【マツダ ロードスター RED TOP試乗】開発責任者のイチ押し!鮮青ボディとの“有彩色コーデ”が粋
&GP / 2018年2月19日 18時0分
【マツダ ロードスター RED TOP試乗】開発責任者のイチ押し!鮮青ボディとの“有彩色コーデ”が粋
鏡に映る自分を眺めてうっとり…なんて趣味はなくても、ショーウインドウに映る愛車はついつい眺めてしまう、というクルマ好きも多いことでしょう。
特に“カタチ”も機能であるスポーツカーの場合、そのスタイルやカラーが醸し出すたたずまいに魅力を感じる、というオーナーも少なくないと思います。
走りはもちろん、端正なたたずまいでもファンを魅了するマツダ「ロードスター」ですが、2017年末に実施された商品改良や新ボディカラーの採用に合わせて、期間限定の特別仕様車「RED TOP(レッドトップ)」が加わったことをご存知でしょうか?
ネーミングからもお分かりのとおり、RED TOPはダークチェリー色のソフトトップを装着したモデルですが、実はこの仕様には、ロードスターの開発主査でありチーフデザイナーでもある中山 雅氏の“ある思い”が込められていたのです。
■赤褐色のインテリアでさらに全身をコーディネート
現在、日本車としては唯一、ソフトトップを採用するフルオープンスポーツカーのロードスター。4世代目となる現行モデルの幌は、これまでトラディショナルなブラックのみの設定でした。実は、初代から3世代目までのモデルには、特別仕様車やオプションとして、タン(薄茶)やダークブルーといった幌のカラーが設定されており、それによるコーディネートも、ロードスターならではの魅力となっていたのは事実です。
そして現行モデルといえば、例えば、マシーングレープレミアムメタリックやソウルレッドクリスタルメタリックのように、光の加減によって表情が変化する、スタイルが際立つといった具合に、ボディカラーへのこだわりは従来モデルをしのぎます。となると、やはりソフトトップにもカラーバリエーションが欲しい! と思ってしまうもの。ということで、初見の方には斬新な、熱心なファンにとっては待望の、RED TOP登場と相成ったわけです。
このRED TOPが採用するダークチェリー色の幌は、「色で遊んで欲しい」という中山氏の思いが込められたもの。ちなみに、RED TOPに用意されるボディカラーは全6色。マシーングレープレミアムメタリック、ジェットブラックマイカ、セラミックメタリック、スノーフレイクホワイトパールマイカ、アークティックホワイトという5つの無彩色、そして、有彩色のエターナルブルーマイカというラインナップです。それを踏まえた上で、お勧めのコーディネートを中山氏にうかがってみました。
「RED TOPの幌は赤という有彩色なので、一般的な美しい組み合わせ、コーディネートを考えるなら、無彩色と組み合わせるのが無難だと思います。つまり、ロードスターでいうなら、マシーングレープレミアムメタリックやジェットブラックマイカでしょうね。でも、個人的にあえてお勧めしたいのは、有彩色どうしの組み合わせ。今回の商品改良に合わせて、ブルー系のカラーをブルーリフレックスマイカから、より彩度が高いエターナルブルーマイカに切り替えました。ですので、赤い幌との“有彩色コーディネート”がさらに際立ちますし、気持ちをワクワクさせてくれます。ロードスターはそういった、ワクワク感とともに乗ってもらいたいクルマですので、私はこのコーディネートをお勧めしています」(中山氏)
そうした情報を胸に刻みつつ、実車と初対面。中山氏が“一般論として美しい”という無彩色×赤い幌の組み合わせでは、無彩色の部分が色づいて見えるといいますか、ボディカラーがより際立ち、かなりエレガントな装いに仕上がっています。
さらに、中山氏のイチ押しというエターナルブルーマイカとの組み合わせでは、これまでのロードスターとはひと味違う、艶やかさやラグジュアリーな雰囲気が漂います。ひと言でいえば“粋”といった感じでしょうか。
また、RED TOPはナッパレザー製のシート表皮を標準採用しますが、こちらのカラーも通常モデルのブラックとは異なり、オーバーン(赤褐色)という有彩色を採用。それに合わせ、インパネまわりやドアトリムにもオーバーンの合成皮革をあしらっています。さらに、ボディ同色のドアミラーハウジング(通常モデルはブラック)や、高輝度塗装を施したアルミホイールといった特別装備で、クルマ全体をコーディネートするという凝りようです。
今回ドライブしたRED TOPは、中山氏イチ押しのエターナルブルーマイカ×赤いソフトトップの組み合わせ。やはり、街中では周囲からの視線を感じます。実際、都内のビル街に停めても、品のいいトーンでまとめられた青×赤のコントラストは存在感がありますし、撮影のために訪れた海岸では、ブルーメタリックの輝きにレッドのワンポイントがアクセントとなり、優雅さも感じられました。
ブルーのボディ×レッドの幌、ブルーのボディ×オーバーンの内装といえば、ヨーロッパの高級GTカーなどでしばしば見掛ける組み合わせですが、各部の色の彩度や濃度、トーンを誤ってしまうと、逆に野暮ったく見えたり、安っぽくなったりするもの。この辺りの絶妙なサジ加減には、長年にわたってプロダクトデザインやインテリアデザインに携わってきた、中山氏のセンスや色彩感覚が生きているのでしょう。
ちなみに、試乗車は6速AT仕様(315万3600円)でしたが、もちろん6速MT仕様(304万5600円)も設定されています。AT仕様には、リアのスタビライザーや“トルクセンシング式スーパーLSD”こそ備わっていませんが、先の商品改良では全モデルにおいて、リアサスペンションやパワーステアリングのフィーリングに改良が施されており、ドライビングの爽快さや快適さに磨きが掛けられています。「ATだと走りよりもファッション性重視かな」と捉える人もいるかと思いますが、ライトウエイトスポーツカーらしい、爽快な走りを楽しめました。
さて、このRED TOPですが、オーダーの受け付けは2018年3月31日まで。コンサバなブラック幌×モノトーン内装の通常モデルか、ちょっとアバンギャルドで艶やかな特別仕様のRED TOPを選ぶか、ロードスターを検討中の人にとっては、実に悩ましい問題かもしれません。
ちなみに、筆者は決してナルシストではありませんが、やはりといいますか、恥ずかしながら、ショーウインドウに映るRED TOPの姿を横目でチラリと眺めては、思わずニヤリ…としてしまったことをご報告しておきましょう。
<SPECIFICATIONS>
☆RED TOP(AT仕様)
ボディサイズ:L3915×W1735×H1235mm
車両重量:1060kg
駆動方式:FR
エンジン:1496cc 直列4気筒 DOHC
トランスミッション:6速AT
最高出力:131馬力/7000回転
最大トルク:15.3kg-m/4800回転
価格:315万3600円
(文&写真/村田尚之)
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