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コンテンツマーケティングの効果は『顧客』を増やし『売上』を伸ばす/小笠原 昭治

INSIGHT NOW! / 2015年11月4日 7時0分

写真

小笠原 昭治 / インターアクティブ・マーケティング

1.コンテンツマーケティングの成否を左右するリファーラル効果

シリーズ第2弾「コンテンツマーケティングを成功させる三本の矢→紹介→解決→SEO」では、コンテンツマーケティングの基本ともいえる“三本の矢”について述べました。

  1. 第一の矢 → 検索エンジン対策に配慮してコンテンツを作る
  2. 第二の矢 → 訪問者の悩みが解決する、あるいは、欲求を満たすコンテンツを作る
  3. 第三の矢 → Web上で、強い影響力を持つ個人(インフルエンサー)からリンクしてもらう
重要な順に並べますと、
  1. 紹介
  2. 解決
  3. SEO
の三つです。この三つが揃ったとき、

コンテンツマーケティングは効果を発揮

します。 わかりやすく例示しますと、短い雑文であっても、Yahoo!ニュースからリンクが貼られるだけで、数千人以上の訪問者が訪れます。

筆者の経験では、Yahoo!ニュースの本文のページにリンクが貼られただけで、確か、1,700人くらい訪問者数が増えました(その日のみでしたが)

このように、紹介者によって(Yahoo!ニュースの場合、厳密には、紹介者ではありませんが) 爆発的にアクセスが増えることだけは確かです。

これを、マーケティングでは、

リファーラル(紹介)効果

といいます。リファーラルマーケティングともいいます。

Yahoo!ニュースは、お願いしても載りませんので、せめて、

お願いすれば載せてくれるインフルエンサーの人脈を増やしておきましょう!

ということでした。 ビジネスは、「カネとコネ」と言われるように、

コンテンツマーケティングも、また、人脈

なんですねえ。 コンテンツを読んで、リンクを貼るのは、人間ですから。


2.タイムリー(時機)コンテンツか?ユニバーサル(普遍)コンテンツか?

コンテンツマーケティングには、クオリティの高いコンテンツが必須といわれますが、必ずしも、高品質である必要ありません。

「ある程度」の質さえあれば充分

です。

なぜなら、発信する側はプロ(売る側)で、受信する側の殆どはシロウト(買う側)だからです。

コンテンツの質を高めるべく、プロの実力を発揮しようとすると、

  • 発信者と受信者が、相互に基本を理解しているうえでのコンテンツになり、
  • プロ同士で使う共通言語や、専門用語が、解説なく頻出し、
  • プロでなければ、理解しづらくなるため、

むしろ、控えたほうがいいでしょう。自戒の念をこめて(苦笑)

マーケティングのプロモーションで、よく『中学生にでも分かるように伝えなさい』といわれる通り、

1wayコミュニケーションは、わかりやすいのが一番

です。 わかりにくいのは最悪です。自戒の念をこめて(失笑)

わかりやすければ、コンテンツの質は「ある程度」で充分。高品質である必要ありません。

質よりも、

・ユニバーサル(普遍。初速は鈍いけれども、検索し続けられる)コンテンツ

にするか?

・タイムリー(時機。注目される話題性はあれど1カ月も経てば埋もれる)コンテンツ

にするか?

方向性を決めるほうが先でしょう。コンテンツマーケティングは主に、

リンクか検索

で認知されますので。(AIDA法則が発生しますので)


(理由は後述しますが)相性として、
  • Facebook等のSNSで発信するなら、タイムリー・コンテンツ
  • Google等の検索エンジンを意識するなら、ユニバーサル・コンテンツ
が向いているようです。

どちらへ向けたタイトル(titleタグ)にするか?は重要

で、たとえば、Facebook等のSNSへ発信したコンテンツは、

仲間内に読まれやすい反面、検索されにくい

といったメリット・デメリットがありますので、読む人(fbユーザー)の

感情(喜怒哀楽)に訴えるほうが興味を引きます

(たとえば、

  • 「強みは○○○」よりも、「スゲーうらやましい○○○」
  • 「弱みは○○○」よりも、「○○○に、怒りのダメ出し」

のタイトルほうが興味を引きます)

(念のために補足しますと、facebookのSEOは優秀につき、検索エンジンの上位に表示されますが、

ユーザー個々が、検索されないようにブロックできますから、

自身のプロフィール等が一般公開されないように非公開設定しているユーザーは少なくないようです)

一方、Google等の検索エンジンを意識したコンテンツは、

検索上位に入れば良し、上位に入らなければ誰にも読まれない

というメリット・デメリットがありますので、徹頭徹尾、

ロボット(SEO)を意識

する必要があります。

(ロボットを意識するといっても、読むのは人間ですから、支離滅裂な文章では、本末転倒になります)

