日よけ、防寒、虫よけだってできちゃう「スポーツてぬぐい」! これは“てぬぐい”を超えたかも
&GP / 2024年3月2日 19時0分
日よけ、防寒、虫よけだってできちゃう「スポーツてぬぐい」! これは“てぬぐい”を超えたかも
【アウトドア銘品図鑑】
1990年代のオートキャンプブームで印象的だったのがバンダナ。バンダナは汗を拭く、日焼け防止、包帯代わりなどいろいろと活用できる万能アイテムで、1枚は持っておくべきと言われ、キャンプ場では頭や首もとにおそろいのバンダナを巻いた家族が楽しそうに過ごしていたものです。
現在も万能アイテムのバンダナはキャンプの必需品ですが、2000年代初頭よりバンダナ覇権に迫り、ジワジワとシェアを拡大していったのが“てぬぐい”です。
バンダナよりも細長いてぬぐいは、たとえ不器用な人でも首や頭に巻きやすいし、包帯代わりにもしやすい。お風呂で背中を洗うのも楽にできるし、乾きだって速い。
みやげ物のイメージが強かったてぬぐいですが、実は実用的だと知られて以降、キャンプや登山だけでなく、スキーやスノーボードといったウインタースポーツでも重宝されるようになったのはご存じの通り。
でも、てぬぐいって使い続けることでやわらかく、肌触りがよくなるけれど、洗濯のたびに端がほつれちゃうのが地味にストレスだったりするわけです。
そこで、繊維のプロであり、アウトドア好きが集う「スタジオ・ワット」が、伝統的なてぬぐいを、よりアウトドアシーンにフィットするよう進化させました。それがチャオラス「スポーツてぬぐい」(2750円〜)。
ついつい手に取ってしまう「スポーツてぬぐい」の魅力とは?
■洗濯してもほつれないって気持ちいい
通常、てぬぐいは一定幅に織った木綿を約90cmに切って、その切り口を縫いません。
切り口を折り返して縫うと、その分、厚みが増して乾きにくくなるのでこれでよし。ほつれて絡まった糸は切って整えればよく、縫い目がないのでハサミなどなくても細く裂けます。鼻緒が切れて困っているお嬢さんを助けるという、あのシーンにも役立つわけです。
▲左が「スポーツてぬぐい」、右は一般的なてぬぐい
ところが現代は洗濯機を使うわけで、切りっぱなしだとほつれた糸が絡まるし、ほつれがちょっとかっこ悪い。
「スポーツてぬぐい」は切り口を折らず、ロックミシンをかけることで乾きやすさとほつれにくさを両立させています。
▲経糸に綿、緯糸はバンブーレーヨン
また、写真ではわかりづらいのですが、「スポーツてぬぐい」は木綿ではなく、綿とバンブーレーヨンを昔ながらのシャトル織機でゆっくり織り上げています。バンブーレーヨンの吸水力は綿以上だし、繊維表面に溝があり乾きも早い!
汗を拭うシーンの多いアウトドアに適した生地に仕上げているんですね。
▲「スポーツてぬぐい」の製造手順
現行モデルでは、“柔軟”のあとにヒバ由来のヒノキチオールを生地に浸透させるという抗菌・防臭加工を施しています。速く乾くので雑菌が繁殖しづらいけれども、それでも抗菌加工が施されていると安心感が違います。防災アイテムとしても役立ちそう。
ちなみに柔軟剤を使うと吸水性が悪くなると言われていますが、「スポーツてぬぐい」の製造では、吸水性と柔らかさを両立するため“つばき油”を配合した独自の柔軟剤で特殊加工を行っています。
シャトル織機による柔らかな風合い、そして独自の柔軟加工のおかげで初めて使うときから肌あたりがいい! 山小屋やキャンプ場で買って、すぐに気持ちよく使えるんですから、これ、大事。
■タオルよりも長いのに軽い
てぬぐいは軽くてコンパクト。これも大きな魅力です。
▲二つ折りにした「スポーツてぬぐい」と普通のてぬぐいを重ねてみた
一般的なてぬぐいは幅約35cm、長さは約90cm。一方「スポーツてぬぐい」は幅約31cm、長さは約110cmというスリムなシルエットになっています。20cm長いと首もとに二重で巻けるわけで、おしゃれアイテムとしても使いやすいんです。
▲日帰り温泉の名前入りペラペラタオル(約32×80cm)と「スポーツてぬぐい」を重ねてみた
もうひとつ、軽くて乾きやすいのでキャンプや旅行で重宝するペラペラの名入りタオルと比べてみました。幅はほぼ同じですが、「スポーツてぬぐい」のほうが30cmほど長く、スポーティなシルエット。
同じ回数折りたたんでみました。
タオルはループ状の糸が丸く出ているパイル織りですから、当然といえば当然なんですが、ペラペラの名入りタオルでも厚みが際立ちます。重量だってタオルが54g、「スポーツてぬぐい」が47gと7gも軽い!
ペラペラのタオルはパイル生地特有のフワッとした感触は薄めだし、「スポーツてぬぐい」は長く使っても肌触りはやさしいまま。価格はペラペラタオルの4倍くらいですが、長寿命なので長い目で見れば割安とも言えるでしょう。
▲日本人の肌になじむ色がそろう。ライチョウなど自然をモチーフにしたデザインも
おしゃれなてぬぐい販売サイトでは「てぬぐいはインテリアにも役立つ」なんてうたい文句を見かけますが、チャオラスでは身につけることを第一に考えて設計しています。
今の季節なら春スキーやスノーシューでマスクがわりにすれば暑すぎることなく日焼けと乾燥を防止。真夏は水に浸してから首に巻いてネッククーラーに。少量のハッカ油をスプレーして首に巻き、顔周りに虫が寄りづらくするなんていう使い方もできます。
ぐっしょり濡れても重くなりにくいし、天気がいまいちな日でも2〜3時間広げて吊せばサラッと復活する「スポーツてぬぐい」ですから、もったいぶらずにドシドシ使うのが正解です。
>> チャオラス
<取材・文/大森弘恵>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。X
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