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「富士山ローソン」問題はどうなった? “イタチごっこ”が続く理由

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月5日 6時30分

 では、このゾーニングで富士山ローソン問題をどうやって解決をするのかというと簡単だ。他にも富士山ローソンをつくればいい。

 当たり前だが静岡や山梨で、富士山を背にしているローソンは、河口湖駅前店だけではない。近くの「ローソン富士河口湖町役場前店」もそうだし、河口湖町以外ならばもっとある。

 また、「富士山セブン」や「富士山ファミマ」も多い。看板はローソンのように青色ではないが、Instagramには映える写真も多く掲載されている。

 では、なぜ外国人観光客はローソン河口湖駅前店ばかりに集中するのかというと、「ハズしたくない」からだ。

 皆さんも海外旅行をするとき、初めての国で観光する際にはネットやSNSの口コミ、ガイドブックで紹介されているイチオシのスポットへ素直に行くだろう。現地のガイドに「ここが人気のスポットです」と勧められたら素直にそこを目指すだろう。

 旅行の日程も決まっていて移動できる範囲も限られている中で、独自に見つけた穴場スポットへ向かうのはリスクが高い。そこで、「ここを抑えておけばハズレがない」という定番スポットについつい足が向いてしまわないか。ローソン河口湖駅前店の前にいる外国人観光客もそうだ。

●情報源は役所のWebサイトではなく……

 他にも「富士山ローソン」や「富士山コンビニ」が撮れるスポットがあることを知っている観光客もいるが、「あのバズった写真が撮れる場所なのでハズレはないだろ」という考えがあるので結局、あの場所に殺到してしまう。外国人バスツアーを見ると、別のコンビニを観光スポットとして組み入れているケースもあるが、どうやらそれは十分に伝わっていないようだ。

 混雑する中でベストなショットを撮りたいので、中にはムチャをする人もいる。人が多く集まる場所は当然マナーの悪い人間も多くなるので、ゴミのポイ捨てや迷惑行為が増える。

 これは外国人観光客どうこうという話ではない。コロナ禍で観光地に日本人しかいなかった時も、ゴミのポイ捨てが深刻な問題になっていたように、人が多く集まるところでは必ず起きる問題だ。

 このような「観光公害」を解決するには「ゾーニング」しかない。つまり、ローソン河口湖駅前店以外の「富士山ローソンが撮れる店舗」をしっかりと周知させることで、「あそこでもハズレのない写真が撮れるらしい」と観光客の分散を目指していくのである。場所によっては、ローソン河口湖駅前店よりもはるかに映える「富士山セブン」や「富士山ファミマ」が撮れるスポットもあるので、そちらも合わせて情報提供をするのだ。

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