ハードとしての完成度はピカイチだがソフト面での充実が足りないNVIDIAのSHIELDタブレット【デジ通】
ITライフハック / 2014年10月15日 13時0分
「NVIDIAのゲーム向けSHIELDタブレットが日本で正式発表」でも紹介したが日本で待望のNVIDIAのSHIELDデバイスが発売された。出荷が10月10日よりということで、筆者の手元にも届いたのでさっそく使ってみた。
本製品ならではと思えるメリットもいくつかあり、総合的には購入する価値がある魅力的な製品と感じられた。しかし、期待外れだった部分もいくつかあった。特にゲーム関連機能で筆者が購入する前から言われていたことではあるが、実機を実際に触れてみて実感できた本製品のマイナスポイントをあえて紹介したい。
■SHIELD用(対応)のゲームが少ない
SHIELDの特徴は、ゲーム機に位置づけられるため当然のことだがゲーム関連機能が強化されていることだ。SHIELDタブレットには「Trine 2」というゲームがプリインストールされているし、「Half-Life 2」や「Portal」といったSHIELD用に提供されるゲームもPlayストアから購入できる。
そしてSHIELD専用ではないものの専用コントローラーの操作に対応しているゲームは多い。これらのゲームの多くは、タブレットの画面上で操作するよりも専用コントローラーで手軽に遊ぶことができる。ただ、Android端末向けのゲームに比べると、SHIELD専用にカスタマイズされたアプリが圧倒的に少ないのが現状だ。専用コントローラーも一般的に販売されているBluetooth対応ゲームコントローラが利用できるわけで、より低価格なAndroidタブレットとBluetooth対応ゲームコントローラの組み合わせではなく4万円台後半~5万円という値段のSHIELDを選ぶ理由としては厳しいと言わざるを得ないだろう。
■GameStream機能は使い方次第だが
SHIELDならではの機能としては、PC用のゲームをSHIELDにストリーミング配信してプレイできるGameStreamという機能を紹介したかと思う。PC用のゲームをSHIELDの画面で操作して楽しめる機能で、SHIELDからHDMI出力で大画面テレビに表示し、別の部屋に置いてあるPCゲームをリビングで楽しむことも可能になっている。
これ、ゲームを普通に遊べるが、文字通りPCのゲームを遠隔操作しているだけだ。ゲーム選択から起動まではSHIELDの専用メニューから手軽にできる。その後は通常のPCでの操作と同じだ。ゲームを起動後、Webブラウザ経由でログインするようなゲームもタブレット上でブラウザ画面が表示されるので、ここでログイン操作をしなければゲームを開始することができない。
SHIELDタブレット用コントローラーはこのような操作にも対応できるようになっているが、PCならハードウェアキーボードでログイン操作を行い、コントローラーに持ち替えて遊べばいいがソフトウェアキーでログイン操作を行うといったことが必要になるので遊びやすさという点ではイマイチだ。SHIELD操作時には自動的にログイン処理を行ってくれるなどの設定が行えるとよかったのにと思う。
また、PC自体のスペックにも影響するが、起動が遅いゲームも多く起動まで長時間待たされる。専用ゲーム機のような手軽さが感じられないのが非常に残念だ。
またグラフィックの品質はPCの画面が基本的にそのまま表示され、操作の遅延等も個人的には気にならないレベルではある。しかし、タブレットの画面を見て遊ぶ場合、15インチ以上のディスプレイ、場合によっては40インチ以上のディスプレイで遊ぶようなPCゲームを8インチの小さな画面で遊ぶわけで、画面が小さすぎるという欠点がある。5インチのSHIELDポータブルならさらに厳しいだろう。ソファに寝転がりながら、PCゲームをタブレットで進めるというような使い方はおススメできない。
ただ、専用コントローラーは4台まで接続できるので、HDMIで大画面テレビに接続して大勢で遊ぶような場合にしかGameStreamは役に立たないと見ていいだろう。SHIELDタブレットのディスプレイで遊ぶ場合、Android向けゲームを選ぶのが現実的だということを再確認させられた。
実は、こうしたことは、本体を購入する前から予想がつくことであった。しばらく実機で遊んでみたら、それがよくわかったというだけのことではある。しかし、こうしたことは改善できることであり、今後解消されていくと思われる。もちろんSHIELDタブレットならでは!と言える部分もあるので、それについてはおいおい紹介していく予定だ。
上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]
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