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アプリ統合で反転攻勢 「楽天ペイ」の“現在地“は? ポイント経済圏の行方

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月23日 13時54分

 楽天ペイによると、ダウンロード数は昨年対比で64%増加した。さらに月間取扱高は76%増加したという。業界平均は37%なので「2倍速で伸長」(楽天ペイの諸伏勇人執行役員CMO)とアピールする。

 PayPayなど他社が大型のキャンペーンを行い一気にユーザーを獲得したのに対し、楽天ペイはそれほどキャンペーンにコストを費やしてこなかった。これは、ほぼゼロから立ち上げなくてはいけなかった他社に対し、すでに楽天ポイントという強力な経済圏があったためでもあるだろう。そして、ちょうど同時期に楽天モバイルの立ち上げが重なり、他社のようには先行投資ができなかったという懐事情もある。

 なかなか攻めに出られないもどかしさもあったものの、2023年12月には初めての単月黒字にもなり、攻勢に出るタイミングが到来したといったところだろう。

 いずれにせよ、PayPayには遅れをとったものの、楽天ペイはおそらく2番手に付けており、良い立ち位置にある。小林社長は「今、相当良いポジションにある。高い成長率を維持している。最終ターゲットとしては1億以上を誇る楽天ID、そして3000万を超える楽天カード、楽天ポイント経済圏に親しんでいる方すべてに使っていただく水準を目指す」と話し、ここからの攻勢をにじませた。

●ポイント経済圏の現況

 5大ポイント経済圏の現況をまとめておこう。前回は矢野経済研究所がまとめた国内ポイント市場規模調査を紹介したが、今回は野村総合研究所の調査から。それによると、2022年の民間ポイント発行額は1兆2342億円で、前年から14%成長したという。

 ここであれ? と思った人は鋭い。楽天ポイントは2022年に約6200億ポイントを発行し、PayPayは6000億ポイントを発行した。この2つだけで1兆2000億円に達している。にもかかわらず、民間ポイント発行額合計が1兆2342億円というのはどういうことか。

 実は2022年には、9548億円にのぼるマイナポイント事業関連のポイントがある。いわゆる行政発行のポイントだ。これらマイナポイント関連のポイントは、楽天ポイントやPayPayポイントといった形でユーザーに配布された。PayPay6000億円、楽天ポイント6200億円にはそれが含まれているというわけだ。

 野村総研によると「2023年度はマイナポイント事業の発行額が6500億円減少する見込み」だという。これが、楽天ポイントの発行額が伸びずに足踏みしている理由であり、PayPayポイントがなかなか発行額過去最高更新の発表がない理由でもあるわけだ。

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