「アジアでBEV出遅れ」は好機になる? 日本車が再び選ばれるようになる理由
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月11日 8時40分
日本車が再び選ばれるようになる、これだけの理由
タイでは日本車ディーラーから中国車、韓国車のブランドへくら替えをする現地ディーラーが続出しているらしい。それを「日本車メーカーの危機」と報道する記事も見かける。だが、そもそも日本車が圧倒的なシェア(およそ9割)を握る状態であったから、これまでがいささか異常だった、という見方もできる。
これまで安泰だった状態が崩されていきそうなので危機感を訴えている、というのも分からないではないが、時が流れれば変化は起きる。中国、韓国のBEV(バッテリー式電気自動車)が高級感と性能を兼ね備えてくると、興味が湧くアーリーアダプターが出現するものだ。
そのため、しばらくはタイの自動車市場で、日本車のシェアは中韓BEVに奪われていくだろう。しかしそれは一部、それも一時的にとどまるに過ぎないと思われる。その根拠をこれから説明しよう。
●ポルシェですらBEVのバッテリーにはリスクがある
ポルシェといえばドイツの高性能スポーツカーメーカー、いや、今やプレミアムブランドとしてSUVまでも生産する高級自動車メーカーである。
そのポルシェのBEVが2022年、海上輸送の最中に火災事故を起こし車両運搬船を沈没させた。現在、海運会社である商船三井と裁判中である。
かつてポルシェはバッテリーセルのシーリング不良でリコールを起こしたことがあり、あの船舶火災事故も同様の原因である可能性が高い。
ポルシェを含めたフォルクスワーゲン(VW)グループのBEVに採用されているのは、現在はドイツ製のリチウムイオンバッテリーだが、当初は韓国のLG製も使われていた。このLG製のバッテリーはゼネラル・モーターズ(GM)や現代自動車も採用しており、これまでに起こった火災事故の発火原因である可能性が高いと報告されている。
VWグループは結局、バッテリーの品質を高めなければBEVを安心して買ってもらうことができず、自社工場を続々と建設してきたが、その間に中国から安いBEVがどんどん持ち込まれて、BEVの販売が落ち込んでいる。
さらにドイツではBEVに対する補助金が1年前倒しで打ち切られるなど、踏んだり蹴ったりの状況といえそうだ。
現在のところ、BEVの船舶輸送に関しては制限が課せられるところも増えてきた。これを解決しない限り、BEVの販売台数を大幅に増やすことは物理的にも難しくなっている。
中国の一帯一路構想が不発に終わりそうであるから、海上輸送は中国から欧州にBEVを輸送する手段としても欠かせない。今後はどうやって欧州へBEVを運ぶのかも課題になってきそうだ。
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