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今さら聞けない「PPAP」のリスクと、今すぐできるセキュリティ対策

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年3月29日 6時30分

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対策に本腰を入れて取り組む必要がある(画像はイメージ)

 唐突ですが、日々の業務でデータをどのように送信していますか? 多くの場合は「(1)ファイルをそのまま添付して送信」「(2)パスワード付きZIPファイルをメールで送信後、別のメールでパスワードを送信」「(3)無料のファイルアップロード転送サービスで送信」の3パターンではないでしょうか。

 これらの送信方法は、全てセキュリティが盤石とはいえません。ウイルス感染や情報漏洩(ろうえい)のリスクを抱えているのです。2つ目に記載したパスワード付きZIPファイルの送信を用いている企業も多く「なぜこれが危険なの?」と思う方も多いかもしれません。しかしこの方式は「PPAP」と呼ばれており、2020年11月にデジタル改革担当相が中央省庁や内閣府・内閣官房で利用を廃止すると発表しています。

 廃止の理由は「セキュリティ対策や受け取り側の利便性の観点から適切ではない」からだとされています。日立製作所やNTTデータ、伊藤忠テクノソリューションズなどの大手企業でも「脱PPAP」を表明する企業が増えています。

 そもそもPPAPとは

P:パスワード(Password)付きZIPファイルをメールで送る

P:パスワード(Password)を別のメールで送る

A:暗号化 (Angou)

P:プロトコル(Protocol)

の頭文字を取った呼称です。PPAPのリスクやデメリットとして「メール内容が漏洩する可能性」「ZIPの暗号強度がぜい弱」「ウイルスチェックが不完全」「送信側・受信側の業務負担が大きい」という4点が挙げられます。

 PPAPは、セキュリティ業界ではもう聞き飽きるほどのキーワードである一方、その他の業界では中小企業を含め、まだ認識していない企業が多いのも事実です。

●情報漏洩は増加中 23年は前年比で約7倍に

 昨今はサイバーセキュリティサービスも進化し、企業の意識も向上していることから、データ漏洩の事故は減っていると思いがちです。しかし、東京商工リサーチの調査結果によると増加の一途をたどっています。23年の漏洩・紛失事故件数は、18年対比で2倍超の175件にものぼっているのです。さらに個人情報の漏洩は、22年から約7倍の4090万8718人と大幅に増加しています。

 日本ビジネスメール協会が23年に発表した調査結果では、1日に1人が送信するメールの平均件数は15.24通です。また、ファイルを送る手法は「ファイル添付」が93.45%という結果も出ています。日々の業務で全従業員がメールをしている回数分、リスクが存在していると思うとゾッとする実態です。これはもはや、他人事が自分事になる日も近いということです。

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