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コスト損失させない採用方法④離職を防ぐ採用戦略/永嶋 泰子

INSIGHT NOW! / 2024年4月30日 6時50分

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永嶋 泰子 /

コスト損失させない採用方法も、いよいよ最終回となりました。

▼これまでの記事はこちらからお読みください。

コスト損失をさせない採用方法①~キャリアのスタートと情熱の芽生え - INSIGHT NOW!プロフェッショナル

コスト損失をさせない採用方法②~変革の時代を乗りこえ、未来を拓く人材への投資 - INSIGHT NOW!プロフェッショナル

コスト損失をさせない採用方法③面接は対話の場、価値観を共有する人材を引き寄せる秘訣


今回は、採用した人があなたの会社に定着してもらうための方法にフォーカスしてお届けしてまいります。

せっかく時間とお金をかけて採用をしても、数ヶ月や数年で退職されることほどコスト損失の大きいものはありません。

それは、新卒・中途採用ともに同じです。

特に中途採用は即戦力という大義名分を掲げてはいます。ですが、実際に終業するまでは能力は未知数ですし、たとえ前職で活躍していたとしてもあなたの会社で同じように活躍するにはタイムラグが生じます。

新卒の場合は、即戦力にはなりませんが、育成し一人前になったころに退職されれば大きな損失であるのは間違いない事実です。

では、コスト損失をさせないにはどのようにしたらいいのでしょうか?


ビジョンをくりかえし共有する

前回の記事でお伝えしたように、

面接であなたの会社のビジョンを、応募者とすり合わせることが必要です。

実は、この作業は入社後も続けていただきたいことです。

なぜかというと、人はいままでの慣習から抜け出したくないもの。

採用した方が、どんなにあなたの会社のビジョンに共感していたとしても、日々の仕事に忙殺されてすぐに忘れてしまうからです。

そのために必要なのが日々の業務でのビジョンの共有のほか、研修やミーティング、キックオフイベントなどを開催することです。

くり返し繰り返し会社のビジョンをくりかえし伝えていきます。

そうすることで、ビジョンを具体的に行動に落とし込んでいくことができるのです。

たとえば、自転車に乗れるようになったときのことを思い出していただきたいのですが、自転車を運転する自分をイメージするだけでは乗れるようになりませんよね。

イメージしながらも、自転車を運転できるまでに転んだり、けがをしながら体が覚えていき、結果的に乗れるようになります。

ビジョンを絵にかいた餅にせずに、実行していく糧とするためには、くり返し伝えていくこと、そしてビジョンをもとに行動に落とし込んでいくことの2ステップが必要となります


ビジョンを活かした企業たち

ビジョンを具体的に行動に落とし込んだ企業には以下のような例があります。

例1: グーグル

従業員が自らの仕事に対する情熱を追求できるような環境を提供しています。グーグルの従業員は勤務時間の20%を自分の興味や情熱に合致するプロジェクトに費やすことができる20%ルールというのがあります。これは、従業員のビジョンとグーグルのイビジョンを一致させる助けとなっており、例えばGmailやグーグル Newsが生まれるきっかけとなりました。

▼グーグルの20%ルールについてはこちらをご覧ください。

「20%ルール」を教訓にできる人とできない人の根本的な違い | 1位思考 | ダイヤモンド・オンライン (diamond.jp)

例2: スターバックス

スターバックスは「この一杯からひろがる心通わせる瞬間 それぞれのコミュニティとともに人と人とのつながりが生み出す無限の可能性を信じ育みます」というもので、これは単にコーヒーを売ること以上の意味を持っています。

実際にスターバックスでは、スターバックスの利益よりも目の前のお客様のためにホスピタリティを発揮するようにパートナーへの教育が行われています。

▼スターバックスのURLはこちらからご覧いただけます。

Our Mission, Promises and Values|スターバックスコーヒージャパン (starbucks.co.jp)

以上からもおわかりのように、あなたの会社のビジョンに共感してくれる人を採用して採用は終わりではなく、ここからがスタートなのです。

人は忘れる生き物です。

入社時の情熱は、仕事に追われる日々の中で忘却の彼方に消えていくかもしれません。

その情熱の炎を消さないように、そしてより激しく燃え上がるように、入社後のフォローが欠かせないのです。

ここまでで、ビジョンに共感し、そしてフォローがいかに必要かということがお分かりいただけたと思います。


ビジョンがあるから現場に任せられる

しかし、たとえばスターバックスのように現場の裁量だけに任せていいのか?と疑念を抱かれるかもしれません。

一見、自由に思えるスターバックスのルールは、単に「自由」を提供しているだけではありません。

従業員に自ら「自らの仕事に対する情熱を追求できるような環境とは何か」ということを考えさせ、行動させています。

私自身、ついつい立ち寄ってしまうお店の一つがスターバックスです。

それは、スターバックスのパートナーの方の笑顔やなにげない一言に心が温かくなるからです。

私はスターバックスにコーヒーを飲みに行ってるのではなく、あたたかい心のやりとりを求めているのです。

このやりとりは、マニュアルからは生まれません。

スタッフの方が、目の前のお客様のために自ら考え、自ら行動するところに、価値を感じているのです。

そこに会社としての唯一無二の存在価値が生まれるのではないでしょうか。

ビジョンを示し、行動に落とし込むことは、すぐにできることではないですが、しかし確実にあなたの会社の価値につながっていくのです。

コスト損失をさせない採用方法(全4回)をここまでお読みいただきありがとうございました。

またお会いできることを楽しみにしています。


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