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サービス品質向上の6つのポイント(3) 【連載サービスサイエンス:第15回】/松井 拓己

INSIGHT NOW! / 2016年2月25日 0時0分

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松井 拓己 / .

前回までに、サービス品質向上のために、サービス品質を6つの要素に分解して、より具体的に議論や取り組みを進めることの重要性が分かりました。また、お客様からの評価を分解してみたところ、サービスの成果に対する評価とプロセスに対する評価の2つに分解できることも分かりました。そこで今回は、これらを組み合わせて、お客様からの評価を高めるためのサービス品質向上の取り組み方について考えてみたいと思います。

サービス品質向上とサービスの評価

サービス品質の6つの要素が、サービスの成果の評価とプロセスの評価のどちらに影響を与えるのかを捉えてみると、以下のことが分かります。

・「正確性」「迅速性」は、サービスの成果の評価に影響を与える

・「好印象」「安心感」は、サービスのプロセスの評価に影響を与える

・「共感性」「柔軟性」は、サービスの成果とプロセスの両方に影響を与える

また、多くの企業は「正確性」「迅速性」「好印象」を高める努力はしていますが、「共感性」や「柔軟性」「安心感」を高める努力は現場や個人任せになっていて、組織的に取り組めていないところが多いようです。

たとえば、アフターサービスやITサービスでは、正確性や迅速性はもちろん重要ですが、どこの企業もここには力を入れています。お客様にしてみれば、「正確で迅速なサービスをしてくれるのは当たり前でしょ」と思われています。つまり、サービス品質で他社に差をつけようと思ったら、正確で迅速なサービスを磨くだけではダメで、「共感性」「柔軟性」「安心感」を磨き上げて、サービスプロセスの評価を高めることが大切になりそうです。


サービス品質向上に向けて

このように、普段どのサービス品質に力点を置いてサービスを提供しているのかを明らかにしてみます。その上で、「これから向上させようとしているサービス品質」と「お客様にとって価値あるサービス品質」の間にギャップがある場合は要注意です。もしかすると「良いサービスは喜ばれるに決まっている」と決めつけて、提供者都合なサービスを一方的にお客様に押し付けてしまっているかもしれません。「サービスはお客様と一緒に作るもの」。勝手に作ったサービスではお客様に喜んでいただくことはできません。お客様にとって価値のあるサービス品質向上とはどんなものなのか、それをハッキリさせなければならないのです。

そのためにも、まずはサービス品質の6つの要素のそれぞれを高めるために、具体的にどんなことをしたら良いのかを一通り議論してみると良いと思います。やってみると、次から次に、多くの施策が見えてきます。その中で、お客様にとって価値のある施策は何かをチェックしてみてください。これまで努力してきたことがお客様にとって価値になっているかどうか。普段意識が薄いところはどこか。など、実に様々な気付きが得られると思います。

このように、少しロジカルにサービス品質を理解するだけで、努力するべきポイントが格段に具体化できます。これにより、現場の「納得感」が高まり、サービス品質向上活動の歯車が回り始めます。これまで、サービス品質向上の取り組みに納得感が薄かったり、ベクトルがなかなか合わせられずに苦戦していたら、是非少しだけでもロジカルにサービス品質を捉えなおしてみていただけると効果的だと思います。

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