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沖縄の観光産業が復調へ オリオンホテルが描く“反転攻勢”の戦略とは?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月13日 13時34分

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オリオンホテル社長の柳内和子氏

 新型コロナウイルスによって“どん底”を味わった沖縄の観光産業が復調しつつある。

 沖縄県が公表する「沖縄県入域観光客統計概況」によると、2023年の観光客数は823万5100人と、対前年比で44.5%増となった。24年はクルーズ船などでやってくる外国人観光客数の増加が見込まれるため、コロナ禍前から進んでいたホテルの建設・開業ラッシュにも一層の弾みがつくことだろう。

 このように沖縄の観光マーケットが活況を呈する中、反転攻勢の構えを見せる企業がある。オリオングループのオリオンホテルだ。

 オリオンホテルは現在、沖縄本島北部の本部町にあるリゾートホテル「ホテル オリオン モトブ リゾート&スパ」と、昨年11月20日にリニューアルオープンした那覇市のシティホテル「オリオンホテル 那覇」の2施設を運営する。前者については、客室稼働率(OCC)がコロナ禍前の水準に戻り、客室平均単価(ADR)は現時点でコロナ禍前を5000~6000円ほど超えている。

 オリオンホテルのビジネス現況などについて、同社社長の柳内和子氏と、親会社であるオリオンビール社長兼CEOの村野一氏をインタビューした。

●従業員を雇い止めることなく、コロナ禍を乗り切ったグループ力

 ホテル オリオン モトブ リゾート&スパの高層階客室――。

 窓の外に目をやると、眼下には青い海が一面に広がり、正面には伊江島が浮かぶ。「伊江島タッチュー」と呼ばれる特徴的な形の岩山がはっきりと見える近距離だ。さらには県内随一の観光名所「沖縄美ら海水族館」もホテルに隣接する。

 これだけの好立地にあるリゾートホテルは他にはないと村野氏は胸を張る。実はこの場所を手に入れることができたのは、“棚ぼた”だったという。

 「当時、土地の再利用に困った本部町から『何とかならないか?』と要請がありました。オリオンビールがホテルを作りたいからと、ウロウロと探し歩いて買った土地ではないのです」と村野氏は経緯を語る。

 もともと、この場所には1975年から76年にかけて開催された「沖縄国際海洋博覧会」と同時に作られた遊園地「沖縄エキスポランド」があった。ところが、長らく利用者の低迷が続いた結果、2000年3月に閉園。その後、02年に本部町が跡地を購入したものの、利活用に悩んだ中で頼った先がオリオンビールだった。

 オリオンビールは1975年に那覇市で開業した都市型ホテルを保有していたが、リゾートタイプのホテルは初めてだった。満を持して新たな挑戦を進め、2014年にホテル オリオン モトブ リゾート&スパをオープン。客室238、全室オーシャンビューという豪華絢爛なホテルが完成した。

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