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「最強連合」に向けてイオンを頼ったツルハ モノ言う株主の指摘は本当に正しいのか

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月3日 11時20分

 コロナ禍のさなかに経営統合した、マツモトキヨシHDとココカラファインには共通の特徴があった。具体的には、都市部の駅前に店舗が多く、インバウンドの爆買いで売り上げを伸ばしていた。従って、コロナ禍でインバウンド需要が消失して駅を利用する人も激減した状況では苦しかったのだろう。郊外型のロードサイド店を中心に売り上げを伸ばしていた、ウエルシア、ツルハ、コスモス薬品、スギHDなどが好調に推移する一方で「負け組」になっていた。

 その後、コロナ禍が終わってきて、マツキヨココカラ&カンパニーは急速に復活している。マツキヨココカラ&カンパニーが誕生した背景に、コロナ禍による危機感があったのに対して、ウエルシアとツルハには何があったのか。

●“御三家”が私腹を肥やしている?

 背景を探る前に状況を整理しよう。イオンはツルハHDの子会社化に当たり、まずツルハ株の約13.6%を、香港の投資ファンドであるオアシス・マネジメントから買い取る方針だ。イオンは既にツルハ株のうち約13.9%を保有して筆頭株主となっているが、合わせると3割近くを保有することとなる。そうしてツルハはひとまず、イオンの持分法適用会社となる。

 一方のウエルシアは現在、株式の約50.5%をイオンが保有しており、イオンの有力な子会社の一つである。そこで株式移転という手法を用いて、ツルハがウエルシアを完全子会社にする。ウエルシアはイオンに対して「孫会社」になるということだ。

 今までのブランド名は継承する予定で「ウエルシア」「ツルハ」などといった店舗名は経営統合後も続いていく方針を示している。新生ツルハの社長は、現ツルハ社長の鶴羽順氏がそのままスライドするのではないかといわれている。

 イオンは2014年に、今回と似た手法でウエルシアを業界トップに押し上げたことがある。ウエルシアを子会社化し、その傘下に、CFSコーポレーション、タキヤ、シミズ薬品の3社を完全子会社として組み入れた。長らくトップに君臨していたマツモトキヨシHDを抜いてウエルシアが1位に立ったのは3年後の2017年だが、今度はツルハとのアライアンスでアジア1位を取りに行くというわけだ。

 ところで近年のツルハは、モノ言う株主であるオアシス・マネジメントの提案に悩まされていた。オアシス・マネジメントは、ツルハのもっぱら創業家の利益を優先する、創業家支配を疑問視。企業価値や株主価値を上げるために、ガバナンス体制を改革し、低収益のため従業員の給料も上がらない状況から脱却することを求めていた。

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