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30車種以上で泊まったライターが選ぶ車中泊向きのクルマ10選

&GP / 2022年6月10日 20時0分

30車種以上で泊まったライターが選ぶ車中泊向きのクルマ10選

30車種以上で泊まったライターが選ぶ車中泊向きのクルマ10選

近年、旅のスタイルのひとつとして、またキャンプのようなアウトドアアクティビティとして地位を確立しつつある車中泊。最近は、クルマを買い換える際に車中泊ができるかどうかを選択の基準にするユーザーも増えているようです。

では、どんな車種が車中泊しやすいのか? これまで取材やプライベートで30台以上の車種で車中泊を体験してきたライターが、現行モデルの中からおすすめの車種を選んでみました。

 

■車中泊向きのクルマを選ぶポイント

車中泊する際に重要なのが、フラットな空間を確保すること。ですが、このフラットな空間の作り方には大きく分けてふたつのパターンがあります。

ひとつは、シートをリクライニングさせて座面をフルフラットにする方法。シートの座面に寝ることになるため、クッションが効いているというメリットがありますが、座面の凹凸が多く実際に寝てみると寝苦しく感じる人もいるようです。

もうひとつは、シートを前に倒して背面に寝るパターン。こちらは硬い面に寝ることになるためキャンプ用のマットなどを用意する必要がありますが、凹凸は少ないので、実際に一晩泊まってみると翌日の疲れが少ない場合が多いんです。近年はこちらのパターンに対応している車種が増えていますし、個人的にもこちらの方をおすすめします。

ジャンル別でいうと、軽自動車でも近年はスペース効率が高く、車中泊が可能なモデルが増えてきています。車内で大人ふたりが就寝できるスペースが確保できるものも。

逆に、最近流行りのSUVは、ラゲッジスペースが広いイメージがありますが、完全にフラットになるものは少なく、車中泊に向いたモデルは限られます。

車内スペースの広いミニバンは、シートがフルフラットにできるものがほとんどで、多くの車種が車中泊に対応。ただし、座面に寝るパターンが多いので、今回はフラットな面に寝られる車種をセレクトしました。

また、本来はトヨタ「ハイエース」や「プロボックス」、日産「キャラバン」などの商用車が車中泊には向いているのですが、あまり一般ユーザー向きではないので、今回は除外しています。

 

1. 【軽自動車】ホンダ「N-VAN」

軽自動車の中でも圧倒的なスペース効率を誇る軽バンに属する「N-VAN」。ベースは商用車ですが、一般ユースに向けた「+STYLE FUN」グレードも用意されています。

FF駆動方式を活かした低床設計で、フラットなスペースが作りやすいのが特徴で、車中泊向けのオプションも豊富に用意。こうしたグッズを活用すれば、大人2人が快適に寝られる空間を作り出せます。

 

2. 【軽自動車】スズキ「ハスラー」

SUV的なルックスで、アウトドアを楽しむユーザーに人気が高い「ハスラー」ですが、車中泊もしやすいモデルです。

複数パターンのシートアレンジに対応し、フロントシートの座面とラゲッジのフラットなスペースをつなげて寝るのが最も快適なパターン。軽自動車ですが、大人ふたりでも泊まれます。

 

3. 【軽自動車】ダイハツ「ウェイク」

全高が1.8mオーバーというハイトワゴンの「ウェイク」も車中泊がしやすい車種。こちらも複数パターンのシートアレンジに対応しますが、シートの座面が比較的フラットなので、車中泊マットなどのアイテムを活用しなくても泊まれます。

軽自動車を得意とするダイハツらしく、細かい収納などが充実しているのもポイントです。

 

4. 【SUV】ホンダ「ヴェゼル」

コンパクトなサイズですが、SUVの中で最も寝心地が良かったのがホンダの「ヴェゼル」。SUVではリアシートを折り畳んだ際にラゲッジスペースとの段差や傾斜ができがちですが、それがほとんどなく限りなくフラットに近いスペースで寝られます。

