王者楽天ポイントに迫れるか? 新生Vポイントの“勝算”
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月4日 5時40分
「楽天ポイントを捉えかねない位置に付けているのに、メインのポイントとしては大きく下がる」とMMD研究所の吉本浩司所長は指摘する。とりあえず持っていて機会があれば使っているが、もはや終わったポイントだとユーザーは考えている――。そんな微妙な立ち位置にあるのが、旧Tポイントだったわけだ。
ではこの旧Tポイントは、SMBCグループのVポイントと統合することで上昇気流に乗れるのだろうか? その前に、ライバルである他の5つの共通ポイントの強みをチェックしておこう。
●ライバルの強みは?
まず「dポイント」の強みは、通信キャリアとしての基盤と、実はクレジットカードにある。「利用しているクレジットカード」のトップは楽天カードで利用率は4割に達しているが、注目したいのは「dカードGOLD」だ。
なんと年会費無料の「dカード」の利用率7.2%に加え、年会費1万1000円の「dカードGOLD」も6.9%が利用しているのだ。利用者の半分がゴールド会員。こんなカードはほかにはない。ゴールドカードの中での数字を比べても、楽天カード(ゴールド、プレミアム)が2.8%、au PAYカードゴールドが1.5%、PayPayカードゴールドが0.9%なのを見ると、dカードGOLDの強さが光る。
「dカードGOLDは、ドコモショップなどで積極的にお勧めされている。年会費はかかるが、ドコモ携帯のポイント還元によってほぼ実質無料で持てるというのがセールストークだ」と、吉本氏はdカードGOLDの強さの理由を説明する。
実は携帯電話を使っているだけでは、経済圏を意識するユーザーは少ない。そこにクレジットカードが加わることで、dポイントを貯める意識が醸成されるわけだ。
続いて「Pontaポイント」の強みは、通信キャリアのauだ。Pontaポイント経済圏をメインとしている人は92.2%がauグループのモバイル通信を利用しており、ここが基盤となっている。ところが、Pontaポイントについてはもう一つの武器に欠けるところがある。
早くから金融サービスに力を入れ、証券、銀行、カードなどを経済圏に取り込んできたKDDIだが、それぞれが小粒で、トップと争うところまでいっていないのだ。コード決済のau PAYはコード決済全体でのシェアを見ると4位だが、経済圏内での利用率は85.2%と高い。各経済圏でリアルの小売を持つのはイオングループくらいしかない。
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