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ソニー半導体「27歳営業リーダー」の仕事術 なぜストーリー作りを重視するのか

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月6日 11時34分

 ソリューションの提供先として、コンビニ大手のローソンのプロジェクトを任せられることに。小売の分野で大きな仕事をするタイミングとなった。

 「自分たちのソリューションだけでなく、パートナーと初めて一緒に作っていく部分もあり、チャレンジの多い案件でした。どう進めたらよいか分からない部分もありました。提供するプロダクトもイメージセンサーのハードウェア事業ほどマチュア(成熟)ではなく、手探り状態からのスタートでした」

●ローソンに最適ソリューションを提供

 ローソンとはこれまで取引関係や人的なつながりが全くなかった。深山チームはローソンにAITRIOSと、後述するインテリジェントビジョンセンサー「IMX500」を活用したオペレーションの改善提案につなげる試み(店舗DX)を実施した。具体的には、商品棚の陳列状況(商品が適切な位置に並べられているか)を効率的に自動検知。集合陳列や販促POPが適切かといった支援施策が実施されているか否かを可視化した。実証実験は2023年3~8月で終了し、現在も引き続きローソンと話し合いを続けている。

 「単純に品物があるかどうかだけなら、POSデータで把握できます。一方この手法を使うと商品の陳列状況と、販売状況との相関関係を分析できるので、われわれのデバイスで可視化をしていきます。そうすることでローソンが目指している、そのお店としての最適化を実現できるのです。店員が並べた商品が正しく陳列されているかなども、リモートでチェック可能です」

 このほか4月24日にはセブン-イレブンも含めたコンビニに、店内の電子看板の広告効果を測定する視認検知ソリューションを国内500店舗に導入することを発表。AIを搭載したカメラが客の動きを把握し、検知エリアに入った人数や、陳列棚の上などに設置した電子看板広告(サイネージ広告)を見た人数や属性などを計測して可視化する。

 コンビニ以外では大手スーパーやドラッグストアとも商談中だ。センサーを使ったソリューションビジネスはさらに成長しそうである。

●広がるリテールメディア

 最近はコンビニなどの店舗内に大きなスクリーンがある。そこには小売店の自社製品だけでなく、他社の商品広告を動画を使って映し出すことによって、小売店が広告収入を得る「リテールメディア」が普及した。

 ここにソニーのカメラを設置すれば、どのようなお客が、どのCMを振り向いて見てくれたかデータを集めることが可能だ。これを分析することによって消費者がどんな商品に関心を持っているかを解析できるという。

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