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パワハラ被害者の約4割が「転職した」 勤務先での解決はあきらめた

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月13日 7時34分

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パワハラが理由で転職した人は多い

 総合転職エージェントのワークポート(東京都品川区)は、全国のビジネスパーソン661人を対象に「パワハラ被害の実態」を調査。その結果、65.5%が「パワハラを受けたことがある」と回答した。

 被害内容で最も多いのは「暴言・侮辱(言葉の攻撃)」(78.5%)で、以下「能力の過小評価・成果を認めない」(44.3%)、「過剰・過酷な業務の強制」(37.2%)と続いた。

 同社では22年から継続的にパワハラ被害の実態調査を実施しており、「パワハラを受けたことがあるか」については、22年が66.6%、23年が65.2%。大きな増減傾向は見られず、「パワハラはいまだビジネスパーソンにとって身近な問題であることがうかがえる」(同社)

 被害内容についても過去の調査結果から大きな変化は見られず、これまでも現在も身体的な攻撃より心理的な攻撃を与える陰湿なパワハラが多い傾向が読み取れる。

●泣き寝入りする人も多数

 パワハラを受けた人は、どのように対処しているのだろうか。調査結果を見ると「パワハラへの対処法」で最も多いのは「誰にも相談せず我慢した」(46.4%)で、泣き寝入りする人が多いことが分かった。

 一方で「上司に相談」(31.9%)、「家族・友人に相談」(27.5%)、「同僚に相談」(27.0%)、「相談窓口(部署)に相談」(14.1%)など、上司や同僚、相談窓口のほか、社内に相談した人も一定数いた。

●59.1%が「解決しなかった」

 実際に上記の対処後にどうなったかを聞くと、半数以上の59.1%が「解決しなかった」と回答。「解決した」と答えた人は12.0%という状況が浮き彫りになった。

 「解決しなかった」と回答した人からは「加害者がパワハラをパワハラだと認識していないから」(40代男性、管理系)、「上司に相談したが、言っても直らないから仕方ないと流されたから」(40代女性、事務)、「ハラスメントを訴えたら、ことが大きくなると自身の今後に影響すると言われたから」(40代男性、営業)などの理由が挙げられた。

●パワハラがきっかけの転職も

 パワハラを受けたことがある人に、パワハラが理由で転職した経験があるかを聞いた。「転職した」(38.6%)と「転職を検討した/検討中」(43.9%)を合わせると8割を超えた。前出の設問で「パワハラが解決した」と回答した人は12.1%だったが、勤務先での解決はあきらめ、転職を考える人が多いようだ。

 パワハラがキャリア形成に支障をきたしたかについては、「かなりそう思う」(62.6%)、「ややそう思う」(25.6%)が合わせて88.2%だった。

 同社の転職コンシェルジュ(求職者担当)205人を対象に調査したところ、過半数の60.5%がカウンセリング時にパワハラ被害の相談を受けていることが分かった。過去に寄せられたパワハラ被害例としては、「業務を教えてくれないのに『どうしてできないのか』と怒鳴られた」「子どもを理由に時短勤務をすると嫌味を言われた」「質問をしても無視され、返答してもらえなかった」などがあった。

 調査は3月13~21日、インターネットで実施。対象者はワークポートを利用する全国20~40代のビジネスパーソン男女で、有効回答数は661人。

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