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3年生は“やんちゃ学年”の個性派集団 全国制覇王手、流通経大柏の強さの秘密

スポーツ報知 / 2025年1月12日 5時0分

決勝進出を喜ぶ流通経大柏(左2人目から)奈須、佐藤の両主将(カメラ・今西 淳)

◆第103回全国高校サッカー選手権 ▽準決勝 流通経大柏(千葉)1―0東海大相模(神奈川)(11日・国立競技場)

 17大会ぶり2度目の頂点に挑む流通経大柏(千葉)は、初出場の東海大相模(神奈川)を1―0で下し、6大会ぶりに決勝に駒を進めた。7大会ぶり2度目の制覇を狙う前橋育英(群馬)は、東福岡(福岡)との名門対決で3―1の逆転勝ちで、優勝した2017年度大会以来となる決勝進出を果たした。ともに関東勢で、優勝経験校同士の対決となった決勝は、13日に東京・国立競技場で行われる。

 国立に響いた勝利のホイッスルに、流通経大柏イレブンは感情を抑えきれなかった。3戦15点の圧倒的な攻撃は鳴りを潜めたが、前半にPKで奪った1点を死守し、幾度も迫りくる相手をことごとくはね返した。主将でDF佐藤は「崩されても、抑えられればいいと思っていた」と胸を張り、もう一人の主将DF奈須も「無失点にこだわれていたので良かった」と誇った。

 3万7933人の観客が生み出す空気にのみ込まれそうになった。動きは硬く「(自分たち)らしいサッカーが出せなかった」と佐藤。それでも、夏に2、3回一発勝負のトーナメント大会で学んだ勝負強さは、大舞台の勝負所でも光った。相手の好機を体を張って防いだ。相手の武器ロングスローにも冷静に対応。榎本雅大監督(46)も「成長が見えた」と守備を評価した。

 3年生は、マイペースが光る“やんちゃ学年”と呼ばれた。その個性派集団をまとめあげてきたのが“ダブルキャプテン”だ。当初は佐藤が一人で務めてきたが、奈須も立候補し現体制に。「練習の集中力が保てている」と指揮官も2人に信頼を置く。

 2人はクラスも同じで日頃から仲良し。佐藤は奈須の誕生日にプレー写真やツーショットを載せた写真立てをプレゼントした。記したメッセージは「相棒、一緒にプロになろう!」。3年間で紡いだ絆は揺るがないもの。「奈須は『困ったら俺を見ろ』っていうタイプ。頼もしい」(佐藤)。「佐藤は何でも受け止めてくれる」(奈須)。背中で引っ張る奈須と、声と気配りでまとめる佐藤。2人の主将が、ここに最強のチームを作り上げた。

 13日は泣いても笑っても最後の一戦。前橋育英との決勝は7大会前と同カードで、先輩たちは涙をのんだ。佐藤は「自分はその試合を見て流経に入りたいと思った。敵(かたき)を取りたい」。キャプテンマークは佐藤に託すが、2人の主将が気持ちを一つにトロフィーを掲げる。(小林 玲花)

 〇…流通経大柏には、昨春からコーチに就任した2人の元Jリーガーがいる。柏や熊本、横浜FC、大宮でプレーしたGK南雄太氏(45)と、広島や川崎に所属した山根巌氏(48)。選手に試合への心の持ち方、技術面と幅広く指導している。佐藤は「プロを経験している方なので、プロの世界のことを落とし込んでくれている。自分たちのためになっている」と感謝。心強い存在が加わり、チームの進化へとつながった。

 〇…流通経大柏の決勝点は、MF柚木の“ブツブツPK”から生まれた。名門の背番号10を任されるアタッカーは、前半42分に味方がPKを獲得すると「10番である以上、自分が蹴るべきだと思った」。ボールをセットすると、自身が蹴り始めるまでの秒数をブツブツと数えるのがルーチン。冷静にゴール中央に沈め「ゴールで勢いに乗ることができた」と勝利を誇った。

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