企画・斎藤工による竹林亮監督作『大きな家』、今秋公開&特報解禁 “親と離れて暮らす子どもたち”の等身大の姿を描写
クランクイン! / 2024年3月1日 12時0分
斎藤工が企画・プロデュースした竹林亮監督作『大きな家』が、今秋公開されることが決定。特報とティザービジュアルが解禁された。
とある中学校のクラス35人全員に密着した青春リアリティ映画『14歳の栞』(2021)を手掛けた竹林亮監督と製作チームによる本作では、児童養護施設に暮らす子どもたちに密着。家族ではないつながりの中で生活しながら、自分の運命と向き合い、葛藤し、未来に目を向けて成長していく子どもたちの等身大の姿を活写する。
東京のとある児童養護施設。ここでは、死別・病気・虐待・経済的問題など、さまざまな事情で親と離れて暮らす子どもたちと職員が日々を過ごしている。家族とも他人とも言い切れない、そんなつながりの中で育つ子どもたちの本音と、彼らを支える眼差し。生きることへの不安。うまく築けない人間関係。変えられないものと、ともに生きていくということ。
ここに映っているのは、特別なものではなく、葛藤しながらもたしかに大人になっていく姿と、それを包んでいる、いつか忘れてしまうような日常の景色。この映画を観終わったあとは、彼らだけでなく自分が歩んできた道のりをきっと肯定したくなる。そして、自分の“ふつう”が少しだけ広がるかもしれない―。
特報は、施設内の日常の風景と共に、「俺にとってみんな? 一緒に暮らしてる他人」「ここ家とは言わないもん。預かってる場所としか言わない」「みんなが思ってる普通と、ここの普通って違うんで。どう生きていけば良いかわからない」など施設に暮らす子どもたちの率直な言葉が流れ、最後は「知らなかった“ふつう”の日常」というキーフレーズ、「16年間お世話になりました」という言葉が響いて締めくくられる。
ティザービジュアルは、広い空の下で施設の子どもたちが並んだ後ろ姿をとらえたもの。横には「家族でもない、他人でもない」というコピーが添えられている。
竹林監督は「この映画は、ある子どもたちのごく普通の日常を記録した物語です。彼らが将来生きることに苦労するようなことがあった時に彼ら自身が観て、生きる力を呼び覚ますお守りのような存在になってほしい。いつか自分たちのこれまでの道のりを客観的に見て、昔から自分には前に進んでいく強い力があり、さらに多くの周囲の人々に純粋に応援されて、ここまでやってきたのだと思い返せるようなものでありたい。そう願いながら、共に過ごした時間を記録し、編集をして1本の映画にしました」と、作品に込めた想いをコメント。
続けて「従って、これは未来で葛藤している僕の大切な友人達のための映画に他ならないのです。そして、そんな彼らの映画を観ることで、これまで知らなかったすぐそこにある日常の中の『普通』の感覚の差分の中に、全ての人々にとって大切なものが隠されているのを目撃していただきたいです」と語っている。
斎藤は「個人的にご縁を頂いたとある養護施設には光り輝く子どもたちが今日も生活しています。彼ら彼女らの『これまで』と『これから』には我々の想像を絶する様々なドラマがあり、彼ら彼女らの世の中との向き合い方、そして子どもたちを支える施設の職員の方々の日常。本作は普段は立ち入れない場所に置ける『当たり前』と観客がどう向き合うかが問われる、混沌とした現代に必然的に生まれた作品になったと心から思います」とメッセージを寄せた。
なお本作はオンライン配信等を予定しておらず、劇場上映でのみ公開予定。また、竹林監督の過去作『14歳の栞』が、3月1日より全国で期間限定の再上映を実施中。来場者には『大きな家』ポストカードがプレゼントされる(※⼀部対象外劇場あり)。
映画『大きな家』は、今秋公開。
※竹林亮監督、斎藤工コメント全文は以下の通り。
<コメント全文>
■竹林亮(監督)
斎藤工さんからお誘いをいただき、とある場所にお話を伺いに行ったのは2年半前でした。そこから何度もお邪魔するうちに、珍しい存在だった撮影班は次第にそこの日常の中に溶け込んでいきました。この映画は、ある子どもたちのごく普通の日常を記録した物語です。彼らは様々な理由で自身の親から離れて児童養護施設と呼ばれる場所で日常を送っています。
僕たちは、この映画を、彼らの人生のお守りになるようにと願いながら作りました。なぜなら、彼らは18歳を過ぎて自立する準備ができたら、その場所から巣立ち、自分の力で生活をしていかなければならないからです。
彼らが将来生きることに苦労するようなことがあった時に彼ら自身が観て、生きる力を呼び覚ますお守りのような存在になってほしい。いつか自分たちのこれまでの道のりを客観的に見て、昔から自分には前に進んでいく強い力があり、さらに多くの周囲の人々に純粋に応援されて、ここまでやってきたのだと思い返せるようなものでありたい。そう願いながら、共に過ごした時間を記録し、編集をして1本の映画にしました。
従って、これは未来で葛藤している僕の大切な友人達のための映画に他ならないのです。そして、そんな彼らの映画を観ることで、これまで知らなかったすぐそこにある日常の中の「普通」の感覚の差分の中に、全ての人々にとって大切なものが隠されているのを目撃していただきたいです。
■斎藤工(企画・プロデュース)
竹林監督の『14歳の栞』を観に行った時、上映前に劇場から未成年である出演者方のプライバシーを守る誓約書の様な用紙が配られました。その後も配信への移行を安易にしなかったり、彼ら彼女らに配慮のある上映の形態を今日まで貫いていて、ドキュメンタリー映画における被写体と観客の本来あるべき誠実な距離を感じました。
カメラが向けられ人生の断片が切り撮られると同時に、社会的に守られるべき子どもたち。そんな竹林監督のチームならば、児童養護施設で生活をしている子どもたちと共に、映画と言う必然に向かえるのでは無いかと思いました。
個人的にご縁を頂いたとある養護施設には、光り輝く子どもたちが今日も生活しています。彼ら彼女らの「これまで」と「これから」には我々の想像を絶する様々なドラマがあり、彼ら彼女らの世の中との向き合い方、そして⼦どもたちを支える施設の職員の方々の日常。本作は普段は立ち入れない場所に置ける「当たり前」と観客がどう向き合うかが問われる、混沌とした現代に必然的に生まれた作品になったと心から思います。
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