三井住友カードのクレカ投信積立で“大改悪” 5大ポイント経済圏の最新動向
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年3月29日 8時40分
「5大ポイント経済圏」勢力を伸ばしているのは、どこ?
いまや、企業が発行するポイントは2.5兆円規模に達し、消費活動に欠かせないものになってきた。「ポイ活」と呼ばれるように、ユーザー側はポイントの多寡を意識して決済方法や購入店舗を決めている。一方企業側は、さまざまなサービスをポイントを軸に連携させ「ポイント経済圏」を作り、囲い込みを進めている。
そしてポイントは複数の金融サービスにまたがり、また自社グループ以外でも利用できる、いわゆる「共通ポイント」が急速に勢力を増している。楽天グループが発行する「楽天ポイント」、NTTドコモが発行する「dポイント」、KDDIグループがかかわる「Pontaポイント」、ソフトバンクグループがかかわる「PayPayポイント」、そして三井住友グループが進める「Vポイント」だ。
これら「5大ポイント経済圏」は、さまざまなサービスを取り込み、ポイントと連携して変化を続けている。この企画では、5大ポイントの現状をリアルタイムで追うとともに、大きな変化をもたらすトピックをチェックしていこうと思う。
●三井住友カードのクレカ投信積立で大改悪
直近、ポイント関係の改悪として話題になったのが、SBI証券のクレジットカード積立における三井住友カードの還元率の変更だ。これまでクレカ積立額の5%を還元するという大盤振る舞いを続けてきたが、この秋から還元率を最大3%に下げる。その3%についても、年間カード利用額500万円以上という制限が新たに付いたのだ。
ポイントは大盤振る舞いの付与を行うこともあれば、一気に蛇口を絞って「改悪」と騒がれることもある。これはポイントがマーケティングツールの一貫である以上、避けられないことだ。とはいえ、これによりクレカ積立の勢力図が大きく変化する可能性がある。その背景をひも解いてみよう。
証券各社はクレカ積立とその還元率をウリに、ポイ活ユーザーの投資信託積立を増やしてきた。もともとこの手法で大きく顧客数と投信積立額を伸ばしたのは楽天証券で、楽天カードを使って積み立てると1%を楽天ポイントで還元することで業界トップの投信積立残高へと躍進した。
しかし「1%も還元しては赤字でもたない」とついに宣言し、2022年秋に人気投信において還元率を0.2%まで下げた。この機を逃さなかったのが、競合ネット証券各社だ。SBI証券、マネックス証券、auカブコム証券はそれぞれクレカ積立をスタート。楽天証券の改悪で離れたユーザーの獲得に動いた。
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