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自分のキャリアに「納得」するために必要なものは?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月4日 7時20分

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「この職場で働き続けることは、果たして自分にとって幸せなのだろうか」と、疑問を覚えたことがある人もいるだろう(画像:ゲッティイメージズより)

 「この職場で働き続けることは、果たして自分にとって幸せなのだろうか」「この仕事を続けることが、自分にとってよいことなのか」――これまで働いてきた中で、こうした気持ちを抱いたことはあるだろうか。

 今の職場に疑問を感じたり、今担当している職種を続けることに不安を抱いたり……。こうした思いをもとに考えを深めていき、異動希望を出したり転職活動をしてみたりして自分の歩みを進めてきた人は少なくはないと思われる。

 私自身もその一人だ。就職氷河期に運よく正社員として働き始めたものの、3年強で最初の転職を経験し、現職のサイボウズにおいても、異動を重ねながら現在までやってきている。それらが正解だったかどうかは外の人が決めるものではなく、自分自身の中にある「納得感」だ。

 冒頭の疑問は、昨今では「キャリア安全性」と言われることが多い。キャリア安全性には「現在の会社で成長し続けられるという自信」「今の仕事を通じて他社でも通用するスキルや経験を詰めている実感」など複数の解釈があるが、今回はリクルートワークス研究所の「自分の現在のキャリアや今後のキャリアが今の職場でどの程度安全でいられるのかを示す尺度」という定義で考えていきたい。

 キャリア安全性が話題になるシーンはさまざまだが、昨今は「若手の早期離職」の文脈で持ち出されることが増えてきたように感じる。若手の早期離職の防止策としてキャリア安全性の担保に目が向けられているわけだが、キャリア安全性は若手に限らず、どの世代・職場においても必要だ。なぜなら冒頭のような疑問は特定の世代に閉じたものではなく、人生のステージが変わる度に考えることだからだ。

 確かに「若手の方が自身のキャリアに疑問を持つ機会は多い」とは言えるかもしれない。

 スキルアップを感じにくかったり、学生時代の友人と比較して疑問や焦りを感じたりすることは、仕事への「不慣れ」が引き起こす状態でもある。そうした若手を年長者としてどうフォローしていけばいいのか。昨今の管理職の大きな課題の一つである。

 若者はなぜ3年で辞めるのか――という本が刊行されたのは2006年で、もう20年近く前のことだ。そう考えると、若手の成長支援は延々と語られ続ける答えのない人事課題だともいえる。

 実は新入社員の離職率は2006年当時から大きく変化しておらず、入社3年以内の離職者はここ25年ずっと3割前後で推移している。今年も新卒の退職がすでに話題にもなっているが、すぐ辞めるとか、3年(以内)で辞めるというのは、実は驚きをもって受け止めるようなものではなく、粛々と必要に応じて対策を考えるのがよいということになる。

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