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「戦いを楽しむことを教わった」山本KIDさん“教え子”が世界王者になって墓前報告誓う

スポーツ報知 / 2024年10月2日 6時30分

練習を公開した岩田は、力強くサンドバッグに打ち込む(カメラ・池内 雅彦)

◆プロボクシング ▽WBO世界ライトフライ級(48・9キロ以下)王座決定12回戦 同級1位・岩田翔吉―ハイロ・ノリエガ(13日、東京・有明アリーナ)

 7大世界戦の第1日(13日)に行われるWBO世界ライトフライ級王座決定戦に挑む同級1位の岩田翔吉が1日、同級2位のハイロ・ノリエガとの対戦に向け、都内のジムで練習を公開した。約2年ぶり2度目の世界挑戦となる岩田は王座初奪取へ、不退転の覚悟をにじませ、少年時代に教えを受けた総合格闘家の山本KID徳郁さん(18年死去、享年41)に世界王者として墓前報告を行うことを誓った。

 約2週間後に迫った2度目の世界挑戦へ、岩田は「今回負けて、次頑張りますとは言えない。本当に覚悟を持って全てをぶつけて勝ちたい」と思いを込めた。

 世界王者になって報告したい人がいる。小学4年生の時に格闘技を始めたきっかけになったのが、山本KIDさんだった。KIDさんのジムで「戦いを楽しむことを教わった」という。恩師は、18年9月18日に41歳の若さで死去。9月には七回忌の法要が行われたが、岩田は試合前のため出席できなかった。世界王者のベルトを持って「お墓参りに行く」と決めている。

 このベルトに初めて挑んだ22年11月は、当時王者のジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)に判定負けを喫し、KIDさんの墓前に勝利を報告できなかった。再起後は4戦連続でKO勝利を積み上げ、2度目の世界挑戦にたどりついた。中村正彦ストレングス&コンディショニング・コーチは「負けて変わった。合宿では持久力が弱く、走り込みでも他の選手から遅れて迷子になるくらいだった。今は自分で階段トレーニングをしたり、自覚が出た」と体の強さが段違いに変わったと証言する。

 7大世界戦は、岩田と同じ1995年度生まれのボクサー5人が出場する。高校3年時のインターハイで優勝した岩田が出世頭と目されたが、この日、ともに練習を公開したユーリ阿久井政悟や、WBA世界バンタム級王者の井上拓真(28)=大橋=らが先に世界王者に就いた。「刺激になってますし、励みにもなっています。今回、必ず彼らと同じ世界チャンピオンになれるように頑張りたい」と誓う。勝てば、95年度組の日本人世界王者では6人目となり、井岡一翔ら88年度生まれを抜いて世代別で単独トップとなる。

 また、王座奪取となれば、帝拳ジムでは21年11月の元IBFスーパーフェザー級王者・尾川堅一以来、国内開催試合に限れば19年7月にWBAミドル級王者となった村田諒太以来になる。「歴史と伝統。勝ってそこに名を入れたい」と表情を引き締めた岩田が再び世界戦の舞台に上がる。(戸田 幸治)

 ◆岩田 翔吉(いわた・しょうきち)1996年2月2日、東京都生まれ。28歳。帝拳ジム所属。小学4年から総合格闘技を始め、ボクシングは中学2年から。日出高(現目黒日大高)3年時に高校総体優勝。早大卒業後の2018年12月、米国でプロデビュー。19年2月に日本のプロテスト合格。21年11月、日本王座を獲得。22年7月に東洋太平洋、WBOアジアパシフィック王座を手にし、アジア3冠達成。同年11月、WBO世界ライトフライ級王座に初挑戦し判定負け。身長163センチの右ボクサーファイター。

 ◆山本KID徳郁(やまもと・きっど・のりふみ)総合格闘技を主戦場に活躍したプロ格闘家。レスリング競技者から2001年のプロ転向後は、04年の魔裟斗との死闘など数多くの名ファイトを繰り広げた。主宰ジム「KILLER BEE(現KRAZY BEE)」で岩田ら多くの後進に影響を与えた。父・郁栄さんはミュンヘン五輪レスリング日本代表、姉の美憂さん、妹で米大リーグ・パドレスのダルビッシュ有投手の妻・聖子さんは元レスリング世界女王。格闘技一家の長男・KIDさんは愛称「神の子」で人気を博したが、18年9月18日に消化器系のがんで闘病の末、41歳の若さで死去した。

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