車体サイズが大きくないので、泊まれるのは大人ひとりになりますが、SUVでしか行けない景色の中で車中泊するのも楽しそうです。

 

5. 【SUV】スバル「フォレスター」

スバルの「フォレスター」もリアシートを畳んだ際に、ラゲッジとの段差が少なく、車中泊がしやすかった車種。元は長さのある荷物を積み下ろししやすいようにとの配慮ですが、その設計が泊まりやすさにつながっています。

泊まれるのは大人ひとりですが、オフロードの走破性も高いので、山の中などほかのクルマではたどり着けない場所でも車中泊が楽しめます。

 

6. 【SUV】トヨタ「RAV4 PHV」

SUVの中ではフラットな寝床を作りやすいのに加えて、車中泊時に家電製品やエアコンなどを使えるのが、「RAV4 PHV」を推したいポイント。

近年のトヨタ車は1500Wの出力に対応するAC100V電源を備えているものが増えていますが、プラグインハイブリッドで大容量のバッテリーを搭載しているので、エンジンをかけずに電源を使えます。エアコンをつけたまま寝ても、エンジンがかからないのもうれしいところです。

 

7. 【ミニバン】ホンダ「フリード+」

車中泊向きの車種が多いミニバンですが、その中でも個人的に一番泊まりやすかったのがホンダの「フリード+」。3列シートではなく、2列シートのモデルです。

リアシートを前方に折り畳むと、ラゲッジと合わせてフラットな空間を作れるのがポイント。大人ふたりが十分に寝られます。フラットなスペースに敷くマットや窓を塞ぐためのシェードなど、車中泊向けのオプションも充実しています。

 

8. 【ミニバン】トヨタ「シエンタ」

「フリード」のライバルに当たるトヨタの「シエンタ」にも2列シートの「FUNBASE」グレードが用意されています。車中泊におすすめなのはこちらで、やはり2列目シートを前側に倒して大人ふたりが横になることが可能。

ただし、ちょっと注意すべきことがあります。それは、身長が170cm程度の人が寝る場合、シートを前方にスライドさせる必要があり、ラゲッジとの間に隙間が生じること。オプションでエアマットが用意されているので、車中泊するなら購入しておきたいところです。

 

9. 【ミニバン】ホンダ「ステップワゴン」

7人乗りが可能なミニバンで、車中泊におすすめなのがホンダの「ステップワゴン」。モデルチェンジしたばかりの新型ですが、3列目シートを床下に格納し、2列目を一番前までスライドさせるとフラットな床面でも寝ることができる構造は変わっていません。

シートの座面をフラットにして寝るパターンは平らな面積が減ってしまいましたが、床面に寝るパターンならば、マットなどを用意する必要がありますがよりフラットな面で寝られます。

 

10. 【ワゴン】スバル「レヴォーグ」

近年は選択肢が少なくなっていますが、ワゴンタイプも車中泊には向いています。2列目シートを前方に倒してラゲッジとつなげたスペースを作るのはSUVと同様ですが、こちらのほうが傾斜が少なく、SUVよりも寝やすい車種が多いんです。

特にスバル車はフラットになる車種が多く、「レヴォーグ」のほか「レガシー アウトバック」などでも車中泊ができます。

*  *  *

本格的に車中泊旅行などをするのであれば、キャンピングカーなど車中泊向けにカスタマイズされたモデルが視野に入ってくるかと思いますが、1泊2日程度のお出かけであれば、今回挙げた車種でも十分に対応できます。

単なる移動手段と考えると、クルマは維持費など決して安くはありませんが、“いざというときに泊まれる”のはほかの交通手段では決して真似のできない魅力。“泊まれるかどうか?”は、クルマ選びの新たな基準のひとつになるかもしれません。

 

<文/増谷茂樹

増谷茂樹|編集プロダクションやモノ系雑誌の編集部などを経て、フリーランスのライターに。クルマ、バイク、自転車など、タイヤの付いている乗り物が好物。専門的な情報をできるだけ分かりやすく書くことを信条に、さまざまな雑誌やWebメディアに寄稿している。

 

 

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