ドワンゴが最新の動画コーデック「H.265/HEVC」をニコ生で活用し”tmt”解消へ【デジ通】

ITライフハック / 2014年11月25日 13時0分

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先日「ドワンゴとNTTの協業第二弾が始動、より快適にニコニコ動画が視聴可能に」という記事で予告したように、現在と比較して同レベルの画質を持つ動画を約半分のデータ量で実現できるH.265/HEVCに関してのレポートだ。

動画はデータ量が大きいため、現在一般的に使われているフルHD用の動画圧縮規格で4K動画を配信すると、データ量が大きくなりすぎてしまう。このため同レベルの画質を持つ動画を約半分のデータ量で実現できるH.265/HEVCという最新の動画圧縮規格が注目されていて、4K放送や配信で利用しようと各社が関連機器やソフトを開発中だ。

しかし、H.265は処理のための計算が従来よりもはるかに多くなるため、一般的なパソコンでこれを利用するのは難しい。このまだ利用が難しいH.265/HEVCを、ニコニコ生放送のライブ配信で活用する共同実験を、ドワンゴとNTTが開始している。

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先述したようにH.265/HEVCが抱えている問題は、これを使ってデータ圧縮するための計算量が従来よりも多くなることだ。このため現在のパソコンではエンコードに時間がかかりすぎるため利用が難しい。よほどのハイスぺ環境でない限り、ライブ配信には使えない。

H.264/AVCでもエンコードで負荷が高いという同じような問題があるが、現在ではハードウェアによる支援機能により、普通のスペックを持つパソコンでも実用上の範囲内で利用できるようになってきた。H.265/HEVCでも、同じようにハードウェア支援機能を使えば良いと思うのが普通だが、実はパソコン向けのH.265/HEVCの支援機能は現在開発中で実機に搭載されるようになるのは、2016年前後になると言われいる。

ところがニコニコ動画では、現在難しいH.265/HEVCをニコニコ生放送のライブで実現しようとしている。そしてこれを実現するためにNTTが開発したH.265/HEVCの圧縮エンジンを採用、ニコニコ生放送で使う実証実験を開始する。この圧縮エンジンを使うことで、VGAサイズの動画を普通のスペックを持つパソコン1台で、H.265/HEVCへリアルタイム圧縮できるという。

ニコニコ生放送用のVGAエンコードでCore i7での負荷は100%に近い

ニコニコ生放送用のVGAエンコードでCore i7での負荷は100%に近い

H.265の再生時のCore i7のCPU負荷は10%程度

H.265の再生時のCore i7のCPU負荷は10%程度

問題は、再生側の環境だが、H.265/HEVCの再生にはそれほど負荷がかからないため、現在一般的な環境なら問題なく視聴できる見込みだ。現在各社は、4K用にH.265/HEVCを活用することを目指しているが、ニコニコ動画では現行の解像度でもH.265/HEVCを使うことで転送量を軽減、サーバーの負荷を減らし、ニコニコ動画の快適な視聴環境構築を目指す。ニコニコ生放送でも、混雑時にサーバー側のデータ転送量が追い付かずに動画が停止してしまう「tmt(とまと)」が発生することがあるが、H.265/HEVCの活用でこれが解消する日が来るかもしれない。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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