ドイツ・コンスタンツで味わう日本では味わえない旅 / 徒歩で越える国境と国境線沿いにならぶ芸術作品
GOTRIP! / 2017年12月12日 11時30分
ドイツ南部に位置し、スイス、オーストリアにもまたがっているボーデン湖。その温暖な気候が人気を集め、ドイツのみならず周辺諸国からも多くの人がバカンスに訪れます。
そんなボーデン湖のなかでも特に賑わいを見せる町がコンスタンツ。歴史上でも有名な「コンスタンツ公会議」が開催された場所であり、会議が開かれた館や聖職者を手玉に取った高級娼婦をモデルとしたインペリア像といった関連スポットも数多くあります。
またボーデン湖観光の拠点ともなり、ここから世界遺産のライヒェナウ島やヨーロッパ最大の「ラインの滝」などへも訪れる事が可能です。
そんなコンスタンツはスイスのクロイツリンゲンという町と国境を接していますが、その国境はなんと徒歩で越えられるのです。島国である日本では「外国へ行く=パスポートのチェックがある」というイメージを持つ方がほとんどだと思いますが、ヨーロッパ内でシェンゲン協定に加盟している国々の間では、そこを行き来する際にパスポートコントロールがありません。つまり散歩に行くような気分で国境を徒歩で越える事ができてしまうのです。
日本人の私達からするとパスポートチェックもなしに外国へ行くのはとても不思議な感覚ですが、ヨーロッパではごく普通のこと。国境付近に住んでいる人々のなかでは、仕事や大学などで日々国境をまたいだ生活をしているという人も少なくないのです。
コンスタンツからクロイツリンゲンへ向かって歩いていくと、やがて「Landesgrenze(国境)」と書かれた標識が現れます。スイス国旗のマークが、「ここから先はスイス」という事を示しています。
標識の裏側には同様にドイツ国旗が描かれ、この先がドイツであると示しているのです。
国境はボーデン湖へ続く公園内まで続きます。かつては金網が張られていた国境沿いには、現在22個の像が建てられています。国境に沿って芸術作品が並ぶという光景は、世界でもここでしか目にする事ができない珍しいものです。
かつては自由に行き来する事のできなかった国境沿いが今では公園となり、市民の憩いの場所となっています。あまりにも簡単に国境を通過できるので、外国へ行くという感覚が全くありません。
飛行機にも乗らず、パスポートも提示せずに国境を越える。ヨーロッパならではの不思議な体験は旅を一層面白くしてくれそうです。
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