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大反響のNスペ「戦後ゼロ年 東京ブラックホール」のディレクターが描き出す「日本人が知らない〈占領都市TOKYO〉の本当の姿」とは!?

IGNITE / 2018年12月28日 13時0分

大反響のNスペ「戦後ゼロ年 東京ブラックホール」のディレクターが描き出す「日本人が知らない〈占領都市TOKYO〉の本当の姿」とは!?

12月15日に台湾・台中市政堂で上映され、現地でも大きな反響を呼んだNHKスペシャル「戦後ゼロ年 東京ブラックホール」。その同番組が書籍化し、トークイベントを開催した。

本書は、CIA文書、GHQ検閲記録などの発掘資料を基に、1945年8月から翌年8月にいたる“空白の1年”を再構築したNHKスペシャル「戦後ゼロ年 東京ブラックホール」(2017年8月20日放送)を出版化したもの。

トークイベントでは、戦後東京の都市空間を研究する早稲田大学・佐藤洋一氏を聞き手に迎え、番組の裏話から、東京の過去・現在・未来まで語り尽くした一夜となった。

焼野原となった占領都市TOKYOにいったい何が起きていたのか。これまで断片的にしか語られてこなかった戦後東京、そして戦後日本の原点を見渡す新しい地図が浮かびあがってくる。

■大反響! NHKスペシャル「戦後ゼロ年 東京ブラックホール」はいかにして誕生したか

佐藤:書籍の元となったNHKスペシャル「戦後ゼロ年 東京ブラックホール」。その番組制作のいきさつを改めて伺えればと思います。

貴志:「戦後ゼロ年」の前に、NHKスペシャル「新・映像の世紀」(2015年10月~2016年3月放送)という全6回のシリーズのうち、2本のディレクターを務めました。その際、リサーチ段階からかなりの量のフィルムを収集しましたし、新たに機密資料の公開もあり、だいぶ下地ができていたのです。

そのときは、冷戦時代の世界をテーマに1本制作したのですが(第4回「冷戦・世界は秘密と嘘に覆われた」)、集めた資料の中に日本のものも相当数ありました。

日本が戦争に負けて、その後、冷戦時代が始まるわけですけれども、収集した「海外の映像記録の中の日本」というものに改めて目を向けますと、これまでNHKなどで毎年のように放送している戦争に関する番組とか、敗戦直後の日本を取り上げた番組での描かれ方と、異なる点があるのではと思えたわけです。

「新・映像の世紀」は、ベトナム戦争・アフガン戦争・キューバ危機などが中心で、日本についての映像はほとんど紹介しなかったのですが、新しい映像を発掘する番組リサーチチームも非常に優れていましたし、ぜひ、日本をテーマに番組制作を行いたいと思ったのです。

(右)貴志謙介氏〈写真提供:Tokyo Little House

■紋切り型の“戦後ストーリー”しかなかった

貴志:NHKの番組に限らず、「戦後ゼロ年」が取り上げられるときというのは、そのほとんどが高度成長の話の“前フリ”としてなんです。要するに、「我々は負けた、全部ゼロになった。けれども、それを乗り越えて立ち上がり復興した。そして、高度成長に邁進した。

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