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「引き出しになる」ロッテ・佐々木朗希がリーグ戦最終登板で得た収穫 ドジャース編成本部長見守る前で

スポーツ報知 / 2024年10月2日 5時25分

8回2死一、三塁、小深田を二ゴロに抑え雄たけびを上げる佐々木(カメラ・上村 尚平)

◆パ・リーグ 楽天1―5ロッテ(1日・楽天モバイル)

 3位のロッテは4位楽天との直接対決で、佐々木朗希投手(22)が9回1失点に抑え今季初完投。チームを2年連続CS出場へ導いた。ドジャースのフリードマン編成本部長など米10球団が視察に訪れた中、5年目で自身初の2ケタとなる10勝目を挙げた。パ・リーグは全6球団の順位が確定した。

 グラブをポンとたたき、拝むように大事な白星をかみ締めた。佐々木は、9回108球で5安打10奪三振、無四球で1失点。史上最年少で完全試合を達成した22年4月10日のオリックス戦(ZOZO)以来となる完投勝利で、自身初の2ケタ勝利に到達した。チームのCS進出も確定させ、「キリのいい数字でとりあえず勝ててよかった。(完投は)あまりない経験なのでよかった」と、充実の汗を拭った。

 修正力が光った。初回は2死から3番・辰己の強烈なピッチャー返しが右膝に直撃するアクシデント。その後、暴投で先制点を献上するなど、不穏な立ち上がりとなった。だが2回以降は無失点の投球を続けた。最速は157キロで、1、3、8回の3イニング以外はいずれも3者凡退に封じた。「思うような球がいかなくても、このパフォーマンスは収穫。これから先またよくないときはあるし、引き出しになる」と振り返った。

 世界が注目する右腕のシーズン最終登板には、ヤンキース、レイズらMLB10球団が集結した。ドジャースは今季初視察となったフリードマン編成本部長、ゲレン・カー球団副社長ら複数態勢で仙台に駆け付けた。同編成本部長は「彼が素晴らしく才能がある投手なのは明白。私は何年も前から、いろんな才能のある日本人投手を見てきたが、彼は過去にアメリカに渡った投手たちの仲間に入れる人材です」と太鼓判を押した。

 苦しみ、もがいたシーズンだった。今季序盤の直球は160キロに届かず、自慢の剛速球が影を潜めた。5月末から6月には右上肢の状態不良で計2度の離脱。規定投球回には今年も届かず、本人も「悪く言えばごまかしているだけ」と、もどかしさを抱えていた。吉井監督も「野球選手は毎年毎年体が変わるので、同じ投げ方でうまくいかないときがある」と分析しつつ、「今年は我慢の年だった。質は置いといて、いろんな意味で成長したと思う」と褒めた。

 試合終了後、ナインはファンに深々と頭を下げ、2年連続10度目(04~06年のプレーオフを含む)のCS進出の報告と感謝を伝えた。「3位からですけど、日本シリーズに行って、日本一になれるように頑張ります」と佐々木。真価を発揮した22歳が、19年ぶりの日本一を誓った。(竹内 夏紀)

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