1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

「離れて見てね」を教えてくれる キングジムの「めまもりん」が面白い

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月15日 7時45分

写真

キングジムの近視対策ライト「めまもりん」、特徴は?

 子どもがタブレットで動画を視聴したり勉強したりするのが当たり前になった現在、親にとって特に心配なことは子どもの視力低下。画面に顔を近づけ長時間使い続けていると、近視が進行する恐れがある。そんな使い方をしていたら、親は子どもを注意するものだが、目が行き届かないこともある。

 子どもがタブレット、スマートフォン、携帯ゲーム機といったモバイルデバイスに顔を近づけて使わないよう、顔と画面の距離が近くなったら警告するのが、キングジムの近視対策ライト「めまもりん」である。

 2023年10月に発売した「めまもりん」の特徴は、顔がタブレットなどの画面から約30センチメートル以内に近づくと、LEDライトの点滅とブザーで知らせること。背面のクリップでさまざまなデバイスに取り付けることができるほか、スタンドにより机に置いて使えるようにした。

●親子双方のもやもやを解消

 企画・開発が始まったのは発売の1年ほど前。子どもを持つ社員の声がきっかけになった。開発本部電子文具開発部デジタルプロダクツ課 リーダーの小島沙織さんはこう振り返る。

 「とある社員から、子どもがタブレットで動画を見ているときの困りごとを解決したいという話がありました。子どもが画面に顔を近づけて動画を見ていると、親は『近いよ』といったように注意しますが、何度も注意するのは大変です。子どもも繰り返し注意を受けると、嫌な気持ちになってしまいます。こんな話題が出たことから、親子双方のもやもやを解消する商品として『めまもりん』を企画しました」

 子どもに顔が画面に近いことを言葉以外で伝えつつ、子どもが嫌がるような刺激は避けること。「めまもりん」開発のポイントは、この点に集約された。

 最初に検討したのは、顔と画面の距離が30センチメートルを下回ったらライトがポッと点灯するもの。顔と画面の距離は赤外線距離センサーで測定。赤外線を対象物に反射させ反射光を受光した時の入射角度から対象物との距離を測る。30センチメートルは、公益社団法人日本眼科医会の提唱などを元にした。

 しかし、サンプルをつくり使ってみたところ、画面に気を取られた状態ではなかなか気づかないことが分かったことから、点滅させることにした。

 同時にブザーも鳴らすことにしたのは、小島さんの上長のアイデアだった。採用の経緯を次のように振り返る。

 「LEDライトの点滅は子どもは気づくことができますが、親は離れたところにいると気づくことができません。上長からこのような点を指摘され、LEDライトの点滅と一緒にブザーを鳴らすことにしました」

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください