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休日に業務連絡「気になるけど返せない」が一番危険? 「つながらない権利」の実現性は

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月8日 7時10分

休日に業務連絡「気になるけど返せない」が一番危険? 「つながらない権利」の実現性は

(写真はイメージ、提供:iStock)

 諸外国ではいわゆる「つながらない権利」、つまり業務時間外にメールや電話などの仕事の連絡を拒否する権利を法制化する動きが広まっている。

 日本はどうかというと、顧客第一主義が根強い上にサービス残業も横行する状態で、「時間外だから」といって上司や顧客からの連絡を無視などできない――そう考える人が多いだろう。

 しかし、仕事のことを気にせずに過ごす時間や休日が、休息の質や仕事の生産性にも影響するという研究結果もある。日本において「つながらない権利」を行使できる社会を実現させるには、どうしたらよいだろうか?

●フランスで「つながらない権利」が実現した背景

 世界の中で「つながらない権利」をいち早く法制化したのはフランスだ。2016年に成立した改正労働法の中に盛り込まれた。

 具体的には、労働者が「つながらない権利」を完全に行使する方法、企業がデジタル機器の利用規制を実施する方法について労使が毎年交渉することと、その実施手続きについて明文化して定めることが義務化された。

 当時、フランスにおける携帯電話の普及率は100%を超えており、職場にいなくても仕事の連絡ができる状態になりつつあった。プライベートな時間が仕事に侵食されてしまうことを防ぐために、職場ごとにルールを作ることを求めたのだと考えられる。

 フランスは「バカンスの国」と呼ばれるほど休むことを大切にする国だ。そのような国が先陣を切り、今ではイタリア、ベルギー、スペインなどのヨーロッパ諸国をはじめ、フィリピンなど各地に「つながらない権利」を保障する国や自治体が出てきている。

●日本では「つながらない権利」があっても使えない?

 「つながらない権利」が法制化された当時のフランス以上に、今の日本では「つながっている」人が多いのではないだろうか。

 2023年9月に連合が行った調査によると、雇用者のうち72.4%が「勤務時間外に部下・同僚・上司から業務上の連絡がくることがある」、44.2%が「勤務時間外に取引先から業務上の連絡がくることがある」と回答している。ほぼ毎日くるという人はそれぞれ10.4%、6.2%だ。

 この質問はあくまで「連絡がくるかどうか」について聞いているので、それに対応しているかどうかは分からない。

 しかし、62.2%の人は「勤務時間外に部下・同僚・上司から業務上の連絡がくるとストレスを感じる」と回答しており、60.7%は「その内容を確認しないと気になってストレスを感じる」と回答していることから、連絡自体をやめてほしいと考えている人も多そうだ。

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