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今さら獣医師に聞けないシリーズ:春の予防~ノミ・マダニ編~/武田 真優子

INSIGHT NOW! / 2016年4月18日 7時0分

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武田 真優子 / つむぎペットケア

ペットと暮らしているみなさんは、どこかで「外部寄生虫」という言葉を聞いたことがあるかと思います。ノミやマダニは、体の外に着くので、「外部寄生虫」と呼ばれます。


■外部があるなら、内部寄生虫ってあるの?

はい、あります。例えば、次回お話しする「フィラリア症」はまさに内部寄生虫です。他には、小学生の時に検査をした「ギョウ虫」も内部寄生虫ですね。


■そもそも、寄生虫ってなに?

寄生虫は、決まった動物種の体をこっそり借り、ひっそりと生きている虫たちのことです。「宿主特異性」といって、たいていの場合、「その動物の体の中でしか正常に成長できません」。虫なので、脱皮をして大きくなるわけですが、その間に「宿主」が変わることはあります。

「宿主」が変わることの有名な例は、今では都心部では見ることがなくなった「マンソン裂頭条虫」がいます。彼らは苦難な道を経て、成長してゆきます。


ケンミジンコ→オタマジャクシ(成長してカエル)→ヘビ→ネコ と「宿主」が変わるのです。ヘビ→ネコがかなり無茶にみえますが、これが東京でも青梅のほうにいくとまだいるのです。もともとネコはヘビを食べるということですね。


■ノミ・マダニってどんな外部寄生虫なの?

ノミもマダニも、動物の血を吸って栄養にし、卵を産みます。

ノミは、ペットに感染するノミはほとんどが「ネコノミ」です。ものすごいスピードで動物の体を動き回り、そして跳ねます。その跳ね方体調の60倍にも及びます。運良く捕まえられたとても、決してつぶしてなりません。ノミの卵が飛び散ります…。ノミを見つけたら、まずはかかりつけの獣医師にご相談ください。

マダニがペットの体に付くと、ぱっと見た目が おできのように見えます。しかし、よく見ると、「あれ?足がある…?」とぎょっとなります。マダニは十分に血を吸うと、自ら地面に落下します。ノミと同様、マダニを見つけても、無理に引っ張ることは避けてください。「くちばし」が残り、そこから炎症が広がることがあります。


■ノミ・マダニは別の病気を運ぶことがある

ノミは、瓜実条虫という、みなさんが聞いたことがある名前だとサナダムシですが、この内部寄生虫を運ぶことがあります。瓜実条虫がいたら、ノミがいないかもチェックすることをお勧めします。マダニには刺されることで、近年話題になった「重症性血小板減少症候群(SFTS)」 や「ライム病」に感染することがあります。

寄生虫は「宿主特異性」といって、寄生する相手が決まっているものですが、間違って宿主でないところに入ってしまうこともあります。人畜共通感染症といって、ペットとヒトの間で共通する病気もありますから、ペットとの過剰なスキンシップは避けることをお勧めします。また、触れたあとは手を洗うなど、衛生面にもお気をつけください。(ちなみにですが、記者は左手首とうなじの2カ所、真菌に感染されたことがあります。知り合いでは、マイコプラズマ肺炎、ネコ引っ掻き病を発病した方がいます。)


■予防薬は、さまざまな種類や形がある


外部寄生虫は虫なので、平均気温がおよそ13℃で活動を始めます。4月も中旬のこの時期はかなり気温が高くなってきます。まだ予防されていない方は、できるだけ早く始められることをお勧めします。

この数年、われわれ獣医療者も混乱するくらいに、さまざまなタイプの薬が出てきています。首の後ろに垂らす液体タイプ、錠剤タイプ、チュアブルタイプ。どのタイプがよいかは、その子によります。嗜好性、アレルギーなども関連してきます。ご自身で判断されずに、ぜひ、獣医師に相談ください。



次回も引き続き、今さら獣医師に聞けないシリーズとして、「フィラリアの検査」についてお伝えします。

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