もちろん、両方を狙うに越したことはありませんが、いずれも一長一短ですね。バランスの問題。

ところで、メルマガの発行者ならば経験おありだと思いますが

・渾身のメルマガ

がウケずに、

・肩の力を抜いて書いたメルマガ

が、ナゼかしら、ウケることがあります。

まったく、何がウケるか分かりましぇん ┐(´o`)┌

だったら、クオリティを高めるべく、毎回、乾坤一擲のメルマガを書くよりも、

継続は力なり

で、SNSにしろ、ブログにしろ、発信し続ける粘着力、粘り強さを最優先したほうが良いでしょう。


3.コンテンツマーケティングに欠かせないマネタイズとフリーミアム

さて、Web上で強い影響力を持つ個人(インフルエンサー)の知り合いも増えたし、

検索エンジン対策に配慮して、訪問者の悩みを解決する、あるいは欲求を満たすコンテンツも出来たとしましょう。

  1. 紹介
  2. 解決
  3. SEO

の順で万全でしたら、間違いなく訪問者数は増えます。

ところが!それだけではコンテンツマーケティングになりません。

訪問者から、

「あー、おもしろかった」

と、

高い評価を得たところで、一円にもならない

からです。

直接と間接に分けて考えてみましょう。

間接的に、プレゼント等の着地(ランディング)ページへ誘導するためのコンテンツマーケティングならば、

どのページへ着地(ランディング)させるか

で結果が変わりますので、ランディングからコンバージョンへの道筋を設計、あるいは、再検証することになります。


一方、直接、ビジネスのページへ誘導するためのコンテンツマーケティングならば、

マネタイズ(収益化)

が必要不可欠です。

いずれの計画性もないコンテンツマーケティングは、趣味でしたら構いませんが、

ビジネスならば、フリーミアム(※1)で疑似客を獲得し、マネタイズ(※2) で収益が上がるように設計しておかなければ、商売になりません。

(※1)フリーミアム

基本的なサービスは無料にして集客し、より高度なサービスは有料にして収益を上げるビジネス モデル。フリー(free/無料)とプレミアム(premium/割増)の合成語。無料メールマガジンが典型的。成功企業の例は、クックパッド。Amebaピグ。LINEスタンプ。阿里巴巴集団


(※2)マネタイズ

無料のサービスに課金して、収益を生み出すビジネスモデル。

現在のマネタイズは、基本的に、5つで(筆者分析)

  1. 無償コンテンツの有料化(新聞、有料メルマガetc.)
  2. 広告収入(リスティング広告、リマーケティング広告etc.)
  3. 電子商取引(ダウンロード販売、ネット通販etc.)
  4. 会員制・会費制(eラーニング、レンタルサーバetc.)
  5. 寄付(Wikipedia、TinyURL etc.)
です。こちらに76通りのマネタイズが載っていますので参考にしてみて下さい。かいつまむと、

54.Publish physical books of your digital content

は「メルマガが本になった」という類いの、15年前からあるマネタイズです。


マネタイズは、コンテンツマーケティングに限らず、ペイウォール(課金の壁) を、どう突破するか?

インターネットで商売するならば、存亡を賭けた作戦になるといっていいでしょう。


4.コンテンツマーケティングは効果があるか?76.3%が「効果的」と回答

ところで、コンテンツマーケティングとやらは、効果があるのでしょうか?

株式会社エコンテhttp://econte.co.jp/resource/cmreport2015/の調査によりますと、

コンテンツマーケティングに取り組んでいる調査対象600社の76.3%が「効果的」だと感じていて、

[質問]コンテンツマーケティングは効果的ですか?

  1. 効果的 76.3%
  2. どちらともいえない 19.5%
  3. 効果的ではない 4.2%

だそうで、どうして効果的かというと、

[質問]評価基準は?

  1. 顧客獲得数 40.7%
  2. サイトのトラフィック 35.7%
  3. 売上 34.7%

このように、

「お客さんが増えた」という評価が第一位

で、 6%差で、

「売上が増えた」が三位

になっています。わかりやすいですね(笑)

一位の顧客獲得数が、新規を指すのか、リピートを指すのか、休眠を指すのか、わかりませんが、

調査対象600社のうちの457.8社(76.3%で割り切れずに小数点が付くのは無回答を含むから?)が、

お客さんを増やしたり、売上を伸ばしている

ようです。うらやましいですね(笑)

そうした効果があったメディアは、facebookと、ブログが多いようで、

[質問]コンテンツマーケティングのメディアは?

