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「THE MODEL型」の弊害はAI活用にも 米国の営業組織が重要視する「RevOps」とは

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月28日 8時20分

 AIの最大の強みは、人間の知的行動を学習・分析し、再現できる点です。その強みを生かし、業務効率化や付加価値の創造につなげるためには学習データが必要になるため、データの蓄積や運用に対する関心が高まっています。

●日本の営業組織では難しい?

 前述のように、米国の成長企業を支えるRevOpsは、日本では一般的にはまだ知られていません。

 “分業型の営業組織が直面する弊害を乗り越えるためのRevOps”という性質を考えると、日本の営業組織では、大手の企業に担当が張り付くアカウント営業や、個店を足で回るルート営業が中心であり、分業型の営業組織がまだ一般的ではないことが要因だと思われます。加えて、CRM自体の利用は進みつつも、活用についてはばらつきが大きく、そもそものデータ取得の段階で、お困りの企業が多いのかもしれません。

 しかし昨今は、DXやAIの活用によるデータの重要性が増し、コロナ禍を経てオンライン営業が一般化することで、分業を思考する企業も増えてきました。RevOpsという言葉は知らずとも、統合的なデータ環境とオペレーションの構築が経営のトッププライオリティになってきている点は、皆さんも同意いただけるのではないでしょうか?

 実は、日本国内の急成長企業でも、RevOpsの取り組みは広がりつつあります。特に2010年代に急成長したSaaS企業は、いち早くTHE MODEL型の営業組織を取り入れ、必然的にRevOpsに取り組んでいます。筆者はGoogleで実践してきたRevOpsの内容を、転職先のfreeeでも生かすことで、同社の成長に貢献しました。

 その後、日本でもSales Enablement Platformなど、データを統合するソリューションが登場し、より手軽にRevOpsができる土壌が進んできました。

 THE MODEL型の活用が進むにつれて、SaaS以外の企業でもRevOpsの利用が進んでいる事例もあります。

 当社がサポートした例でいうと、LINEがSMB向け直販事業を立ち上げた際に、CRMとSEPを基軸にRevOpsを活用。分業のメリットを享受しつつ、デメリットを最小化すべく下記のような取り組みを行い、急成長を遂げました。

・顧客との関係構築に徹底的にフォーカスするために、マーケティング・営業・顧客支援から得られた顧客情報をシームレスに連携

・顧客の行動や合意形成項目などのLTVに直結するリアルタイムな情報をBIとして可視化

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