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BTS擁するHYBE発 1.5億DL超“推し活”アプリ「Weverse」がエンタメの常識を覆すワケ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月15日 13時24分

 「ユーザーの不便さをなるべく解消したいというところから始まっていますので、ユーザーの意見を聞き、改善するのは当たり前です。ただ、いろいろな機能があれば、ややこしくなるのも避けられません。エンジニアや、企画担当などさまざまな担当者と話し合い、改善箇所について慎重に決めていきたいと思います」

●日本で配送センター建設を視野

 日本のアーティストにはいわゆる「ファンクラブ」が昔からある。ある意味、伝統的な形で運営されてきた。他方Wevserseは、デジタル時代のファンの推し活ツールともいえる。業界の慣習が残る日本のエンタメ市場において、Weverseをより浸透させるために、どのような施策を講じていくのか。

 「人間には情緒的なところもありますから、フィジカル的な手法も必要ではあると思います。ただ今後は、デジタル化というトレンドには逆らえません。グローバル共通のプラットフォームとして特化するために、どうバランスよく組み立てられるかを模索しています」

 メディアブリーフィングでは、WEVERSE JAPANとして「決済と物流の強化をしたい」と語っていた。グッズ販売をよりスムーズにしたい意図があるからかと聞くと「その通りです。ファンはコレクション集めに喜びを感じる人が多いのです」と話す。

 「私たち自らがコントロールできる物流システムも一定以上は築いておかなければいけないと考えました。これは、配送事情が発達している日本や韓国だからできることでもあります。より広い範囲の地域にいるファンのニーズに応えるため、希望としては、いつかは日本の倉庫からグローバルに配送できるようになるといいですね」

●他の事務所のアーティストにも使ってもらう努力

 HYBEは3月、大手音楽会社ユニバーサルミュージックグループとグローバル独占流通契約を締結した。ユニバーサル傘下のアーティストが今後、Weverseに参加しても何ら不思議ではない。

 すでにAKB48、BLACKPINKのほか、Conan Gray、eillなどがWeverseにコミュニティーを開設したように、HYBE LABELS以外のアーティストを増やす戦略を取っている。ムンGMは「こちらから、他の事務所やアーティストにアプローチします。将来的に幅広い分野の著名人に参加していただきたいですね」と話す。

 仮に筆者がHYBE LABELS以外のアーティストだとすると「Weverseを使いませんか?」と誘われても、他の事務所発のアプリだから、加入することにちゅうちょするだろう。競合の音楽事務所の不安をふっしょくするのは容易ではなさそうだ。だが、実際にコミュニティーを開設しているアーティストはHYBE LABELS以外のアーティストが90%を占める。

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