの。1馬力では無理でも、2馬力なら億ションも買える、というわけです。

夫婦が狙っているのは、東京近郊の駅チカマンション、4LDKで価格は8,000万円というもの。2,000万円ほど頭金を入れ、6,000万円ほどを借り入れる予定だったとか。

仮に6,000万円を借り入れ、返済方式は元利均等、金利は0.5%、返済期間は30年とすると、返済総額は6,462万4,757円で、車1台分ほどの利子がかかり、毎月の返済額は17万9,513円となります。もちろん、途中で金利が上昇すると、返済額もアップすることは忘れてはなりません。

パワーカップルに限らず、共働き夫婦の増加で、ペアローンを選ぶケースが増えています。住宅金融支援機構『住宅ローン利用者調査(2024年4月調査)』によると、ペアローンを利用した割合は22.8%。5件に1件以上が夫婦2馬力でマイホームを実現しています。

また、TRUSTART株式会社によるローン利用動向調査によると、東京23区における2014〜2024年のマンション購入時のペアローン利用率は10年で3倍にもなったといいます。今や夫婦が力を合わせてマイホームを実現することは珍しいことではないのです。

しかし佐藤さん夫婦は、大祐さん単独でローンを利用する予定だったといいます。

――俺が世帯主なんだから、俺だけがローンを組めばいい話と……よくわからないところで、「俺が主」と言い張るんですよね。不動産会社の担当も、「旦那さんだけで十分審査は通りますよ」と太鼓判を押してくれたので、別にいいのですが

夫の名義でローン審査…不動産会社からの電話に、妻は唖然

住宅を購入する際に目安となるのが、年収倍率と返済負担率。年収倍率とは5~7倍が適正といわれてきましたが、不動産価格が高騰するなか、昨今は10倍程度でも問題ないといわれています。また返済負担率は、35%が上限で、20%前後が適正。大祐さんの収入だけで考えると、返済倍率は10倍を少々超える程度。返済倍率は27.9倍で、適正値を上回り、片働きであればかなりのローン負担。共働き、かつパワーカップルであれば問題なし、という判断だったようです。

しかし、あとは金融機関の審査結果を待つのみと余裕に構えていた佐藤さん夫婦ですが、思いもしないことが起きます。住宅ローン審査に落ちたのです。不動産会社の担当者から「まずは奥様にお伝えしたほうがいいかと思いまして……」と、友美さんが最初に報告を受けました。想定外の結果に、大きな衝撃を受けたといいます。

国土交通省『令和5年住宅市場動向調査』によると、融資希望額拒否の主な理由は「年収」で、これが50.0%を占めています。次いで多いのが「他の債務状況や返済履歴」で19.2%。不動産会社の担当いわく、「友美さんも把握していない大祐さんの失態があるのでは?」。確かに勧められるがままにクレジットカードを作り、「年会費がもったいない」とちょっとした喧嘩になったことがありました。普段あまり使用していないカードを意図せず使ったばかりに利用停止になっても気づかず、いつのまにかブラックリスト入り。そんな思いもしないミス、夫ならあり得そう……。

何はともあれ、夢のマイホームが遠ざかり、電話を受けたまま落胆を隠せない友美さん。そこへ不動産会社の担当者から「改めて、奥様名義で住宅ローンを組みませんか?」という提案。思わぬことに「えっ⁉」と聞き返したといいます。「旦那様は審査に通らなかったから奥様名義で家を買おうとしている、というと当然、チェックは厳しくなると思いますが、奥様は収入も安定しているので問題はないかと……」と続けます。

男の威厳なのか、「俺が世帯主なんだから、俺がローンを組む」と息巻いていた大祐さん。ただ夫婦が優先したいのは、長男の小学校入学前にマイホームを購入すること。そう考えると、友美さん名義でローンを組むのが現実的です。

後日談。大祐さんがローン審査に落ちたのは、不動産会社の担当の推測どおり、クレジットカードの返済滞納。友美さんに怒られると思い言い出せずにいましたが、かれこれ3年ほど前のことで、すっかり返済滞納の事実を忘れていたとか。

――夫はちょっと抜けているところがあるので、私の名義でローンを組んで正解だったのかもしれません

[参考資料]

住宅金融支援機構『住宅ローン利用者調査(2024年4月調査)』

TRUSTART株式会社『東京23区のペアローン利用率が過去10年で3倍に増加も、2022年をピークにやや減少傾向』

国土交通省『令和5年住宅市場動向調査』

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