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恋をすると女性ホルモン増?更年期症状が改善?恋・セックスと女性ホルモンの関係は

ハルメク365 / 2024年4月4日 22時0分

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「恋をすると更年期で低下した女性ホルモンが増えるって本当?」「更年期症状(更年期障害)の緩和効果が期待できる?」など、更年期と恋愛の関係について詳しく解説!更年期は女性ホルモンがゆらぐ時期。正しい知識を身につけて変化に対処しましょう。

更年期に恋をするとどうなる?50代女性の疑問

更年期に恋をするとどうなる?50代女性の疑問

「恋をすると女性ホルモンがたくさん分泌されてきれいになる」

「セックスすると女性ホルモンの濃度が高まる」

こんな噂を聞いたことがある人もいるかもしれません。では本当に恋愛で女性ホルモンは増えるのでしょうか?

結論から言ってしまうと、恋やセックスによって女性ホルモンが増えることはありません。

しかし、恋やセックスをしたり、好きなアイドルや俳優を見たり、趣味に没頭することには多くのメリットがあります。

ここからは、恋やセックスと女性ホルモンの関係について詳しく解説します。

恋やセックスで女性ホルモンが増えることはない

「恋をすると女性ホルモンの一つであるエストロゲンが分泌されるため、恋をすると女性はきれいになる」というのはよく耳にすることのある噂ですが、実際には恋愛やセックスをすることで女性ホルモンの値が上がることはありません。

性行為と女性ホルモンの関係については、アメリカ国立衛生研究所のグループが18歳~44歳の259人の女性を対象に行なった調査があります。

調査では、「今までに性行為をしたことがありますか?」と質問。過去に一度でも性行為の経験があると答えた人は、性行為の経験がない人に比べて、15%ほどエストロゲンの濃度が高いという結果が出ました。

また、女性ホルモン濃度が高い日は、性行為が起きやすいこともわかっています。

しかし、性行為の頻度と女性ホルモン濃度の関係を調べたところ、「調査期間中に性行為をした人」と「調査期間中に性行為をしなかった人」で差は見られませんでした。

つまり、女性ホルモンの濃度と性行為にはなんらかの関連性があると考えられるものの、たくさんセックスをしたからといって女性ホルモンが増えるわけではないということです。

女性ホルモンは増えないが「幸せホルモン」は増える

恋をしたり、セックスをしたりすると気持ちの高ぶりや、幸せな気持ちを感じることがありますが、これは女性ホルモンではなく、「ドーパミン」「セロトニン」「オキシトシン」といった脳内ホルモンの影響です。

また、恋をすると恋愛ホルモンと呼ばれる「フェニルエチルアミン(PEA)」も分泌されます。

  • ドーパミン……快感や多幸感を得る、意欲を感じる、運動調節機能にかかわる
  • セロトニン……精神を安定させる、満腹感を与え食欲を抑制する
  • オキシトシン……ストレスや不安の緩和、痛みの緩和、血管を広げて血圧を下げる、肌の傷を治す幹細胞の働きを活性化
  • フェニルエチルアミン(PEA)……ドーパミンやノルアドレナリンの濃度を高め、高揚感や快楽をもたらす

上記のような幸せホルモン、恋愛ホルモンと呼ばれるホルモンにはリラックス作用や気持ちが前向きになるといった作用があります。

そのため、恋をすることで更年期症状が緩和する効果は期待できると考えられるでしょう。

しかしだからといって、無理に恋愛をする必要はありません。

恋をして気持ちが満たされるのであればいいですが、悩みやつらいことが多い恋は、むしろ逆効果。

恋でなくとも、ストレスを忘れられるような楽しみを見つけて幸せホルモンが分泌されれば、更年期症状の緩和が期待できます。

更年期に女性ホルモンを増やす方法はある?

更年期に女性ホルモンを増やす方法はある?

では、恋やセックス以外で、女性ホルモンを増やす方法はあるのでしょうか?ここから詳しく見ていきましょう。

女性ホルモンは自分では増やせない

更年期は閉経に向けて女性ホルモンの大きな変化が起こるゆらぎ期であり、このときに起こるエストロゲンの激減が、さまざまな更年期症状につながります。

そのため、「自力で女性ホルモンを増やしたい」と考える人もいるかもしれませんが、女性ホルモンは自分で「増やす」ことはできません。

そもそもエストロゲンは、脳からの命令を受けて卵巣から分泌されます。この脳の司令は無意識で行われ、人の意志によるコントロールはできません。

卵巣は加齢と共に機能が低下し、閉経を迎えると卵巣は機能を終え、女性ホルモンの分泌はほぼゼロになります。

ただし、自力で卵巣機能を高めることはできませんが、「卵巣機能を低下させる原因を取り除く」ことはできます。

強いストレス、運動不足、乱れた食生活、喫煙習慣などは卵巣機能を低下させる原因です。これらは女性の体に悪影響を与えるため、対策するといいでしょう。

イソフラボンやエクオールは補助的な位置づけ

女性ホルモンのエストロゲンと似た作用を持つ「大豆イソフラボン」や、大豆イソフラボンからつくられる「エクオール」などを摂取することは女性ホルモンバランスの乱れの対策にはなりますが、あくまで補助的な位置づけです。

