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「THE MODEL型」の弊害はAI活用にも 米国の営業組織が重要視する「RevOps」とは

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月28日 8時20分

 まずはRevOpsという役割・チームが米国の営業組織で2010年代前半から現在に至るまで重要視されてきた理由をお話します。

 THE MODEL型の従来の組織では、マーケティング・セールス・カスタマーサクセスなどに分割された各部門が、それぞれ顧客ライフサイクルの一部のみに責任を負い、顧客を受け渡していくような構造でした。これは、言い換えれば「全てを割り切る」スタイルです。「管理がしやすい」「PDCAが回しやすい」といった優れた点がある一方で、縦割りによる弊害も発生します。

・データやノウハウが部門ごとにサイロ化(各部門で別々に管理されること)し、チーム間の連携が難しい

・顧客の要望の変化に沿った各フェーズのゴール設定のPDCAが困難

・データの記録が各部門に委ねられ、データが非構造化する

 部門ごとに異なる成果目標を達成するための責任者が存在し、異なるツールの導入や活用が進むことで、それぞれの部門に最適化された形式でデータが蓄積されます。サイロ化した組織では蓄積されるデータの目的も形式も異なるために、部門を超えた統合が非常に難しくなるという実態があります。つまり本来は連続性を持つ顧客体験が、データ上では分断された形式となってしまうのです。

 対策として、グローバル企業では全社横断的な取り組みを進めるために、デジタル基盤の統合や運用を一括管理し、推進する役割としてRevOpsが登場しました。RevOpsは、全社的な業務デザイン(マーケティング、セールス、カスタマーサクセスなどの部門)を連携し、組織全体としての収益成長を実現するためのオペレーション設計・管理を担います。

 RevOpsは顧客ライフサイクルを横断し、マーケティング・セールス・カスタマーサポート(カスタマーサクセス)といった、売り上げの創出・維持拡大に必要なチームを結び付け、組織の縦割りをなくします。

 具体的な役割としては、複数の部門・職位を横断して、企業全体のビジネスプロセスやシステム、データ管理を通じ、顧客とのエンゲージメントの最適化、効率的なリソース配分、収益目標の達成などを実現するための調整役を果たします。

・マーケティングは認知から既存顧客へのアップセルまで、カスタマーライフサイクルの全体に関与。マーケティング施策は、新規ビジネスだけでなく、クロスセル、アップセル、チャーン防止にも影響を及ぼす。

・セールスは、カスタマーライフサイクルの初期から、ソーシャルセリングやセールス主導のアウトバウンドキャンペーンで認知やブランドにも影響を与える。

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