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効率追求の落とし穴 「レジなし店舗」が見逃しがちな重要ポイントとは?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月23日 7時35分

 こういった買い物客のサポートをする人がいる店舗と、いない店舗のどちらが魅力的な店舗でしょうか。

 コストだけに目を向けて完全な無人化を目指すのではなく、AIと人がそれぞれの強みをことが重要なのです。

 人がやってきた理由を探ることで、店舗の役割を拡大することができます。AIにできない店舗従業員独自の役割は、来店客の困りごとを手伝うことで、顧客との関係性を深めることにあります。

 一方で、人がやってきた業務の中には、デジタル化しても支障がないものもあります。決済業務そのものは、デジタル化しても支障のない部類だと、数多くのレジなし店舗で購買体験をした筆者は感じます。それらの店の多くでは、上述したようなフレンドリーな接客を通常の店舗よりも高確率で観察できたのです。

 これらの業務をAIやセンサーに任せることで、従業員は顧客との関わりにより注力でき、大きな力を発揮できるようになります。

 AIやセンサーには限界があることも事実です。複雑な状況の判断や、予期せぬトラブルへの対応など、人の柔軟な対応力が求められる場面は数多くあります。今後、レジなし店舗の技術はさらに進化していくことでしょう。それと同時に、人の役割を見直し、AIと人が協調して働く新しい店舗運営のあり方を模索していく必要があると筆者は考えます。

 技術の進歩を取り入れながら、顧客接点における人の役割を再定義していくことが、これからの小売業には求められているのです。

●著者プロフィール:郡司昇(ぐんじ・のぼる)

20代で株式会社を作りドラッグストア経営。大手ココカラファインでドラッグストア・保険調剤薬局の販社統合プロジェクト後、EC事業会社社長として事業の黒字化を達成。同時に、全社顧客戦略であるマーケティング戦略を策定・実行。

現職は小売業のDXにおいての小売業・IT企業双方のアドバイザーとして、顧客体験向上による収益向上を支援。「日本オムニチャネル協会」顧客体験(CX)部会リーダーなどを兼務する。

公式Webサイト:小売業へのIT活用アドバイザー 店舗のICT活用研究所 郡司昇

公式X:@otc_tyouzai、著書:『小売業の本質: 小売業5.0』

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