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BTS擁するHYBE発 1.5億DL超“推し活”アプリ「Weverse」がエンタメの常識を覆すワケ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月15日 13時24分

 ムンGMも「グローバルの大手事務所と競争していかないといけませんし、今後のエンタメ業界全体を拡大させていくためには、テクノロジーの力が絶対に必要」だと言い切る。

 HYBEの事業は「レーベル」「ソリューション」「プラットフォーム」の3つが柱だ。そのトライアングルのソリューション内に、AIオーディオ技術を持つSupertoneやゲームを始めとしたインタラクティブメディアを提供するHYBE IMを含めたテック企業を抱えている。

 「各種IPと、IT技術を融合させて、ファンが気軽に使えるアプリなどをどれだけ実装できるか。今後はコンテンツの勝負になると推測しています。つまり、よりよいプラットフォームを作らなければ、グローバルで事業展開することが難しくなるのです」

 その考えを具現化させたのがWeverseということになる。開発には主に2つのきっかけがあったという。

 「1つ目は、コンサート商品の販売会場で暑い中、何時間も並んでいるファンの姿でした。『アーティストをこれだけ愛してもらっているのに、こんなに負担をかけていいのか?』ということです。もう1つは、それまでのビジネスがオフラインを中心とした構成になっている点でした。アーティストの立場としては、ファンがどんなアクションをしているのか、自分のファンはそもそも誰なのかという情報が見えづらいのです。つまり、ファンが何を求めているのかもつかみづらいということです」

 ファンとアーティストの両方のニーズに応えようとした結果が、プラットフォームの開発につながったのだ。

 「データを通じてファンの欲しいものが分かれば(アルバムで自分が作りたい曲を作るのは別として)イベントを企画したり、どんな商品が今のトレンドに合っているのかが理解できたりします。この部分が事業推進における重要なアプローチのひとつだと考えました」

 アプリは使いやすくなければ、継続して使ってもらえない。従ってUIのデザインが重要だ。ただ、ファンの意見を全て取り入れると、機能が増えて使いにくくもなる。2024年3月にマクロミルが発表した調査結果を見ると、Weverse利用者の満足度は87%と高い。一方、不満な点を見ると「使い方が分からない」が48.1%、「機能が多すぎて使えていない」が32.7%だった。

 相反する2つの要素を両立するには、いかにしてUIを作り込めばいのだろうか。ムンGMは、韓国本社には150人規模の各種エンジニアが在籍していることを話す。

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