タワマン住民「ゴネましたが」…古くなったのに「家賃が高くなる」裏事情
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月24日 18時15分
(※写真はイメージです/PIXTA)
タワーマンション(タワマン)の住民の中には、物件が古くなっても家賃が上がる現象に困惑している人が多くいます。通常、日本の不動産物件は経年劣化によって価値が下がるものと考えられがちですが、タワマンにおいてはその逆の現象が起きることがあります。その背景を詳しく見ていきましょう。
古くなったのに「タワマンの家賃が高くなる」ワケ
1. 立地の価値上昇
タワマンの家賃が上昇する最も大きな要因の一つは、立地の価値の上昇です。都市部の再開発やインフラの整備が進むと、そのエリア全体の魅力が増し、需要が高まります。特に東京や大阪などの大都市では、交通アクセスの改善や商業施設の充実が進み、住みたいと思う人が増えるため、家賃が上がる傾向があります。
2. タワマン自体のブランド力
タワマンは高層であり、見晴らしが良く、豪華な設備が揃っているため、高級感があり、ステータスシンボルとしての価値が高いです。これにより、物件が古くなってもそのブランド力が衰えることは少なく、むしろプレミアム感が増すことがあります。
3. 資産価値の維持と向上
タワマンの管理組合は、物件の資産価値を維持・向上させるために定期的なメンテナンスやリノベーションを行います。外壁の修繕や共有施設の改修、新たなセキュリティシステムの導入など、これらの投資は住民の負担増となる一方で、物件の魅力を保つ重要な要素となります。その結果、家賃が上昇する理由となるのです。特に大規模修繕には莫大な費用がかかり、その費用を賄うために家賃が引き上げられることもあります。
4. 周辺環境の改善
タワマンの周辺環境が改善されることで、家賃が上がることもあります。新たな商業施設や公園、教育施設の開設、または既存のインフラの拡張など、これらの要因がエリア全体の価値を押し上げます。住民にとっては利便性が向上する一方で、家賃が上昇することになります。
5. 市場の需給バランス
不動産市場全体の需給バランスも重要な要因です。都市部では人口増加や住宅需要の高まりにより、賃貸物件の供給が追いつかない場合があります。特にタワマンはその希少性と高級感から、需要が非常に高くなることが多いです。このような場合、家賃が自然と上昇するのです。
「古くなったのに高くなることがあるかってゴネましたよ」
6. 高級物件としての価値
タワマンは、築年数が経過しても高級物件としての価値を維持しやすいという特徴があります。高品質な建材や設計、最新の設備が導入されているため、築年数が古くなってもその魅力が失われにくいのです。さらに、他の物件と比べてメンテナンスが行き届いていることも、家賃が高く保たれる要因の一つです。
7. 路線価の影響
家賃が上昇する要因の一つとして、路線価の影響も無視できません。路線価とは、国税庁が毎年公表する、道路ごとに定められた土地の価格です。都市部の人気エリアでは路線価が年々上昇する傾向にあり、それに伴い地価も上昇します。地価が上がれば当然、賃貸物件の家賃も上昇することになります。
実際にタワマンを賃貸している住民に話を聞くと、「基本的に今住んでいるタワマンが好きだし、将来可能であれば購入したいとも思っているので、高めの修繕積立金があってもいいと思います。とはいえ契約更新で家賃が高くなったときはかなり揉めましたが。古くなったのに高くなることがあるかってゴネましたよ」とのこと。
家賃が上昇することに異議を唱えることがあっても、管理組合や不動産会社との交渉で決着がつかない場合が多いです。仕方がないことだが、少しきつい…というのが本音であるようです。
「タワマンが古くなっても家賃が上昇する現象」には、立地の価値上昇やブランド力、資産価値の維持、周辺環境の改善、市場の需給バランス、そして高級物件としての価値など、複数の要因が絡み合っています。特に大規模修繕には莫大な費用がかかるため、これを賄うために家賃が引き上げられることもあります。今後もタワマンの需要は続くと見られ、その家賃の動向には引き続き注目が集まります。
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