女性ホルモンを増やす食べ物は存在しません。

しかし、食生活が乱れていると女性ホルモンバランスが乱れてしまいます。女性ホルモンバランスを整えるためには、健康的な食生活を意識することが大切です。

治療として行うなら「ホルモン補充療法」

自力で女性ホルモンを増やすことは難しいですが、婦人科など病院での治療によって女性ホルモンを増やすことはできます。

ホルモン補充療法(HRT)は、薬によってエストロゲンを補うことで、エストロゲン不足によって起きる更年期のさまざまな不調を改善に導く治療法です。

ホットフラッシュやほてり、のぼせ、発汗、気分の落ち込みや集中力の低下といった症状の改善効果が期待できます。

また、更年期は性器の萎縮や乾燥によって性交痛や膣炎が起こることがありますが、これらの症状を改善する効果もあります。

性交痛や膣炎は不快な症状が出たり、性生活に支障が出たりと、更年期女性のQOL低下につながる症状です。更年期の諸症状によるつらさを感じているのであれば、治療を検討してみてもいいかもしれません。

更年期の女性が恋をするメリット・効果

更年期の女性が恋をするメリット・効果

恋をしたからといって、女性ホルモンが増えることはありません。しかし、更年期を迎えた大人の女性が恋をするメリットはあります。

日々に張り合いが出る

満たされる恋であれば、それだけで毎日を楽しく、ポジティブな気持ちで過ごせるようになります。

恋人と過ごしたり、出かけたりすることは新しい刺激にもなるため、これまで以上に日々に張り合いが出るでしょう。

メイクやファッションが楽しくなる

気になる人や好きな人、恋人がいると普段以上にメイクやファッションに気合いが入るもの。

忙しさからついメイクやファッションの楽しさを忘れてしまっていた人も、今まで以上におしゃれを楽しめるようになるかもしれません。

美容効果が期待できる

ストレスは肌トラブルにつながるだけでなく、肌老化を促進させる原因にもなります。

恋愛をすると分泌される「セロトニン」には精神の安定、「オキシトシン」にはストレスや不安を緩和する効果があり、ストレスを軽減することで肌にいい影響を与える効果が期待できます。

セロトニンなどの幸せホルモンが増える

女性ホルモンのエストロゲンは、セロトニンの生成に関わっています。

更年期に女性ホルモンが減少するとセロトニンが不足しがちになり、これが更年期症状で見られる「イライラ」「気分の落ち込み」「意欲低下」「不眠」などの症状につながることがあります。

恋をすることでセロトニンなどの幸せホルモンが増えれば、これらの症状緩和につながる可能性が考えられるでしょう。

自分のセカンドライフの幸せについて考えるきっかけになる

人生100年時代といわれるようになった現代では、50代は折り返し地点。

50代は再婚について考える人が増える年代でもあり、近年は熟年離婚や熟年再婚が増加傾向にあるといいます。

恋愛をきっかけにして、自分のこれからの幸せについて考えるきっかけになるかもしれません。

「恋」ではなく趣味や推し活でもOK

「恋」ではなく趣味や推し活でもOK

恋をすることにはメリットもあるものの、無理に恋をしなければいけないわけではありません。

「更年期になると恋愛感情がなくなる」「閉経すると性欲がなくなる」または反対に「閉経すると性欲が増える」といった話を耳にすることがありますが、恋愛感情や性欲は個人差も大きいものです。

また、個人の価値観の違いもあります。恋愛よりも、家族や友人との時間、自分の時間を大切にしたいという人もいるでしょう。

恋に限らず、ワクワクしたり楽しい気持ちになったりする楽しみや趣味を見つけることでも、更年期症状の緩和効果が期待できます。

例えば、今メディアでもよく目にすることがある「推し活」でもOK。

好きなアイドルや俳優のコンサートに行ったり、ポスターを見たり、恋愛映画や恋愛小説でも恋愛ホルモンこと「フェニルエチルアミン」は分泌されます。

ハルメク生きかた上手研究所が行った調査(50~81歳の女性461人が対象)では、「推し(人に勧めたいほど深い愛着のある人や物)」がいる人の方が幸福度が高いという結果が出ました。

また、推し活は脳を活性化させる効果もあるといいます。

シニアに広がる「推し活」イマドキ事情

出典:シニアに広がる「推し活」イマドキ事情

夢中になれる趣味を見つけるのもおすすめです。

同調査では、「推しも趣味もなし」という人に比べて、「推し」もしくは「趣味」があると答えた人の方が幸福度が高くなっています。

「恋をしたいけど、出会いがない」という人も、趣味や習い事をきっかけに出会いが見つかるかもしれません。

恋でも恋以外でも、ときめきやワクワクが大切!

更年期のつらい症状は女性ホルモンが急激に減少することで起こるため、「恋をして女性ホルモンを増やしたい」と思っている人もいるかもしれません。

また、女性ホルモンは女性の肌や髪のツヤなどにも影響するため、「恋人をつくらなきゃ、ときめかなきゃ」と焦ったり、もうしばらく恋愛をしていない自分に劣等感を抱いてしまったりしている女性もいるようです。

しかし、恋やセックスで女性ホルモンが増えることはありません。女性ホルモンを増やすために無理に恋をする必要はないでしょう。

一方、恋によって心や体が満たされると、幸せホルモンが増え、更年期症状が緩和される効果は期待できます。

これは恋に限ったことでなく、趣味や習い事、映画などを楽しむことでもOK。

自分がときめくもの、ワクワクを感じるものを大切にすることでストレス発散になり、心にも体にもいい影響が起こるかもしれません。

監修者プロフィール:三橋裕一さん

三橋裕一さん

1964年生まれの54歳。医師になり28年目。福島県会津若松市出身で2007年に札幌でひなたクリニックを開業。産婦人科医の傍ら、総合格闘技のリングドクターとしても活動。趣味はお酒とバイクジムカーナ。利き酒師やフードマイスターの資格も保有。新事業の『内診台を使用したVIO脱毛』に日々奮闘中。

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