  1. SNS 62.3%
  2. ブログ 56.8%
  3. リサーチ 32.2%
  4. メルマガ 31.0%
  5. 動画 27.8%

[質問]効果があったSNSのプラットフォームは?

  1. facebook 59.2%
  2. Twitter 37.8%
  3. LINE 25.3%
  4. YouTube 20.0%
と圧倒的に facebook 強し。それもそのはず、facebookは、基本的に実名ですので、

価値観を共有

しやすいメディアで、たとえば、

  • 出身地や居住地
  • 勤務先や出身校
  • 趣味や嗜好
ごとに共同体意識を育みやすく、仮想共同体(Webコミュニティ)の誰かが、

「これ、いいんじゃない?」

と発言すれば、その発信は友好関係に基づいているため、

  • 「どれどれ?」
  • 「あ、本当だ」
  • 「いいね」
と集い、価値観を共有します(ただし、そのコミュニティにおける発信者の立場によりけり)


そうした理由により、facebook発のコンテンツは、第二弾『コンテンツマーケティングを成功させる三本の矢→紹介→解決→SEO』で引用しました顧客十戒のように、

民族大移動のような爆発力

を期待できます。facebookで、インフルエンサー(影響力を持つfbユーザー)が、


「このコンテンツ、いいんじゃない?」

と発言すれば、

  • 「どれどれ?」
  • 「あ、本当だ」
  • 「いいね」

と集い、価値観を共有した証として、いいねボタンを押し、それが廻りまわってSEOにもなるわけです。


[質問]効果があったメディアは?

  1. SNS 49.2%
  2. ブログ 40.5%
  3. リサーチ 18.0%
  4. メルマガ 17.0%
  5. 動画 16.8%

一方のブログは、不特定多数 vs ブロガーですから、

facebookのように、ユーザー同士の水平展開ではなく、

よくありがちなファンクラブのように、

ブロガーを頂点にした垂直展開

でコンテンツは落下します。落ちるイメージですね。広がるイメージのfacebookに対し。


つまり、facebookが、知人や友人とコミュニケートする施策に対し、ブログは、ファンを増やす施策になります。

知人を作るのと、ファンを作るのでは、やること(戦術)が異なりますからね。


まとめますと、facebookユーザーは、コンテンツマーケティングを行う上で優位にありますので、

fb内のWebコミュニティ(価値観を共有するfbユーザー)を想定

してコンテンツを作るほうが、訪問者は増えるでしょう。facebookユーザー同士は、訪ね 訪ねられ易いというわけです。

一方、facebookアカウントを持っていない(筆者のような)ユーザーは、

SNSを使ったコンテンツマーケティングに不利

ですから、

検索結果(ネットユーザー)を想定して

コンテンツを作るほうが、訪問者は増えるでしょう。


もちろん、両方を狙うのもアリですが、facebookの人脈を充実させつつも、検索を意識したコンテンツにするには、組織的な取り組み(か、アウトソースのマネジメント)が必要になります。

平たくいえば「手間ヒマかかりますよ」ということです、コンテンツマーケティングは。


5.【結論】コンテンツマーケティングは、顧客を増やし、売上を伸ばす

件の調査結果を見る限り、
  1. コンテンツマーケティングは効果があり
  2. 特に、facebookやブログが有効で
  3. 顧客数や、売上を増やす効果がある

ということが分かります。まとめますと、

お客さんを増やしたかったら、コンテンツマーケティング、やりましょうね~

ということと、

売上を伸ばしたかったら、コンテンツマーケティング、やりましょうね~

ということ(以上の2行が結論)です。


最後に、調査レポートを引用させて頂いたエコンテさんと筆者は、縁もゆかりもありませんが、

もしも、コンテンツマーケティングを外注するとしたら、

コンテンツマーケティングの名に相応しく、ちゃんとマーケティングリサーチできるエコンテさんのようなところ(定量調査の実績は一万件以上!)へ、筆者ならば依頼したいものです。

コンテンツマーケティングだけに、マーケティングできるところじゃないと、ね f(^_^;

[付記]

エコンテさんのサイトではエディトリアルカレンダーを無料ダウンロードできますので、 コンテンツマーケティングの実務に携わる皆様は、ダウンロードしておいて損はないと思いますよ。

こういうところ(コンテンツの無料ダウンロード)も、さすがに、しっかりコンテンツマーケティングしていますね。

コンテンツマーケティングの戦術に、無料ダウンロードは必須ですから。


【シリーズ】コンテンツマーケティング  [完]


【シリーズ第1弾】インバウンド・マーケティングとコンテンツ・マーケティングの違い

http://www.insightnow.jp/article/content1

【シリーズ第2弾】コンテンツマーケティングを成功させる三本の矢→紹介→解決→SEO

http://www.insightnow.jp/article/content3

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